先日、Treyarchがカウントダウンのティザーイメージを公開し注目を集めたCall of Dutyシリーズの「Zombies」にスポットを当てる“D.I.C.E. Summit 2015”のプレゼンテーションが本日予定通り実施され、今年のCoD新作を手掛けると予想されるお馴染みTreyarchのボスMark Lamia氏が今やCall of Dutyフランチャイズを象徴する代表的なコンテンツの1つとなった“Zombies”の誕生について言及。Treyarchが“World at War”の開発を進めていた当時、スタジオヘッドのMark Lamia氏でさえ存在を知らされていなかった“Zombies”が、“こんなモードがCoDに存在すべきではない”との判断からお蔵入り寸前の状況にあったことが明らかになりました。
Mark Lamia氏によると、“World at War”のゾンビモードはTreyarchの小さなチームがCoDのCo-opモードとして秘密裏にプロトタイプ開発を進めていたもので、当時はTreyarchがInfinity Wardと交互にタイトルを手掛ける2年の開発サイクルに初めて取り組んでいた経緯もあり、短い開発期間の中でスタジオのアイデンティティーを確立すべく懸命にもがいていたTreyarch史上最も騒々しい時期だったとのこと。
そんな状況のなか“Zombies”の存在を突然知らされたMark Lamia氏は、新たな技術開発に取り組みながらスケジュールに追われる本編の困難な開発を優先すべく、スタジオヘッドの合理的な判断としてこのチームを解体し、本編のゲームプレイ開発に戻るよう(認可も計画もされず、予定外で明確にゴーサインを出していない)プロジェクトを実際にキャンセルしたと説明。
Mark Lamia氏は、この決断が作品を発売することやビジネスパートナーに対して負う責任を鑑みたものだったことを明かしていますが、その後やや落ち着きを取り戻したMark Lamia氏は“Zombies”のプロトタイプを実際にプレイし、このモードをゲームに導入しなければならないことを悟ったと述べ、自身のキャリアの中で最大の過ちとなる判断を一時とはいえ下してしまったと振り返っています。
それでもなお、フランチャイズを率いる数人の有力者はゾンビとゾンビモードに対して真っ向から反対し、Call of Dutyフランチャイズの面汚しになるだろうと主張。氏はActivision内部に成功したブランドが大きく逸脱する何かを導入することに対する恐れがあったと語り、ゾンビモードが不可解で無責任な存在に受け取られたことから、マーケティングや広報のスタッフでさえこの要素に触れようとはしなかったと説明しました。
そんな状況のなかで、Treyarchはゾンビモードの実装を実現するために幹部役員達と取引を結び、本編終了後のみ解除されるイースターエッグとしてゾンビモードの導入を果たしたとのこと。
Lamia氏は、この選択が“Zombies”の偉大な成功を生む結果となる最初のシーズが蒔かれた瞬間だったかもしれないと振り返っており、結果的に“Zombies”を全てのプレイヤーがプレイ出来るとは限らない特異な経験に仕立て上げただけでなく、これを発見したハードコアなファン達がゾンビモードの存在を普及させるファンドリブンなコミュニティと開発者の関係を構築し、ゾンビモードの将来を形作る役割さえ担ったと説明。その後ゾンビモードが普及し、遂にファン達がゾンビモードを直ぐにプレイできるよう求めた時、Lamia氏は既にゾンビモードの成功を確信していたと明らかにしました。
“Zombies”誕生の紆余曲折を明かしたMark Lamia氏は、ファンと開発者の声に耳を傾けることを学んだと語り、今もファンとの対話がTreyarchに強い影響を与え続けていると強調。今後も世界中のファンとこの対話を続けていくことを楽しみにしているとアピールしました。
“Call of Duty: Black Ops 2”のローンチとSledgehammer Gamesの開発サイクル参入を経て、3年の開発期間を得たTreyarchですが、4月から5月に掛けてお披露目されるであろう今年のCoD新作がどんなTreyarch的体験をひっさげ登場するのか、今後の続報に改めて大きな期待が掛かるところです。
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