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バトルロイヤル系F2Pマルチプレイヤーサバイバル“Darwin Project”を手掛けたScavengers Studioの新作として、今年2月に待望のローンチを果たし、高い評価を獲得した「シーズン 〜未来への手紙〜」（Season: A letter to the future）ですが、先日ブラジルで開催された南米最大のビデオゲームイベント“BIG Festival”にて、本作が同イベントのアワード“BIG Awards 2023”の最優秀賞とベストナラティブ賞を獲得したことが明らかになりました。

20世紀半ばの技術水準のまま進化を遂げず、何千年も経過した未来の世界が舞台となる“Season: A letter to the future”は、まもなく迎える世界の終わりに向けて、未来に過去の記録と真実を残すための旅に出た少女の物語を描くストーリー重視のロードムービー系アドベンチャーで、自転車を利用する旅や記録を目的とする収集、吉田博の木版画やノーマン・ウィルキンソンのイラスト、スタジオジブリ作品等にインスパイアされた美しいアートスタイルを特色としています。

余談ながら、本作はゲームプレイ体験とストーリーテリングが極めて高いレベルで一体化した希有な作品で、希望を堂々と描くストーリーも素晴らしく、近年幾つか優れた作品が存在するマジックリアリズム系ビデオゲームの中でも頭一つ抜きんでる（プロットはまさに“百年の孤独”の影響を感じさせるような内容で、SFとしても見事なワンダーを持つ）傑作であり、ラテンアメリカで獲得した高い評価は非常に意義深いものですが、残念ながら高い評価とは裏腹にセールスはリリースから5ヶ月で僅か6万本程度と振るわず、先日Scavengers Studioがスタジオの半数以上を対象とする大規模なレイオフを実施したことが報じられていました。

■ “BIG Awards 2023”の部門別受賞作品

• ベストゲーム：「Season: A letter to the future」開発 – Scavengers Studios [カナダ]
• ベストゲーム ブラジル：「Bloodless」開発 – Point N’ Sheep
• ベストゲーム ラテンアメリカ：「What Lies in the Multiverse」開発 – IguanaBee & Studio Voyage [チリ]
• ベストオリジナルゲーム：「Stray Gods: The Roleplaying Musical」開発 – Summerfall Studios [オーストラリア]
• ビッグインパクト（教育）：「Turma das Patinhas」開発 – Crenix Games [ブラジル]
• ビッグインパクト（社会問題）：「Atuel」開発 – Matajuegos [アルゼンチン]
• ビッグインパクト（多様性）：「A Year of Springs」開発 – npckc [日本]
• ベストXR/VR：「YUKI MRrcade Mode」開発 – ARVORE Immersive Experiences [ブラジル]
• ベストサウンド：「Sunday Gold」開発 – BKOM Studios [カナダ]
• ベストアート：「Universe for Sale」開発 – Tmesis Studio [イタリア]
• ベストナラティブ：「Season: A letter to the future」開発 – Scavengers Studio [カナダ]
• ベストゲームプレイ：「Railgrade」開発 – Minkata Dynamics [日本]
• イノベーション：「Touch Type Tale」開発 – Pumpernickel Studio [ドイツ]
• ベストマルチプレイヤー：「Dorfs: Hammers for Hire」開発 – Ravegan [アルゼンチン]
• ベストチルドレンゲーム：「Turma das Patinhas」開発 – Crenix Games [ブラジル]
• ベストモバイルゲーム：「Sequenza」開発 – An Otter Game Studio [アルゼンチン]
• ベストスチューデントゲーム：「Animal Planner」開発 – MittagPause Studio [アールト大学]
• WINGSスポットライト：「A pet shop after dark」開発 – npckc [日本]