“Xbox E3 2019 Briefing”での忘れがたいお披露目を経て、連日様々なディテールが報じられているCD Projekt Redの期待作「サイバーパンク2077」ですが、先日E3 ColiseumのCD Projekt Redパネルに登壇したCD ProjektのCEO Marcin Iwiński氏が冒頭でキアヌ・リーブスの起用について言及。キアヌ・リーブスが15日間にも渡って収録に臨んだジョニー・シルヴァーハンドが、本編において2番目に台詞の多いキャラクターであることが明らかになりました。
また、GameSpotが本作のキアヌ・リーブスの起用やジョニー・シルヴァーハンドの役どころ、収録に関するエピソードをまとめたプレビューとインタビューを公開しており、幾つかの興味深いディテールが判明しています。
■ Marcin Iwiński氏がE3 Coliseumパネルで語った内容について
- キアヌ・リーブスの起用について語った氏は、キアヌ扮するジョニー・シルヴァーハンドの登場が短いサイドクエストに限定されるようなカメオではないと改めて強調。本編の鍵を握る重要人物としてゲームの大部分を通じて登場し、2番目に台詞が多いキャラクターだと明言している。
- 現時点で、1番台詞の多いキャラクター誰であるかは提示されていない。(主人公“V”と予想される)
- ジョニー・シルヴァーハンドを演じたキアヌ・リーブスの収録は15日間に渡って行われた。
- Marcin Iwiński氏は、プレイヤーが“サイバーパンク2077”を通じてたくさんのキアヌを見るだけでなく、キアヌの会話をさらに多く耳にするだろうと伝えている。
■ リードクエストデザイナーPaweł Sasko氏のインタビューから判明したディテール
- GameSpotのインタビューに応じたリードクエストデザイナーPaweł Sasko氏は、ジョニー・シルヴァーハンドが主人公“V”に次いで本作で2番目に重要なキャラクターだと説明。ジョニー役に何故キアヌ・リーブスを起用したのか、その背景について次のように語っている。
- キアヌ・リーブスの起用について:Paweł Sasko氏によると、ジョニー・シルヴァーハンドは開発当初からストーリーに盛り込まれ、デモにも実装されるなど、早い段階でゲーム全体を通じて極めて重要なキャラクターとなることが分かっていたとのこと。ジョニーとプレイヤーのやりとりを通じて、様々な方法で互いの関係を構築することができることから、俳優の起用が検討され、非常に早い段階からキアヌ・リーブス起用のアイデアが上がっていた。
- Paweł Sasko氏は、ジョン・ウィックやマトリックス、JMなど、キアヌがしばしば何かのために戦う強靭なキャラクターを演じてきたと語り、ロックバンドのメンバーでありながら、銃を手に戦うカリスマ的な人物であるジョニーとキアヌの間に当初から共通点を見出していたことを明らかにしている。
- CD Projekt Redのビジネス部門がキアヌの起用を提案した当初、製作側は例えキアヌがジョニー役に適していたとしても、絶対に上手く進むわけがなく、不可能だと考えていたとのこと。その後、実際にキアヌのオフィスを訪れ、サイバーパンク2077とは何か、ジョニー・シルヴァーハンドがどんな役どころかを提示すると、驚くべきことにキアヌはすぐにジョニーの役を理解したばかりか、「じゃあ、こんな風に演じてみたらどうだろう」とジョニーの演技をはじめてみせ、ほどなく起用が実現したとのこと。
- 収録時のエピソードについて:キアヌは収録の開始時から自分なりのジョニー・シルヴァーハンド像を築いていた。Paweł Sasko氏はキアヌがゲーマーでこそないものの、ゲームに対する興味があり、極めて聡明でオープンな心を持つ、謙虚で腰の低い人物だと説明。他の俳優とは大きく異なる点として、CD Projekt Red側のフィードバックを柔軟に受け入れる姿勢を持っていたと語り、キアヌ自身もジョニーの癖や台詞、ビジョンについて多くの提案を行ったと説明している。
- 最初期の収録は完璧とは言えなかったものの、CD Projekt Redとキアヌ双方が互いに微調整を行い、現在の形に落ち着いた。Paweł Sasko氏によると、CD Projekt Redはジョニー・シルヴァーハンドに対する独自のビジョンを持っていたものの、出来上がったものはキアヌのビジョンや感性を取り入れたもので、当初思い描いていたものとは僅かに異なるジョニー像が出来上がった。ただし、この違いは当初の想像を超える素晴らしい結果を生み、CD Projekt Redはこの変化をもたらしたキアヌのハリウッド経験に強い感謝の念を抱いているとのこと。Paweł Sasko氏は、キアヌと仕事ができて本当に良かったと伝えている。
- ジョニー・シルヴァーハンドの重要性について:Paweł Sasko氏は、ジョニー・シルヴァーハンドが本作最大の重要人物の1人だと強調。主人公である“V”に次ぐ2人目の主人公で、全編を通じて登場する極めて重要な人物であり、ジャッキーのような人物がむしろ二次的なキャラクターだと言えると伝えている。ジョニーが目に見えて存在し、意義ある方法でプレイヤーと対話することから、プレイヤーはVとジョニーの関係性にひどく驚くだろうと説明している。
- 主人公“V”とジョニーの関係は、先日のお披露目以降しばしばヘイローにおけるマスターチーフとコルタナ、或いはPortalのChellとGLaDOSのような関係に例えられるが(もしくは良いレズノフのようだとも言える)、Paweł Sasko氏はこう例えられる状況はもちろん理解できると前置きした上で、実は“サイバーパンク2077”におけるジョニー・シルヴァーハンドは前述の例と全く異なる役割を担っていると強調。ジョニーが主役であると同時に敵役でもあり、独自の計画を持ち、その人生に望むものがあると伝え、ジョニーがVに同行する単なる乗客ではなく、プレイヤーを直接コントロールするために特異な手段で影響を与えようとする人物だと説明。その影響がどの程度で収まるか、それはプレイヤーの決定次第だと説明している。また、氏はこの違いを具体的に説明すると、たちまちゲームの楽しみを破壊してしまうと述べ、これ以上はとても伝えられないと言及を避けている。
- ジョニー・シルヴァーハンドはどんな人物なのか:ジョニー・シルヴァーハンドの人物像に触れたPaweł Sasko氏は、ジョニーが自分自身の計画と目的を持ち、常に良い人であるとは限らず、同じくいつでもプレイヤーの友人であるわけではないと説明。彼はデジタルゴーストであり、プレイヤーはジョニーを目にしているが、他の人には彼が見えていないと伝えている。
- 氏はジョニーが何らかの方法で他のキャラクターや世界に影響を与えることができると述べ、ジョニーがVを通じて及ぼす影響そのものが2人の関係性の一部だと説明。2人が互いに主張しあい、ちょっとした葛藤を生む場合もあるが、この関係性をどうするかはプレイヤー次第だと強調している。
- 氏は、Vとジョニーの関係を“1つの体に2つの心が存在している”ようなものだとも言えると語り、これ以上は話せないと伝えている。
- キアヌは“サイバーパンク2077”の中で歌を披露するのか?:キアヌ・リーブスは、90年代にバンド“Dogstar”のベーシストとして活躍したことが知られている。ジョニーもまた(架空の)人気バンド“サムライ”のギター兼ボーカリストで、“サイバーパンク2077”の本編にはサムライの楽曲が用いられている。“サイバーパンク2077”でキアヌの歌を聴くことができるかとの質問に応じたPaweł Sasko氏は、現時点でそれについて話すことはできないと伝えている。
■ 再掲:伝説的なロッカーボーイ“ジョニー・シルヴァーハンド”の出自について
- ジョニー・シルヴァーハンド(本名:ロバート・ジョン・リンダー)は、原作のTRPG“Cyberpunk 2020”に登場する伝説的なロッカーボーイで、もう1人の象徴的なロッカーボーイであるケリー・ユーロダインと共に、2008年に解散した人気バンド“SAMURAI”のギター兼ボーカルを担当していた。
- SAMURAIの解散後はソロ活動を開始し、6枚のソロアルバムをリリース。ミュージシャンとして確固たる地位を確立する。
- ジョニーは、アルバムと歌詞を通じて軍事産業やメガコープ、新時代の奴隷制に対する警鐘を鳴らし、巨大な権力に対する抵抗活動を繰り広げていた。この影響で暗殺未遂事件が発生し、半年ほど失踪していたことが知られている。
- こういった活動を経て、ジョニーは数人の仲間と共に第四次企業戦争を終結させるための大きな役割を果たしたが、2022年10月28日に決戦の場となったアラサカタワーで全身をサイボーグ化した最強の傭兵アダム・スマッシャーに立ち向かい命を落とした。
- ジョニー・シルヴァーハンドは、ゲーム世界における重要人物の1人オルト・カニンガムの元恋人でもある。
- ジョニーが愛したオルト・カニンガムは著名なネットランナーで、意識のデジタルコピーを作成するプログラム“Soulkiller”を開発し、人類で初めてデジタルゴーストとなった人物として知られている。
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