映像に描かれた人類の歴史やUbisoftとの関係など、「Ancestors: The Humankind Odyssey」とPatrice Desliets氏に関する新情報まとめ

2015年4月24日 12:57 by katakori
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「Ancestors The Humankind Odyssey」

昨晩、クロアチアで開幕した開発者イベント“Reboot Develop 2015”のキーノート中にお披露目が行われたPatrice Desliets氏率いる新スタジオ“Panache Digital Games”の新作「Ancestors: The Humankind Odyssey」ですが、その後幾つかの報告やインタビューを経て、映像に収録された人類の歴史やUbisoftとPatrice Desliets氏の裁判と両者の関係、新スタジオの開発規模など、興味深いディテールが浮上しています。

参考:昨晩“Reboot Develop 2015”会場でお披露目された映像

■ “Ancestors: The Humankind Odyssey”に描かれた人類の科学/文化的マイルストーン

  • 2003年:人間の遺伝子解析
  • 1996年:クローン羊ドリーの誕生
  • 1989年:ベルリンの壁崩壊
  • 1969年:人類史上初の月面着陸
  • 1928年:ペニシリンの発見
  • 1903年:ライト兄弟による世界初の有人動力飛行
  • 1850年:人口が10億人に到達
  • 1809年:チャールズ・ダーウィンの誕生
  • 1666年:ラテン語が記されており、詳細は不明ながら“万有引力の発見”を指すものと思われる
  • 1091年:初の十字軍(シチリア島の征服を指したものと思われる)
  • 355年:ローマ帝国の凋落
  • 2578年前:釈迦の誕生
  • 紀元前5000年:(原文字の1つを刻んだ)タルタリアのタブレット
  • 紀元前1万2,000年:農業の革命
  • 紀元前3万年:ショーヴェ洞窟の壁画
  • 紀元前10万年:人類の出アフリカ
  • 紀元前50万年:初の家畜化
  • 紀元前150万年:初の道具
  • 紀元前500万年:ミッシングリンク

■ “Ancestors: The Humankind Odyssey”に関するディテール

  • 再掲:“Ancestors: The Humankind Odyssey”はエピソード形式を採用する三人称視点のアクションアドベンチャーサバイバル作品で、人類の歴史における革命的な瞬間の数々をドキュメンタリー風のAAA経験として描き、歴史の追体験を可能にする。
  • Patrice Desliets氏は本作を“Assassin’s Creed”と“Civilization”が出会ったような作品だと表現している。
  • キーノートにて本作を紹介したPatrice Desliets氏は、「精神が屋根から屋根へと飛び移り、兄弟と共に鐘楼へとよじ登る。罠を避けるために壁を走り、そして愛のために時間を巻き戻す。無数のテンプル騎士団と戦い、干し草の山に隠れ、ローマ教皇を追った」と“Assassin’s Creed”示唆する説明を語った上で、新しい何かが始まる時だと続け“Ancestors: The Humankind Odyssey”を披露している。

■ 新スタジオ“Panache Digital Games”と新作の開発規模について

  • “Panache Digital Games”には、Patrice Desliets氏を含む6名の開発者が所属し“Ancestors: The Humankind Odyssey”の開発を進めている。
  • スタジオにはPatrice Desliets氏と共に“Assassin’s Creed”を手がけ、THQ Montrealに移籍していたベテランを含む開発者の所属が確認されている。
    • 共同設立者兼プロデューサーJean-Francois Boivin氏:“Star Wars Lethal Alliance”や“Splinter Cell”に参加し、Brotherhood以前の“Assassin’s Creed”シリーズを手がけ、30名から300名規模の開発を率いたプロデューサー/PM。
    • アートコラボレーターNicolas Cantin氏:Microidsで人気アドベンチャー“Syberia”の開発に参加し、Ubisoftで“Assassin’s Creed”シリーズのアートディレクションを担当。GDCで受賞経験を持つほか、“Tom Clancy’s End War”のUX/UIディレクションも務めた。その後Eidos Montrealに参加し新生“Thief”のアートディレクションを担当した経歴を持つ。
    • マーケティング/マネジメントコラボレーターJean-Francois Mailloux氏:Ubisoft Montrealで15年に渡ってスタジオ運用に携わり、新オフィスの設立やデジタルマーケティングプロジェクトを手がけた。
    • アートコラボレーターChinh Ngo氏:“Chaos Theory”や“Conviction”を含む“Splinter Cell”フランチャイズのアートディレクターとして活躍、2009年には“Assassin’s Creed III”チームに参加しアートディレクターを務めた。

■ Patrice Desliets氏とUbisoftの関係について

  • 裁判沙汰にまで及んだPatrice Desliets氏とUbisoftの複雑な関係については、以下に再掲した経緯を参照のこと。
  • Ubisoftに解雇された際、Patrice Desliets氏はUbisoftの主張が事実と異なるとして、私物をまとめる余裕もなく2人のガードマンに連れられ、仲間に別れを告げる余裕もないままスタジオから追い出された経緯などを挙げ、“1666: Amsterdam”の権利を求め訴訟を起こしていた。
  • 今回の新作発表を経て、Eurogamerのインタビューに応じたPatrice Desliets氏は、訴訟が現在も続いていると明かし、UbisoftがTHQから取得後凍結させた“1666: Amsterdam”を取り戻すべく今も戦っていると強調している
  • 一方で、氏はUbisoftという企業そのものに対して敵対はしていないと説明。これはビジネスの問題だと述べ、驚くべき作品を手がけるUbisoftの人々に対する敵対心も持ちあわせていないとアピールしている。また、氏はUbisoftが氏に与えた大きなチームがなければここに存在しなかったと述べ、私は幸せだとUbisoftに対する感謝を伝えている。

■ 参考:Patrice Desliets氏とUbisoft、THQ、“1666: Amsterdam”を巡る過去の経緯

  • 2010年6月中旬:“Assassin’s Creed: Brotherhood”ローンチを前にUbisoftを退社。
  • 2010年10月中旬:THQの新スタジオTHQ Montrealのスタジオヘッドに就任。
  • 2011年12月中旬:Patrice Desilets氏が競業避止義務を破ったとして、THQに雇用の取り下げを求め提訴したUbisoftとTHQの裁判が結審しTHQが勝訴。
  • 2013年1月下旬:THQの倒産を経たアセットオークションにて、UbisoftがTHQ Montrealスタジオと“1666: Amsterdam”、“Underdog”のIPを250万ドルで購入。結果としてスタジオのボスを務めていたPatrice Desilets氏がUbisoftに復帰。
  • 2013年5月8日:Ubisoftが突如Patrice Desilets氏を解雇。氏はUbisoftに対して徹底抗戦の構えを見せる声明を発表。
  • 2013年5月9日:Patrice Desilets氏と同じくTHQ Montrealから復帰を果たしていた初期Assassin’s CreedシリーズのプロデューサーJean-Francois Boivin氏をUbisoftが解雇。
  • 2013年5月16日:Ubisoftが“1666: Amsterdam”プロジェクトの無期限凍結を正式に発表。
  • 2013年6月10日:Patrice Desilets氏が、“1666: Amsterdam”のIP購入権利と解雇の報道に絡む賠償を求めUbisoftを提訴。

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