特集第8回:「バルダーズ・ゲート3」のゲームプレイに関する基本的なシステムについて

2023年12月19日 13:59 by katakori
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「Baldur’s Gate III」

ここまで、7回の特集を通じて「バルダーズ・ゲート3」が絶賛された背景や過去作を含むシリーズの流れ、魅力的な主要キャラクターたち、多彩な種族とプレイアブルなクラスに関する情報をご紹介してきました。

日本語版の発売がいよいよ数日後に迫っているため、今回の第8回と次回の第9回は「バルダーズ・ゲート3」のゲームプレイにフォーカスして、実際のプレイ時に役立つ情報を個別にご紹介します。

ということで、第8回の特集は、実際に「バルダーズ・ゲート3」のプレイを始めた際の展開に合わせて、ゲームプレイの基本的な情報を順にまとめていきます。

初心者向けの“探検家”からハードコアな“自信家”まで、5段階の難易度

「Baldur’s Gate III」

ニューゲームを開始すると、まず最初にやることは難易度選択です。「バルダーズ・ゲート3」の難易度は、簡単な方から順に「探検家」、「冒険家」、「戦術家」、最も困難な「自信家」。さらに、難易度に関係する多数の項目を自由に設定できる「カスタム」が利用可能です。

ノーマルの“冒険家”でゲームを開始し、難しいと感じた場合は、いつでも難易度を自由に変更することができるのでご心配なく。

各難易度の具体的な違いについては、かなり細かな調整が加えられているので、一先ずざっくりとした違いをまとめておきましょう。

  • 探検家(イージー):全敵のヒット・ポイントが減少し、パーティメンバーのヒット・ポイントが増加。商人の価格割引。命中率や回避率、能力値判定向けのボーナス。マルチクラス利用不可。ターン制限が存在する一部シーンのターン上限増加
  • 冒険家(ノーマル):難易度の基準となるノーマルです
  • 戦術家(ハード):ボスやNPC、敵の最大ヒット・ポイント増加。一部難易度固有の能力を含む敵AIの強化。パーティメンバー以外のキャラクターに対する各種命中率や回避率、攻撃ロールの強化。大休憩に必要な野営物資の消費数増加。商人の販売価格増加。ターン制限シーンにおけるターン上限の低下。
  • 自信家(ハードコア):セーブスロットが1つに制限され、全滅で終了となるハードコアモード“武道家”が適用され、戦術家以上に難易度が増加。アクションやアイテム、武器、ダメージシステム等に専用の細かな調整が加えられるほか、ボスが新規に用意された伝説的アクションを使用する。クリア報酬として新実績/トロフィー、金色の20面ダイス用スキンが入手可能
  • カスタム:20近い項目を自由にカスタマイズできるモード。探検家よりも簡単に、もしくは自信家より難しい設定も可能です

なお、ゲーム開始後の難易度変更については、「探検家」と「冒険家」、「戦術家」のどれかで開始した場合、変更できる難易度はこの3つのどれかに制限されます。一方、「自信家」は難易度変更禁止。さらに、「カスタム」で難易度変更する場合は、改めて全項目を細かく調整することが可能になりますが、ハードコア設定の“武道家”だけは変更不可となっています。

「Baldur’s Gate III」
ハードコアな“自信家”モードのクリア報酬となるゴールドD20ダイス

コントローラーに最適化された操作

「Baldur’s Gate III」

難易度選択を終えると、いよいよゲームが始まるわけですが、コンソール版は当然コントローラーでプレイすることになります。コンピューターRPGがコンソールに対応する場合、(PC版のキーボード+マウス操作を一対一で置き換えるようなアプローチによって)コントローラー向けの対応が十分ではないものが散見されますが、「バルダーズ・ゲート3」のコントローラー操作は、Larian Studiosが“Divinity: Original Sin”以来追求してきたコントローラー対応の集大成的とも言える、素晴らしい操作システムが用意されています。

「バルダーズ・ゲート3」のコントローラー操作は、PC版のキーボード+マウス操作をトレースするようなものではなく、完全に1から独自に構築されたもので、UIやHUD、情報の構成、各種機能まで、PC版とは全く異なる操作体系を特色としており、両者の間にはまるで別のゲームをプレイしているかのような違いがあります。

PC版は情報の一覧性に優れ、クリック方式の移動操作を含め手順を立てながらプレイしている感覚、コンソール版は画面の情報量をぐっと抑え、スティックを用いる三人称視点のリアルタイム移動が可能なことから、ライブ感が強い、そんな印象の違いと言えば分かりやすいでしょうか。

「Baldur’s Gate III」
古式ゆかしいコンピュータRPG感溢れるPC版のHUD
「Baldur’s Gate III」
コントローラーだと、ここまでHUDが簡略化される

基本的な操作はチュートリアル経由で教えてもらえるほか、オプション画面からでも確認可能なので、詳細はゲーム内で確認いただくとして、今回は基本中の基本と、覚えておくと便利な操作を幾つかご紹介しておきましょう。

今回ご紹介する内容は、ゲームプレイ中に確認してもらうのが一番分かりやすいので、まずはざっくりと読んでおいて頂いて、日本語版のプレイを開始した時に改めて手元の操作と合わせて確認してもらえれば、より分かりやすいかと思います。

対象を調べるのは方向キー“下”

「Baldur’s Gate III」

これは、ゲーム開始直後の状況ですが、まず最初にやることは、移動とあちこちで“何かを調べる”ことになります。

調べたり、漁ったり、使ったりできるものは、プレイヤーが近づくと自動で適切なメニューが表示されるので、概ねその通りに行動していれば良いのですが、そのうち表示されているものがどんなものなのか、その詳細を調べたい時がしばしば出てきます。

そんな時は、方向キーの下を押すだけでその詳細が簡単に確認できます。この“調べる”コマンドはとても便利で、偵察中に発見した敵を予め調べておいて、戦闘を有利に進めるなど、序盤から最後まで多くの場面で活躍してくれます。

「Baldur’s Gate III」
例:偵察中に発見した敵の情報、上手く利用すれば戦闘を有利に進められる

コントローラー操作にもフリーカメラがある

PC版のキーボード+マウス操作は、いつでもカメラを前後左右に移動できる常時フリーカメラ状態ですが、コントローラーで操作する場合は、通常の三人称視点移動に加え、PC版と同じフリーカメラも利用可能です。

三人称視点カメラとフリーカメラは、左スティックを押し込むL3ボタンで切り替え可能。フリーカメラに切り替えると、かなりの距離を自由に移動させることができ、途中で発見したオブジェクトやクリーチャーは先ほどご紹介した下方向キーですぐに調べることができます。

「Baldur’s Gate III」
三人称視点で移動中のプレイヤー、この先に何かあるかな……?
「Baldur’s Gate III」
フリーカメラに切り替えれば、離れた位置の状況も簡単に確認できる

便利な機能が並ぶショートカットメニュー

「Baldur’s Gate III」

ちなみに、キャラクターの詳細やインベントリ、呪文の管理といった機能は、R2ボタンでアクセスできるショートカットメニューにまとめられています。

休憩を取ったり、クエストの進行状況をまとめたジャーナル、戦闘時のロール結果等をまとめたコンバットログ、ファストトラベル、マップなど、使用頻度の高い項目がまとめられているので、忘れずにチェックしておきましょう。

クイックセーブとクイックロードが簡単

新規セーブや任意のセーブデータをロードするには、オプションボタンで表示されるゲームメニューを利用する必要がありますが、クイックセーブとクイックロードはとても簡単です。

前述したショートカットメニュー、もしくはゲームメニューを開いた状態で、△ボタンを押せばクイックセーブ、□を押せばクイックロードできますので、危険を感じたら早めにクイックセーブをしておきましょう。(極まれにダイアログ選択だけで全滅ゲームオーバー、なんていうこともありますから)

キャラクターの各種行動はラジアルメニューから

「Baldur’s Gate III」

パーティメンバーによる呪文の発動やアイテムの使用、アクション、攻撃といった行動は、L1もしくはR1ボタンを押すと表示される操作中キャラクターのラジアルメニューからアクセスできます。

これは、各種アクションや呪文、アイテム等を全てまとめたメニューで、呪文やアイテムを大量に所持していると煩雑になりがちですが、ラジアルは追加や削除を含むカスタマイズが可能で、使用頻度の高いものを1つのラジアルにまとめておくことができるので、操作とゲームプレイに慣れてきたら整理・編集してみてください。

「バルダーズ・ゲート3」の戦闘システムについて

「Baldur’s Gate III」

少し、探索を進めると、最初の戦闘に身を投じることになるでしょう。「バルダーズ・ゲート3」の戦闘は、“ダンジョンズ&ドラゴンズ第5版”のルールをかなり忠実に再現する、ターンベースの戦闘システムを採用していて、予てからご紹介している通り、アクション要素は一切存在しません。

戦闘は、敵味方を含め参加した仲間やモンスター全員が、順に行動することで進行していきます。1人のキャラクターが行動を初めて終えるまでが1単位としての“ターン”。最初に行動を開始したキャラクターのターンにはじまり、最後のキャラクターがターンを終えるまで、参加者全員の一巡を“ラウンド”と呼びます。

戦闘参加者全員がそれぞれのターンを終え、決着が付いてなければ、次のラウンドに進むという流れになるわけです。

「ターン」中の行動について

敵味方を問わず、戦闘参加者のターンは、基本的に移動と一回のアクション(主に武器攻撃や呪文の発動など)、一回のボーナス・アクション(一部の呪文やジャンプ、突き飛ばしといった行動、ポーション使用等)で構成されます。

移動については、種族の特集回で少し触れましたが、一般的な種族は1ターンあたり最大で9m移動でき、小さな種族は最大で7.5m移動可能。ターン中の移動は、この最大移動距離に達するまで、一気に移動しても良いし、何度も細かく分割しながら移動しても問題ありません。

つまり、ターン中に1m移動して、アクションを行い、その後2m移動してボーナス・アクションを行い、最後に残り6m移動するといった行動もできるわけです。

特集第6回のクラス紹介にてご紹介した“追加攻撃”や“怒濤のアクション”といった能力を使うと、1ターン中に「移動→攻撃→移動→攻撃→移動→ボーナス・アクション」のような行動も可能になりますが、アクションやボーナス・アクションの回数が増えても、移動距離そのものは増えないので注意してください。

1ターン中に取れる行動の情報や残りのリソース等は、画面下部に表示されるHUDに分かりやすくまとめられています。

「Baldur’s Gate III」

また、アクションとボーナス・アクションは、緑の●とオレンジ色の▲で表示されていますが、この色分けはラジアルメニューの項目と連動しているので、多くの選択肢があっても、簡単に見分けることができます。

「Baldur’s Gate III」
ラジアルで緑表示されているものがアクション、オレンジ表示がボーナス・アクションです

行動順を決定する「イニシアチブ」と、戦術を拡げる「共有イニシアチブ」

戦闘が始まると、まず最初に敵味方を含む参加者全員がダイスを振り、出目と【敏捷力】を足した数値に基づいて行動順を決定します。

これは“イニシアチブ”と呼ばれる仕組みですが、「バルダーズ・ゲート3」には“共有イニシアチブ”という固有のルールがあり、状況によってはプレイヤーの行動順を任意に変更することができます。

このルールが戦術に多くの柔軟性と奥深さをもたらすので、その仕組みをご紹介しておきます。

「Baldur’s Gate III」

これは、戦闘が始まってイニシアチブが決定した直後の状態を撮影したスクリーンショットで、画面の上部に表示されたポートレートの並びがラウンドの行動順を示しています。

「Baldur’s Gate III」

行動順のHUDを拡大した画像で見ていくと、現在はシャドウハートのターンで、次がアスタリオン、その後敵3体が行動し、レイゼル、主人公の番が回ってくるという状況にあります。

この順番が通常のイニシアチブですが、枠をよく見ると、シャドウハートとアスタリオンのポートレートが少し大きく表示され、隣り合った枠の中央部分が絡み合っていることが分かります。

これは、イニシアチブを共有している状態を示すもので、シャドウハートとアスタリオンが同時に行動できることを意味しています。つまり、この状況だと、操作キャラクターをパーティ管理メニューで切り替えて、先にアスタリオンを行動させ、シャドウハートの行動を後に回すことができるわけです。

さらに、この機能は単に行動順を入れ替えるだけでなく、移動やアクションを残したターン中であっても自由に何度も操作キャラクターを切り替えることができるため、1ターン中に「シャドウハート移動→呪文発動→キャラ切り替え→アスタリオン移動→ボーナス・アクション→武器攻撃→キャラ切り替え→シャドウハートのボーナス・アクションで回復→キャラ切り替え→アスタリオン移動」といった複雑な行動や、キャラクター間のシナジーを活かした戦術を取ることが可能になるわけです。

なお、戦闘開始時のイニシアチブ・ロールで決定した行動順そのものを変更するような能力や敵の攻撃は存在しませんが、ロールしたイニシアチブに補正値を加算する特技や装備は複数存在するので、発見した際には“誰”を早めに行動させるのが有利か、考えておくと良いでしょう。

「奇襲攻撃」で戦闘を有利にはじめよう

また、イニシアチブに関連する要素として、“奇襲攻撃”があり、これにより最初のラウンドで大きなアドバンテージを得ることができます。

これは、戦闘が発生していない状態で、隠密から敵を攻撃することで“奇襲”扱いとなるもの。奇襲を受けた敵グループには“驚き”という状態異常が付与され、1ターンのあいだアクションやリアクションが封じられるため、なんと最初のラウンドを全く反撃されない状態で進めることが可能になります。

実際のプレイ時には、ローグ/アスタリオンが単独で偵察し、発見した敵を隠密状態で遠くから弓で射るだけで“奇襲”扱いとなるので、積極的に狙っていきたいところ。サブクラスでアサシンを選択したローグ/アスタリオンなら、ラウンド開始前の奇襲と戦闘開始直後の攻撃で敵2体をあっというまに排除してしまうといったケースも珍しくありません。

「Baldur’s Gate III」
アスタリオンの奇襲によって、敵全員の行動を封じた状態、こちらが一方的に攻撃できる

特定の条件を満たすと発動する「リアクション」

戦闘時のアクションやボーナス・アクションを通じて利用することになる武器攻撃や呪文の発動については、これまでのクラス紹介である程度ご紹介してあるので、ターン行動に含まれない特殊な扱いの“リアクション”についてご紹介しておきます。

“リアクション”は、特定の条件を満たした場合に発動するアクションで、最も分かりやすいのは、武器の間合いから離れようとする敵を自動で攻撃する“機会攻撃”、敵の攻撃を受けた際にアーマー・クラスを強化し魔法の矢のダメージを無効化するレベル1呪文“盾”あたりでしょうか。

“リアクション”は、上手く活用すると非常に強力ですが、その多くは“リアクション”リソースを消費するもので、1ラウンドあたり1度しか使用できません。

“リアクション”は、条件が整えば発動してしまうため、自動で発動するか、それとも随時プレイヤーに確認を求めるか、“リアクション”毎にその設定を事前に済ませておく必要があります。

「Baldur’s Gate III」
リアクションの管理メニュー、このファイターは2種類のリアクションを所持している

個々のリアクションに関する設定は、完全に使用しない“オフ”、“自動発動”、条件が整った際にプレイヤーに“確認を求める”の3種で、前述した呪文の“盾”などは、(1ラウンドあたり1度しか使用できないので)狙ったタイミングで適切に発動させるために、かならず“確認を求める”設定にしておきましょう。

また、リアクションリソースを消費しないリアクションも存在していて、ローグの“急所攻撃”やバーバリアンの“捨て身の攻撃”はコスト不要のため、ラウンド当たりの回数制限はありません。パラディンの“神聖なる一撃”も同様の仕組みですが、リアクションリソースではなく呪文スロットを消費するタイプのリアクションとなっています。

「Baldur’s Gate III」
ローグの“急所攻撃”はリアクション扱いだが、コスト無し

パーティメンバーが倒れた場合と“死亡”の扱いについて

パーティメンバーのヒット・ポイントが0になると、行動不能の“瀕死状態”となり、死亡するか、なんとか持ちこたえるか、その判定を行う状態に入ります。

“ダンジョンズ&ドラゴンズ”のルールブックには、ヒット・ポイントについてこう記されています。「ヒット・ポイントは肉体的および精神的な打たれ強さと、生きようとする意思と、幸運を組み合わせた概念」であると。

瀕死状態というのは、文字通り生きようとする意思と幸運の力を試すような状態で、ターンが回ってきた際に固有のロール“死亡セーヴィング・スロー”を行い、これに3回失敗すると“死亡”、3回成功すると容体安定化状態となり、死亡セーヴィング・スローの実行が一旦停止となります。

「Baldur’s Gate III」
瀕死状態となって、“死亡セーヴィング・スロー”のカウントが始まった状態、既に失敗カウント1

これを防ぐためには、瀕死状態の仲間を回復する、もしくはアクション“援護”で救出する必要がありますが、救出が遅くなると“死亡セーヴィング・スロー”のカウントが進んでしまうので急いで行動しなければなりません。

瀕死状態で敵の攻撃を受けた場合、“死亡セーヴィング・スロー”のカウントが1つ(クリティカル・ヒットだと2つ)進むことになるので、注意してください。

なお、キャラクターが死亡した場合は、蘇生の呪文、もしくは緊急復活の巻物、NPCのサービス等を利用して復活させる必要があります。

マップのさらなる探索

冒頭の展開や戦闘を終えると、いよいよフェイルーンの地をその足で探索することになります。ほどなく仲間も揃いはじめ、NPCとのやりとりや新たな出会いもあり、冒険の範囲が拡がるにつれて、より本格的なパーティの運用や状況の把握が重要になってくるでしょう。

ということで、まずは本格的な探索に役立つコントローラー操作の情報を追加でご紹介します。

操作キャラクターの変更や選択やグループ分割は「パーティ管理」メニューから

ゲーム開始時にオリジン・キャラクターの選択、もしくはカスタム・キャラクターの作成を通じて、主人公を作成しましたが、本作はパーティメンバーであれば、主人公に限らず誰でも自由に操作できます。

例えば、普段の探索は主人公メインで、索敵や偵察はアスタリオンに、回復したい場合はシャドウハートに交代して、といった適材適所でプレイヤーがそれぞれのキャラクターを操作でき、選択していないグループメンバーは操作中のキャラクターに追従して後をついてきます。

これは、NPCとの会話についても、基本は操作中のキャラクターが主体となって進行するので、常に冒頭で選択・作成した主人公を通じて冒険するというわけではなく、感覚的には主人公も操作可能なパーティメンバーの1人で、グループから外せない常駐メンバーの1人といった印象の方が近いかもしれません。

戦闘時以外にプレイヤーが操作を担当するキャラクターは、L2ボタンを押すと表示されるパーティ管理メニューからいつでも変更可能。

「Baldur’s Gate III」
L2を押すと表示されるパーティ管理画面

通常は、操作するキャラクターに残りのメンバーが自動で追従してくるため、索敵や偵察、奇襲を行う際などは、グループを分割、もしくは1人だけ別行動させたいケースがでてきます。

これもパーティ管理メニューからいつでも簡単に変更でき、4人全員をバラバラにしたり、2人グループを2つ作ったり、1人だけ別行動させることも可能です。

このグループ分割や別行動により、戦闘が始まる前の準備として、近接2人を敵に近づかせておいて、魔法や弓で戦うメンバーは後方のちょっとした高台で支援の準備をしておくといった仕込みができるわけです。

「Baldur’s Gate III」

この画像は、参考にグループの状況を幾つかまとめたもの。左は各メンバーのポートレートがひとまとまりになっていて、4人全員が同一グループであることを示しています。

中央は、アスタリオンだけ別行動させた状態。アスタリオンのポートレートが少し離れ、別グループであることを示しています。右は、主人公とレイゼルを、シャドウハートとアスタリオンをそれぞれ組ませ、2つのグループに分割した状態です。

また、本作は別行動の範囲に制限がないので、例えローディングを挟むほど離れた場所であっても、それぞれが独立して行動できるのが面白いところ。全員を1つのグループに戻すのもボタン1つで可能です。

コントロール操作だけのアクティブサーチ機能がとても便利!

本作のマップ上には、インタラクティブなオブジェクトが大量に存在していているのですが、コントローラーだと右スティックのR3押し込み、キーボード+マウスだとAltキーを押すと周辺に存在する主なオブジェクトを名前で表示してくれます。

PC版をキーボード+マウスでプレイしているとい、マウスによるオブジェクト選択が意外と面倒くさく、うまく選択できず、ちょっと角度を変えてみたり、移動してみたりという場面に度々遭遇します。

「バルダーズ・ゲート3」には、Larian Studiosの前作“Divinity: Original Sin 2”に続いて、コントローラー専用のアクティブサーチと呼ばれる機能が備わっていて、決定ボタンを長押しすることで、半径4メートル程度の周囲に存在する全てのオブジェクトを検知して、専用のUIで一覧表示してくれます。

これが非常に高機能で、前述したR3押し込み/Altキーよりも明らかに多くのアイテムを検知してくれることから、探索が非常にかなり捗ります。

一応、R3押し込み/Altキーによる強調表示は優先度の高いものを示していて、見つかる物の数の違いによってプレイに支障がでるようなことはないのですが、コントローラーは目標に対するアクセスが確実で容易なので、キーボード+マウスのPC版プレイヤーも一度は試してみる価値のある機能だと言えます。

参考までに、実際にアクティブサーチを使用した様子をスクリーンショットでご紹介しましょう。

「Baldur’s Gate III」
いかにも物がたくさんありそうな場所
「Baldur’s Gate III」
R3を押すと、周囲に存在するアイテムの名称が表示される(※ 赤文字は盗み扱いになる物品)
「Baldur’s Gate III」
Xボタン長押しでアクティブサーチを発動、黄色の外周が検知可能な範囲
「Baldur’s Gate III」
検索結果が一覧で表示され、ここから各種アクションが利用可能

この場面における、R3押し込み/Altキーのアイテム表示数は9個ですが、アクティブサーチで検知すると、なんと25個のアイテムが見つかります。一度発見したアイテムは、キャラクターを移動させることなく、リストの中だけで各種アクションを実行できるのも便利なところ。

「Baldur’s Gate III」
このように、サーチで検知したリストから各種アクションが実行できる

また、コントローラー操作の場合、目の前に複数のオブジェクトが存在していると、方向キーの左右だけでオブジェクトの選択を切り替えることができます。シンプルながら、これもキーボード+マウス操作にはない非常に便利な機能なので、覚えておくと探索が大いに捗るでしょう。

グループ隠密は方向キー“下”長押しで

ローグやアスタリオンで偵察や索敵、奇襲を行う場合、アクション“隠れ身”を使用し、単独で隠密行動を取る場合がよくあります。

前述したラジアルメニューで“隠れ身”を選択すると、隠密状態になれるのですが、コントローラーだと方向キーの下を長押しするだけで“隠れ身”を取ることができます。

このショートカットは、現在操作中のグループに適用されるので、4人全員で行動している場合は4人。グループを分割している場合は、操作中のグループ、単独行動中なら、操作しているキャラクター1人が“隠れ身”を取ることになります。

方向キーの下をもう一度長押しすると“隠密”状態が解除されるので、これも是非覚えておきましょう。

なお、方向キーの上は操作中キャラクターのジャンプ。上の長押しは装備中の光源(松明など)と武器の持ち替えるショートカットになっていて、こちらも非常に便利です。

「小休憩」と「大休憩」

パーティで戦闘や探索を重ねると、ヒット・ポイントや呪文スロットの枯渇、インベントリの圧迫等、様々な理由で休息を取る必要がでてきます。

「バルダーズ・ゲート3」は、“ダンジョンズ&ドラゴンズ第5版”に基づく2つの休息方法、「小休憩」と「大休憩」が存在しており、“小休憩”はその場で小一時間ほど休息を取るという設定で簡易回復、“大休憩”は野営地で一夜を明かし、たっぷり8時間程度の休息をとるという設定で、全てを回復することができます。

“小休憩”は、ヒット・ポイントの一部に加え、ウォーロックの呪文スロット、クレリックやパラディンのクラス固有リソース、ファイターの“怒濤のアクション”使用回数等の回復ができ、一日に2回まで利用可能。

“大休憩”は、付近に設けた野営地に移動し、全ヒット・ポイントや全ての呪文スロット、全クラス・アビリティ、一部アイテムのアクション等を含む全てのリソースが回復でき、一晩の休憩には40の野営物資が必要となります。

なお、“小休憩”と“大休憩”は、何れもR2ボタンのショートカットメニューから利用できます。

仲間たちと一夜を明かす「野営地」

「Baldur’s Gate III」
野営地でくつろぐオリジン・キャラクターたち

大休憩で訪れる“野営地”は、控えの仲間たちが待つ主人公たちの拠点でもあり、大休憩以外にも様々な役割をもっています。

まずは、冒険を共にするパーティメンバーの入れ替えで、既に4人フルパーティの場合は一旦パーティから外すメンバーと会話し、パーティから抜けてもらう必要があります。

また、野営地で生じるオリジン・キャラクターたちとの会話も重要で、メインクエストやオリジン・キャラクター固有のパーソナルクエスト等の進行に影響するほか、主人公とメンバーの関係性によっては、ロマンス関連の会話が進む場合もあるので、会話を望んでいる(頭上に!マークが表示される)キャラクターがいる場合はチェックを忘れずに。

NPC“シナビ”のサービス

ある探索を終え、謎のNPC“シナビ”を野営地に迎え入れた場合は、傭兵の雇用やキャラクターのクラス変更、死亡したキャラクターの復活といったサービスを受けることができます。

特にクラス変更はビルド構築の要となる重要な機能になるので、次回の特集にて“シナビ”と出会うための簡単なヒントをご紹介します。

「Baldur’s Gate III」
参考:野営地で雇用できる傭兵の1人

物資の保管は野営地の「旅人の箱」で

「Baldur’s Gate III」

野営地には、アイテムを保管しておける箱などが存在しますが、これらは恒久的にアイテムを保存しておくためのものではなく、別の野営地に移動した際にはアクセスできません。(元の野営地に戻ればアイテムは残っていますが、ストーリーの進行によって戻れない野営地が存在するため注意が必要です)

野営地の場所にかかわらず、アイテムを完全に保管してくれるのは、野営地に設置された「旅人の箱」のみ。この箱はミニマップやマップ上に箱のアイコンで表示されるので、アイテムは忘れず“旅人の箱”に放り込むようにしましょう。

また、野営地は、休憩を取る時以外でも自由に訪れることができ、メンバーの入れ替えや所持品の整理等を行い、休憩を取らずに冒険を再開することも可能です。

ということで、今回の特集はここまで。次回の第9回は序盤の冒険に役立つゲームプレイのちょっとしたコツをまとめてご紹介しますので、お楽しみに!

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