野生のキツネの後を追うと宝が見つかる「The Elder Scrolls V: Skyrim」の都市伝説は根拠ある事実、Joel Burgess氏が説明

2021年8月19日 16:07 by katakori
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「The Elder Scrolls V: Skyrim」

昨日、オープニングで荒ぶる馬車の意外な原因と背景が話題となった「The Elder Scrolls V: Skyrim」ですが、これを報告したNathan Purkeypile氏のエピソードに強く感銘を受けた元Bethesda Game StudiosのJoel Burgess氏が“Skyrim”開発におけるお気に入りの思い出話を紹介。海外コミュニティ等で尤もらしい噂の1つとして発売当初から何度か話題になっていた「野生のキツネを追いかけると役立つ戦利品やお宝が見つかる」という現象が、技術的に根拠のある事実だったことが明らかになりました。

(※ Joel Burgess氏は、BGSの元シニアディレクターでSkyrimのレベルデザインを多く手がけ、戦闘やゲームプレイデザイン、MOD機能統合にも貢献したベテラン。FO4のドッグミートを演じ多くのファンに愛され、先日亡くなったリバーちゃんの飼い主でもある。現在はCAPYのスタジオディレクター)

発売当初、この噂を耳にしたBethesda Game Studiosは、実装した覚えのない現象の正体を探るため、関係の深いJoel Burgess氏やJean Simonet氏、Jonah Lobe氏、Mark Teare氏に事情を聞いたところ、全員が自らの関与を否定。そこで興味を持ったJoel Burgess氏とJean Simonet氏がスクリプトの調査を進めたところ、Jean Simonet氏が“Navmesh”に関係するキツネと宝の相関関係を特定したとのこと。

“Navmesh”というのは、(MOD作りにもよく使われる)NPCを含むAIキャラクターが自律的に移動できるエリアやルートを予め定めておくためのメッシュ、つまりナビゲーション用の平面オブジェクトで、SkyrimのCreation Engineでは三角ポリゴンの集合体で出来ています。

「The Elder Scrolls V: Skyrim」
例:Creation Engine用“Navmesh”の外観、三角ポリゴンの集合体であることが確認できる

NPCを含むAIキャラクターは、プレイヤーに接近する、或いは物陰に隠れるといった行動をNavmeshに基づく移動経路の策定によって決定しています。

この経路探索は、ビデオゲームにとってはいつの時代も厄介で高コスト/高負荷な演算の1つとして知られていますが、Skyrimにおいては、AIキャラクターのタイプに応じて適切なコストの経路探索が割り当てられます。

高負荷な経路探索は、“Navmesh”に基づき視線や距離のチェックを行い、プレイヤーを襲う盗賊などは1秒間に何度もこの各種チェックを含む経路演算を実行するわけですが、一方で交易路をのんびり歩いているようなNPCの演算コストは低く、各種チェックやトラッキングは数分おきで問題ありません。

今回話題となったキツネは、この高プロセスと低プロセスのちょうど中間に位置し、戦闘の複雑な経路探索を必要としない中プロセスのAIキャラクターで、プレイヤーから逃げるという行動のみを使用しているとのこと。

ここで問題となるのが、“Navmesh”の構造そのものです。上掲のイメージを見れば一目で分かる通り、“Navmesh”を構成する三角ポリゴンは、その場所に応じて大きさが異なります。つまり、広く平坦なエリアの“Navmesh”用ポリゴンはおおざっぱで大きくても機能しますが、入り組んだ場所や狭い通路の“Navmesh”については、必然的にこれを構成する三角ポリゴンのサイズが小さくなり、面の並びも複雑になってしまいます。

加えて、視覚的なオブジェクトが多く配置されるキャンプの様なエリアは、“Navmesh”がさらに高密度化することから、プレイヤーがしばしば目的地として訪れるような興味を引くエリアは、非常に細かな“Navmesh”が敷かれた場所と同義ということになります。

キツネに話を戻すと、プレイヤーを発見したキツネのAIは、100mの距離を取ろうと逃げているのではなく、(逃げ場に適した広い場所と想定しやすい)“Navmesh”用ポリゴンが100枚存在する場所を探索し、単にその場所を目指しているにすぎません。

しかし、100枚の“Navmesh”用ポリゴンが存在する場所を効率的に探索しながらプレイヤーから逃走する行動は、結果的にメッシュ密度の高い“興味を引くエリア”(所謂Points of Interest)にたどり着いてしまうケースが少なくなく、これこそが最初にご紹介した「キツネを追うと戦利品やお宝にたどり着く」という都市伝説に結びついた、というわけです。

馬車のバグを振り返ったBethesda Game Studiosの元アーティストNathan Purkeypile氏は、オープンワールドゲームの開発が、1つ直せば別の何かが壊れるような非常に難しいものながら、全てのシステムが相互に影響しあうことで特有の面白さが生まれると説明していました。

今回Joel Burgess氏が明かしたキツネとお宝の関係もまた、Nathan Purkeypile氏の言う複雑な相互作用から生まれた、文字通り想定外の面白さの象徴的な事例だと言え、発売から10年が経っても話題が尽きない“The Elder Scrolls V: Skyrim”の奥深さに心から驚くばかりです。

情報元:PCGamesN, イメージ:What Culture

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