2018年4月のアナウンスと2019年10月のSteam Early Accessローンチを経て、2021年7月28日の製品版リリースがいよいよ目前に迫るサバイバルホラー「Chernobylite」ですが、新たにThe Farm 51が本作に登場するロケーションの一部として見事に再現されたプリピャチの病院や港を紹介するトレーラーを公開しました。
また、本作の開発を率いるクリエイティブディレクターWojciech Pazdur氏がPC Gamerのインタビューに応じ、スタジオが(まだ新安全閉じ込め構造物の工事が進められていた)2015年から数年に渡って続けてきたチェルノブイリ原子力発電所の立ち入り禁止区域の取材に関する幾つかの興味深いエピソードを紹介しています。
■ The Farm 51による立ち入り禁止区域の取材と撮影について
- “Chernobylite”は、フォトグラメトリー(写真を使用する3Dスキャン技術)を用いたチェルノブイリの緻密な再現を特色としているが、この採用は前作“Get Even”での使用した際に良好な結果が得られたことに加え、3Dモデル構築の膨大な制作コストを大きく削減できることに起因しているとのこと。本作はフォトグラメトリーを使って再現する最も興味深い場所を検討した結果、チェルノブイリが有力な候補となったことから誕生した。
- Wojciech Pazdur氏は、The Farm 51が立ち入り禁止区域の全てを撮影しようと取り組んだため、“Chernobylite”はフォトグラメトリーを使用する現行のビデオゲームとして最大規模の作品だと考えているとのこと。
- 立ち入り禁止区域で放射線を浴びずに過ごせる時間は決して長くなく、現地で宿泊できないことから、毎日安全管理やチェックポイントを通過し現地入りし、帰る際にもう一度同じ手続きを含む必要があり、一度の取材で3~5日程度の滞在となる。Wojciech Pazdur氏によると、一日に何度も放射性物質が付着していないかどうかチェックされるのは、当初かなりのストレスだったが、そのうち全く気にならなくなったとのこと。
- ゾーン内での作業は非常に複雑で、電気もネット環境も存在しないため、データの収集や撮影のためにガス発電機や大量のバッテリーを持ち込み、取材と撮影作業が行われた。また、ゾーン内の多くは携帯電話が使えないため、チームはトランシーバーで連絡を取り合った。
- また、本作の取材には国家安全上の理由で本来は禁じられているドローンも使用され、許諾を得るため様々な手続きが必要だった。現地では、チェルノブイリの治安部隊に怪しまれ、(前述のように)多くの特殊な機材を持ち込んでいたため、スパイのような扱いを受けたこともあったとのこと。
- 取材チームを構成する際には、現場に対する恐怖で参加できないメンバーや家族の反対により参加を断念したメンバーもいた。Wojciech Pazdur氏は、科学が恐怖心を和らげてくれたと語る一方で、参加したくない開発者の気持ちも分かると説明している。
- The Farm 51は、当初“Chernobylite”にホラーや超自然的な要素を持ち込む予定はなく、もともとはゾーンを探索して陰謀論の謎を解き明かすようなゲームを想定していた。これは、ステルスで警備員をかいくぐり現地を探索するもので、捕まっても罰金を取られるだけで、プレイヤーが期待するような危機感や緊張感が生まれず、結果としてより危険で緊張感のあるフィクショナルな要素が導入された。
- Wojciech Pazdur氏によると、フォトグラメトリーを用いて現実のロケーションをゲームの中に再現する場合、ゲームの環境では現実よりも全体が窮屈に感じられ、閉塞感が増す問題が生じるとのこと。閉塞感はホラーに適している場合もあるが、現実感が薄まる結果になることが多く、この違和感を取り去るために部屋や物の大きさが調整された。氏はフォトグラメトリーは簡単だが、ただスキャンしてゲームに放り込めば良いものではないと説明している。
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