最新作“Assassin’s Creed Valhalla”で衝撃的な展開を迎えた「Assassin’s Creed」シリーズですが、壮大なストーリーのさらなる展開や主要キャラクター達の運命に注目が集まるなか、新たにベルギーのルーベン・カトリック大学でデジタルメディアにおける陰謀論や宗教、信仰を専門に研究するLars de Wildt氏が「Assassin’s Creed」シリーズの宗教に焦点を当てる論文を発表。この中で、シリーズを生んだクリエイターの1人であるお馴染みPatrice Désilets氏とAC3のクリエイティブディレクターAlex Hutchinson氏が当初三部作を予定していたシリーズ初期の構想について興味深いディテールを明かし話題となっています。
Lars de Wildt氏の論文「Marketable religion: How game company Ubisoft commodified religion for a global audience」(市場性を持つ宗教:ゲーム企業Ubisoftはいかにして世界的な消費者向けに宗教を商品化したか)は、イスラム教の暗殺教団とキリスト教のテンプル騎士団が聖遺物を巡り対立する人気フランチャイズの誕生にあたって、果たして“誰”が宗教を盛り込むことを決めたのかという謎を解き明かすべく、シリーズの開発者22人にインタビューを行ったもの。本論文は、これが単なる個人としての“誰か”ではなく、体系化されたプロセスから誕生したものだったことを紐解き、現代的な文化産業が“なぜ”、“どうやって”宗教や文化的遺産の商品化に成功したのか、実証的に分析する非常に興味深い内容となっています。
Patrice Désilets氏とAlex Hutchinson氏の証言によると、(Ubisoftが現行の永続可能なフォーミュラを見いだすAC3発売以前の)初期三部作は、デズモンドがアルタイルとエツィオから得た知識と技術を結集させ、現代でアブスターゴ社を打倒する大規模な決戦を描く予定だったとのこと。
さらにPatrice Désilets氏は、作中の2012年を世界の終末として描き、デズモンドとルーシーを新たなアダムとイブに見立て、宇宙船で地球を脱出した2人が別の惑星で新たな文明を生み出す結末を描く構想があったと説明。元々、ルーシー・スティルマンの名前は1974年に発見されたアウストラロピテクス・アファレンシスの骨“ルーシー”に由来するものだったと明らかにしています。
シリーズの熱心なファンであれば、この構想と実際のシリーズに大きな隔たりがあることは明白ですが、お馴染みPatrice Désilets氏は“Assassin’s Creed II”のスピンオフ1作目“Assassin’s Creed: Brotherhood”の発売前にUbisoftと対立しスタジオを去っており、その後どこまでも続く終わらないメタストーリーと作品世界の拡大にシフトしたことが知られていました。
Patrice Désilets氏によると、(当初の構想と全く扱いが違う)ルーシーについては、ヴェロニカ・マーズやアナと雪の女王、グッド・プレイスで知られるルーシー役の女優クリスティン・ベルとUbisoftがギャラで揉めたことにより、シリーズから姿を消したとのこと。
こういった初期の構想が現在のシリーズにどう影響を与えているのか(もしくは与えていないのか)、Corey May氏も去った今、その詳細は不明ですが、“アダムとイブ”や宇宙船のモチーフは近作でその片鱗を僅かに見せており、衝撃的な展開を迎えたシリーズの動向に改めて期待が掛かるところです。
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