先日からUbisoftの著作権侵害に絡んでPC版タイトルリリースの是非が多くの議論を呼んでいますが、昨晩ケンブリッジ大学の職員と学生によって運営される週間ニュース誌“The Cambridge Student”の公式サイトにPCゲームのオンライン販売プラットフォーム“Steam”を運営するValveのボスGabe Newell氏のインタビューが掲載され、DRMと著作権侵害による被害についてValveらしい見解を示しました。
インタビューの中で、近年あまりに厳格なDRMの採用を原因とするユーザーのボイコット問題などを例にDRMに対する見解を求められたゲイブは、現在の著作権侵害に関する問題には基本的な誤解が存在していると発言、著作権侵害を引き起こす原因は価格の問題では無く、サービスの問題だと語りました。
ゲイブは“例え話”として、著作権侵害者(※ 便宜上の表現)が世界中のゲーマーに向けていつでも自分のPCからゲームタイトルを簡単に購入出来るよう提示する中、合法なコンテンツプロバイダが製品のリージョン制限を行い、北米リリースから3ヶ月後にあなたの国で販売を開始、旧来の販売店でしか購入出来ないと考えた場合、この著作権侵害者のサービスには価値があると発言。結局のところDRMによる問題解決は直接消費者に制限を課し、不透明性を増すことで製品の価値を縮小しているにすぎないと語りました。
そして、Valve(Steam)のゴールは前述した著作権侵害者よりもさらに大きなサービスの価値を産み出すことだと述べ、Steamではこれに成功し著作権侵害の問題はValveにとって基本的に問題ではないと断言しました。
ゲイブは実例としてロシアでの成功を挙げ、最初に参入した際にはロシアにおける消費者の多くが著作権侵害を犯しており、ビジネス展開は時間の浪費だと指摘されたものの、現在ロシア市場はValveにとってヨーロッパで最大の販売機会を持つ市場になっていると語っています。
ということで、まさにゲイブ節炸裂の発言ではありますが、やはり実行と実現がしっかり伴っていることから説得力は十分にあると言え、サービス向上に対する熱心な取り組みからもこういった意志がしばしば感じられます。
一方、昨日からご紹介しているUbisoftの問題を例に鑑みれば、確かに発言や決定が大きな議論や反論を呼んではいるものの、Ubisoftが魅力的なPCタイトルを多くリリースしている事実は疑いようも無く、先日リリースを果たし素晴らしい仕上がりを見せたAnno 2070や、ターンベースのファンタジーストラテジーとして手堅い佳作となったMight & Magic: Heroes VIなど、多くのPCゲームやPC移植を実現しています。
ValveとUbisoftが共に良い作品を生み出している状況で、商機へのスタンスに見られる対極的な差が今後どういった潮流をそれぞれ引き込むことになるのか、現在もなお進行中である著作権侵害の問題と共に改めて動向に注目する必要がありそうです。
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