昨年末のローンチを経て、無料DLCによるコンテンツ拡張に向けた様々な修正と改善が進められているCD PROJEKT REDの「サイバーパンク2077」ですが、本日遂に公式設定資料集“The World of Cyberpunk 2077”の邦訳「ワールド・オブ・サイバーパンク2077」の販売が開始され、国内でも傑作“サイバーパンク2077”と歴史ある人気TRPG“Cyberpunk”シリーズの重厚な設定を補完するファン必携の素晴らしい副読本が入手可能になりました。(参考:国内Amazon)
“ワールド・オブ・サイバーパンク2077”は、原作の2020年からビデオゲームの2077年へと繋がるRED時代の歴史や2077年の技術、ナイトシティを構成する地域の詳細や社会的な情勢、階級構造、ギャングやノーマッドを含む各種勢力といったトピックの詳細な解説に加え、重要人物であるローグのインタビューや未見のアートワークを大量に収録したファン必携の副読本です。
ただし、本書は(ワールド・オブ・ウィッチャーと同様に)単なる設定資料集ではなく、全体を通じて巨大企業の影響下にない独立系メディア“ナイトシティ・インクワイアラー”の報告書として構成されており、同メディアの編集長が腐敗するナイトシティの真実と現状を白日の下に晒す、手の込んだ架空のルポルタージュとして非常に読み応えのある一冊となっています。
また、本書の発売に当たって、販売元のG-NOVELSより一足先に見本誌を提供頂き、実際に邦訳の仕上がりを確認することができました。
筆者は既に原書の“The World of Cyberpunk 2077”を繰り返し熟読していますが、今回の邦訳は原書のスタイリッシュさを可能な限り残しつつも、細部まで非常に読みやすくデザインされているだけでなく、日本語版のローカライズを担当したCD PROJEKT RED 西尾勇輝氏の監修もあってか、語り手のニュアンスや細かな用語を含む翻訳が緻密かつ非常に高品質で、新たな発見を含め大いに楽しむことができました。
なにしろ、“サイバーパンク2077”という作品は、やればやるほど、掘れば掘るほどものが詰まっている大変な作品で、当サイトでのレビューでもご紹介した通り、ストーリーやキャラクター、ゲーム的なギミックだけでなく、ゲーム内に存在する都市や景観やファッション、サウンドトラック、ロア、膨大な文化的引用など、ありとあらゆる要素が一体となって“サイバーパンク”というコンセプトと経験を構成する、ビデオゲームにとっても、“サイバーパンク”というジャンルにとっても極めて重要な記念碑的タイトルです。
こういった背景から、“ワールド・オブ・サイバーパンク2077”に掲載されている膨大な情報は、何れも付帯的な資料や読み物に留まるようなものではなく、全てが“サイバーパンク2077”のゲームプレイと経験をかなり直接的にボトムアップする内容といって間違いありません。
また、本書に収録された一部の内容や歴史には、オリジナルTRPGシリーズの中でも特に難解な未訳のサプリメントを広範囲に当たる必要があった箇所を非常に分かりやすく整理し、簡潔にまとめたものも含まれており、2.0.2.0.関連の邦訳や最新のREDでばっちり予習してきた方にも自信を持ってオススメできる一冊と言えるでしょう。
“サイバーパンク2077”をプレイし尽くした方も、今一度本書で緻密に構築されたゲーム世界を振り返り、来る無料DLCと拡張パックの登場に向けて“サイバーパンク”世界の理解を一段強化しておいてはいかがでしょうか。
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