先日、サイバーパンクをテーマにした世界規模の写真コンテストがアナウンスされた期待作「サイバーパンク2077」ですが、新たにCD PROJEKT REDのクラクフスタジオを率いるJohn Mamais氏がPAX Ausの会場でAusGamersのインタビューに応じ、これまで余り触れられていなかった技術的な改善に関する興味深いディテールを明らかにしました。
オープンワールド作品に必須となるデータストリーミングシステムの刷新とその背景、群衆のリアルな挙動、リアルタイムレイトレーシングやライティングの改善に関する情報は以下からご確認ください。
なお、直接的な比較対象となる“The Witcher 3: Wild Hunt”のデータストリーミングとオクルージョンカリング、オープンワールド環境の規模に興味がある方は、2014年にご紹介した2つの過去記事(その1、その2)が参考になるかと思います。
- データストリーミングシステムについて:“サイバーパンク2077”は(The Witcher 3: Wild Huntに比べて)車による高速な移動が可能となることから、ストリーミングシステムを徹底的に再構築する必要があった。垂直に聳える巨大なビルを備えた都市が舞台となる“サイバーパンク2077”に比べ、“The Witcher 3: Wild Hunt”はまるで2Dゲームのようなもので、垂直方向へのストリーミングにも対応させるためには、技術そのものを書き直す必要があったとのこと。
- ※ “The Witcher 3: Wild Hunt”はオクルージョンカリングとデータストリーミングの実現に著名なミドルウェアUmbra 3を、LODモデルの生成にSimplygonを採用しており、タイルベースのオブジェクトコレクションを行い最大で10万オブジェクトを超える環境の高度なストリーミング技術を実現していた。ただし、REDengine 4がどんな技術を採用したか、或いは全く新しいシステムを構築したか、今のところ詳細は不明。
- プロシージャル技術について:前述の状況を踏まえたナイトシティの規模と大きさを考慮すると、目にするものの幾つかをプロシージャル生成するがあり、アーティスト達がそれぞれに不要なパイプやゴミを置かないよう開発プロセスに対策を組み込む必要があり、ゴミ箱代わりとなるレイヤーが作成された。また、レベルデザインや作成にあたって、“階層プレハブパイプライン”と呼ばれるデザイナー向けのツールセットが用意され、プレハブを用いることでレゴセットを作るような開発が可能となった。
- リアルな群衆の構築について:“サイバーパンク2077”のお披露目において最も印象的だったシーンとして、驚くほどリアルに混雑した交差点が挙げられるが、これは技術的に非常に困難な挑戦だった。“The Witcher 3: Wild Hunt”にも大勢の住人が登場したが、彼らはよく見ると外観と動きも似通っているが、ナイトシティの住人達はそれぞれに都市空間を動き回る固有のキャラクターで、人工知能と技術、アートが融合した非常に複雑なシステムとして実装され、現在もその実現に向けた取り組みが進められている。
- レイトレーシングについて:“サイバーパンク2077”はエミッシブライト(放射系の光源)にレイトレーシングを適用し、広告やネオンの照明が美しく描画される。また、レイトレーシングによるアンビエントオクルージョン、スカイライン向けにもレイトレーシングが用いられる。
- その他の技術的改善について:長距離の影やコンタクトシャドウ、Houdiniの物理演算を利用したパーティクルエフェクトや流体、布の表現を導入。グローバルイルミネーションについても改善と拡張が進められている。
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