昨日、“Anthem NEXT”のキャンセルと新規開発の中止が決定し、“Mass Effect”と共にスタジオのリソースを集中させると報じられた「Dragon Age」シリーズ最新作ですが、“Mass Effect: Andromeda”と“Anthem”の大きな失敗を経て、新体制のBioWareの試金石とも言える「Dragon Age」最新作の動向と進捗に注目が集まるなか、Bloombergのお馴染みJason Schreier氏が匿名の関係者から得た情報として、BioWareが当初計画していた“Dragon Age”シリーズのマルチプレイヤー要素を廃止し、完全なシングルプレイヤー作品にシフトしたと報告し話題となっています。
Jason Schreier氏によると、これは当初ライブサービス(GaaS)の運用を重視したEAが、直近の成功や失敗から方向性の見直しを認めたもので、ここ数ヶ月でシングルプレイヤー専用タイトルに変更されたとのこと。
また、Jason Schreier氏は未確認ながら方向性の見直しに至った背景を説明しており、Mike Laidlaw氏が退社に至った経緯をはじめ、見直し前の“Dragon Age”がまるで“Anthemとドラゴン”を組み合わせたような作品だったといった興味深いディテールが浮上しています。
- 2018年にアナウンスされた“Dragon Age”最新作は、2015年に開発がスタートしたが、2017年秋にEAとBioWareが長期的な収益化を押し進めるためにGaaSベースの作品とすべく、計画をリブート。これは、長年フランチャイズの成功を支えたクリエイティブディレクターMike Laidlaw氏の退社を引き起こしただけでなく、“Anthemとドラゴン”を組み合わせたような新作をよしとしない開発者の退社を招いた。
- この間、BioWareのリーダー陣には“Dragon Age”をシングルプレイヤーゲームに戻そうと考えるメンバーが存在しており、その他のリーダーやEAと議論を重ねていた。
- EAのCEO Andrew Wilson氏が方向転換を認めた背景には、“Star Wars Jedi: Fallen Order”の成功と“Anthem”の失敗があった。
- Respawn Entertainmentの“Star Wars Jedi: Fallen Order”は、シングルプレイヤーゲームとして2019年11月にローンチを果たし、高い評価を得て発売から4ヶ月で累計1,000万人を超えるプレイヤーベースを獲得した。
- 一方、BioWareの“Anthem”は発売前に絶賛されたマルチプレイヤーゲームだったが、ご存じの通り大きな失敗を引き起こし、改善の計画も頓挫してしまった。
- 2つの事象は、シングルプレイヤー作品にまだ利益を生む余地があることを示しており、優れたシングルプレイヤーRPGの伝統を持つBioWareを、このルーツに戻すべきではないかとの判断があった。
- Anthem NEXTに取り組んでいた約30人のインキュベーションチームは、“Dragon Age”最新作の開発に参加した。(※ Anthem NEXTとDragon Age最新作は、何れもChristian Dailey氏が開発を率いていた経緯が知られている。昨年までAnthem NEXTのリーダーを務めたChristian Dailey氏は、昨年末の再編時にMark Darrah氏の後任となる“Dragon Age”フランチャイズの製作総指揮に就任していた)
前作“Dragon Age: Inquisition”のマルチプレイヤーモードは、率直に言って蛇足気味のコンテンツでしたが、多くの“Dragon Age”ファンにとって、マルチプレイヤーのリソースをシングルプレイヤーに集中させることは喜ばしい判断と言え、これが事実であれば、この方向転換が(BioWare的に)もはや絶対に失敗が許されない作品となっている次期“Dragon Age”にどんな影響を与えるか、今後の動向に改めて注目が集まるところです。
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