Gone Homeを生んだSteve Gaynor氏が女性差別とパワハラ問題で期待作「Open Roads」のクリエイティブリードを退任

2021年8月5日 18:42 by katakori
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「Open Roads」

Gone Homeを生んだFullbrightとAnnapurna Interactiveの新作アドベンチャーとしてアナウンスされ、ケイトリン・ディーヴァーとケリー・ラッセルの起用や16歳の少女と母親の旅を描くロードムービー的なプロットが話題となった期待作「Open Roads」ですが、新たに本作の公式Twitterが開発体制の見直しについて報告し、Fullbrightのカリスマ的なフロントマンとして知られるSteve Gaynor氏がスタッフへの度重なる女性差別とパワーハラスメント行為により本作のクリエイティブリードを辞任したことが明らかになりました。

公式Twitterの報告によると、開発チームは透明性と自主性、信頼をもって仕事ができる健全で協調的な職場環境を強く希望しており、Steve Gaynor氏は今回の辞任により開発の責任やクリエイティブリードの役割をチームへと引き継ぎ、今後はライターとして開発に関与するとのこと。

今回の問題は、開発元であるFullbrightのスタッフやスタジオを辞めた元開発者の告発から明らかになったもので、2019年の“Open Roads”開発始動以来、15人のスタッフがスタジオを去り、うち10人が女性だったとのこと。

また、パブリッシャーAnnapurna Interactiveも女性開発者が次々と辞めていく状況を不審に思い、調査を行っており、現在はAnnapurna Interactiveが開発チームとSteve Gaynor氏のやりとりを仲介する橋渡し役を担っていることが判明しています。

告発されたSteve Gaynor氏の行為は、非常に支配的で不健康な職場環境の中で、女性スタッフの貢献に対する軽視や不当な評価、嘲笑、非常に細かな干渉といったパワーハラスメントが常態化していたもの。今回の件についてSteve Gaynor氏本人もコメントを寄せており、自身のリーダーシップスタイルが多くのスタッフを傷つけてしまったと謝罪し、チームから身を引いたことでチームの一員としての役割や改善の方法、Fullbrightにおける仕事と自信の関係を見直すための機会と展望を得たと説明。“Open Roads”開発の日々から身を引くことは残念ながら、今回の辞任は正しいことだったと説明しています。

Fullbrightと言えば、傑作「Gone Home」と「Tacoma」を通じて女性の物語をビデオゲームで鮮やかに描いたインディーゲーム文化の象徴的な先駆者であり、BioShock 2の傑作DLC“Minerva’s Den”のクリエイターでもあるSteve Gaynor氏は、Fullbrightとほぼ同義のカリスマ的な開発者として広くその存在が知られていました。

今回の出来事は、マイノリティや女性に開かれた親しみやすいスタジオのパブリックなイメージを根底から覆すもので、非常にショッキングなスキャンダルと言えますが、Annapurnaの下で新チームが“Open Roads”を無事素晴らしい作品に仕上げることができるか、そして謝罪の言葉を述べた天才クリエイターSteve Gaynor氏がしっかり自身を見つめ直し、いつか自らの卓越した作家性と普段の行動を合致させることが出来るか、今度の動向に注目が集まるところです。

参考:母と娘の旅を描く「Open Roads」のティザートレーラー、主人公テス役はブックスマートのケイトリン・ディーヴァー

とある秋晴れの日、テス・ディバインと彼女の母親オパールは、家の屋根裏部屋に注意深く隠されていた、古いメモや手紙の入った箱を発見します。 根深い家族の秘密の手がかり、数十年前の強盗事件、カナダ国境近くのどこかで失われた財産…彼女たちが見つけたものは、さらに暗い謎を示唆しており、そのまま触らずにおいておくのが最善のようでした。

しかし、そんなわけにはいきません。

『Open Roads』では、テスとオパールがロードトリップアドベンチャーに乗り出し、長い間忘れられていた一連の家族の所有物を探すことにより、過去を発掘します。 二人は、オパールが長い間かけて忘れようとしてきた、埋もれた記憶の鍵となる場所の跡をまわり調べます。 そして探索するうちに、母と娘は彼女たちが探していた真実だけでなく、お互いを発見することに…。

特徴:

  • 16歳のテス・ディバインとして、母親と共にロードトリップに出かけ『Open Roads』の物語を体験し、時の流れに取り残された記憶を呼びおこす場所を探し、手がかりを発見してください。
  • 次の目的地に向かう途中、車の中でくつろいだり、ラジオをいじったり、お母さんとおしゃべりしたりして、なつかしいロードトリップの雰囲気を満喫。
  • ディテール豊かな一人称視点の環境と、美しい手描きアニメーションのキャラクターが融合した、アドベンチャーに命を吹き込む画期的なアートスタイル。
  • ユニークで興味をそそる、インタラクティブな対話システムが物語を動かし、キャラクターの欠点・秘密・隠された真実を明らかにしていきます。
  • ストーリーゲーム『Gone Home』や『Tacoma』の製作で高い評価を受け受賞歴のある製作チーム、Fullbrightによる母娘旅・ロードトリップアドベンチャー。

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