かつてWilliam Pugh氏(現Crows Crows Crows)と共にビデオゲームをテーマに描いたメタアドベンチャーの傑作“The Stanley Parable”を手掛け、その後ゲーム開発者をテーマに描いた怪作“The Beginner’s Guide”を生んだDavey Wreden氏が、現在サンフランシスコで開催されている“GDC 2018”のインディーパネルに登壇。再び独創的な視点でビデオゲームそのものを注視する次回作の開発を進めていることが明らかになりました。
今のところ、次回作の名称や具体的なディテールは不明ながら、Davey Wreden氏は人々がゲームを開始した後、なぜそのゲームを継続的にプレイするのか、中核となるメカニクスレベルでゲームを楽しい、もしくは興味深いと考えるのかについて思索していると説明。また、なぜ人は別のゲームをプレイすることよりも、1つのゲームに時間を費やしたいと考えるのか、多くのビデオゲーム開発者が抱えるテーマについて、以下のような要因を自身の見解として挙げています。
- 第一に、より上手くなるか、もしくは効率が上がること。遊び始めた時よりもゲームを上手くプレイできることが楽しいと感じる感覚。
- 第二に進捗。より多くのアイテムやコンテンツが得られ、所持数が上がること。
- 第三はより多くのコンテンツを見ること。対象となるゲームの物語、あるいはキャラクター、その世界が好きで、これをもっと見続けたいと思う感覚。
Davey Wreden氏は、この要因が多くの場合有効であり、これを十分に満たすゲームを皆が好むことを挙げた上で、自身が現在取り組んでいる問いを「これら3つの要因のどれにも依拠せずに、ユーザーとの関係を深め、プレイを強いるゲームを作り上げることはできるか?」と説明。前述の要因が、何れもゲームをプレイする行為そのものよりも外的な動機に基づいていると述べ、何れもプレイヤー自身の未来(より上手くなった自分、より多くのアイテムを獲得した未来、まだ見ていないコンテンツに対する期待)を想像する内的なモチベーションによって駆動しているとの見解を提示しています。
プログレッションを持つ現代的なビデオゲームの条件とも言える基礎について言及した氏は、自身がこういった未来に対する信頼を全く用いずに、プレイするまさにその瞬間のみでゲームプレイを強いる方法の探究を愛していると強調しています。
ストーリーを持つゲームを除いて、進捗が存在しなかった(或いは今ほど支配的ではなかった)時代のビデオゲームには、未来の想像によってプレイを駆動しないタイプの作品が少なからず存在しており、インディー勃興の一部はビデオゲームの巨大化・占有・冗長さに対するアンチテーゼでもあったと言えますが、氏は単純にプログレッション誕生以前のビデオゲームが持ち得た魅力に立ち帰るわけではなく、プレイヤーの選択がより良い結果や効率化を生まない、あるいは進捗の結果が全く明示されない、さらにストーリーを得るためにコンテンツの全てを見る必要がないといった、現代的なデザインや直感に反する“面白い”ゲームを作り上げたいとのこと。
これまでも、一般的なルールや慣例をあえて破ることで素晴らしい作品を生み出してきたDavey Wreden氏ですが、自ら提示した問いに氏がどんな答えを用意するのか、来る最新作のお披露目に大きな期待が掛かるところです。
PC | PlayStation 4 | Xbox One | Wii U
PlayStation 3 | Xbox 360 | PS Vita | DS
Mobile | Movie | Rumor
Culture | lolol | Business | Other
RSS feed | About us | Contact us
かたこり( Twitter ):洋ゲー大好きなおっさん。最新FPSから古典RPGまでそつなくこなします。
おこめ( Twitter ):メシが三度のメシより大好きなゲームあんまり知らないおこめ。洋ゲー勉強中。