Stalkerシリーズのリードプログラマーと技術的なアーキテクトを手掛けていたOles Shishkovtsov氏が中心になって新設された4A Games、現在処女作となるシュータータイトル「Metro 2033」のリリースを控え、その高度な技術とロシアらしい喧噪と埃にまみれた世界観に大きな注目が集まっています。
そんな4A Gamesに盗作の噂が持ち上がりニュースになっています。出所はStalkerシリーズを手掛けるGSC Game Worldの創立者Sergey Grigorovich氏で、同氏はShishkovtsov氏がGSCを去る際に自身のデスクからX-rayエンジンの技術的な何らかを持ち去り、4Aエンジンに利用したと考えている様です。
Digital Foundryで行われた4Aに対するインタビューでOles Shishkovtsov氏はこの噂について「両エンジンに関係は全くない」と否定、X-rayエンジンがマルチスレッドに無力である事、そしてネットワークコードが弱くエラーが起こりやすいシステムである事、リソースやメモリ管理のストリーミングが禁止されている事等を挙げ、X-rayエンジンがPC向けに定義されたエンジンであると述べ、コンソール対応を念頭においた4Aエンジンとは技術的な哲学が根本的に異なるので、コードを共有する事が出来る箇所などはほとんど存在しないと主張しています。
Shishkovtsov氏はこれらを以て疑惑に関する最終的な答えは”ノー”だと述べ、X-rayと4Aはコードを共有しておらず、またそうする事は可能ではないと強く否定しています。今週末にDigital Foundryで4Aエンジンに関する技術的なディスカッションがされる予定のようなので、何らか続報等あれば改めてお知らせしたいと思います。
Stalkerシリーズが本当に唯一無二の素晴らしいタイトルである事に間違いありません。しかしすでに1.6までコンマアップデートが果たされたX-rayエンジンは長年に渡って大幅な増築工事を繰り返して肥大化してきており、DX11対応も果たしてはいるものの、アセット管理なども含め所謂近年流行のモダンなエンジンとは言い難い所があるのは事実です。もちろんそこがMOD文化的には功を奏したメリットでもあったわけですが、Shishkovtsov氏が言うとおり、現在判っている4Aエンジンの情報を見る限りX-rayエンジンからの盗作と言われると少しピンと来ないのが正直な感想です。
期待の大きい両タイトルに起こったこの騒動、どういった展開が待っているか動向が気になる所です。
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