特集第7回:「バルダーズ・ゲート3」世界の魔法とは何か?“クラス”ガイドの後編も

2023年12月15日 11:34 by katakori
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「Baldur’s Gate III」

前回の特集は、6種用意された能力値の基本をまとめた上で、クラス紹介の前編としてプレイする機会の多いファイターとバーバリアン、ローグ、パラディンの概要を紹介しました。

第7回となる今回の特集は、いよいよピュアキャスターに焦点を当て、「バルダーズ・ゲート3」とフォーゴトン・レルム世界における魔法と呪文の基本、ゲームプレイの呪文システム、そしてクラス紹介の後編として、クレリックとウィザード、ウォーロックのディテールをまとめてご紹介します。

「バルダーズ・ゲート3」と“フォーゴトン・レルム”世界における魔法と呪文の扱いについては、非常に面白い背景が用意されているので、まずはそちらからご紹介しましょう。

「バルダーズ・ゲート3」と“フォーゴトン・レルム”世界の魔法について

「バルダーズ・ゲート3」には、とても覚えきれないような量の呪文が登場するのですが、正確に幾つの呪文が存在しているのか、実際に筆者がカウントを試みましたが、細かなバリエーション違いなどもあり、200種を超えた辺りから訳が分からなくなり、やむなくさじを投げたくらいの量が確かに用意されています。

これは“ダンジョンズ&ドラゴンズ”を忠実に再現したことによるボリュームなのですが、この世界では知的種族が数万年に渡って魔法を研究し、様々な呪文を作成してきた歴史があり、広く普及している著名なものから誰にも知られていないもの、歴史の闇に葬られたものまで、大小様々な無数の呪文が存在しています。

こういった状況が生まれた背景や、世界に呪文が存在する仕組みについては、ストーリーの土台部分となるロアにも関係する非常に興味深い設定が用意されているので、まずはそちらの話題から。

本作の舞台であるフォーゴトン・レルムは、文字通り魔法の世界で、岩や川、森の木々、全ての生き物、土地から空気、果ては信仰から歌、ことばにいたるまで、全てのものが魔法のエネルギーによって満たされています。

このエネルギーは、第3回特集でもご紹介した双子の女神である光の神セルーネイと闇の神シャーが現在の宇宙を創造し、その後始まった姉妹の果てしない諍いによって2柱のからだから引きはがされ生まれた、いわば生の魔法であり、このエネルギーが女神ミストリルとなったことで、彼女が自ら魔法の制御と管理を担ってきました。

(プレイヤーたちを含む)定命の存在は、神のからだそのものである生の魔法のエネルギーを直接扱うことができないため、使い手の意思とミストリル(現在は代替わりしたミストラ)を媒介し結ぶ一種のインターフェースである“ウィーヴ”(織)を利用することで、初めて呪文を使うことができるのです。

ウィーヴは、その名が示す通り織物のようなもので、“織”の糸を編み、ときには折り曲げ、あるいはねじるように織が流れ込む形を変えたり、“織”そのものを道具として利用することで、様々な効果を持つ呪文を作り出すことができます。例えば、何か隠されたものを発見したり分析するような占術呪文は編まれた織を垣間見ることで、アンティマジック・フィールドのような呪文は織物の配置を変えることで魔法のエネルギーが周囲を迂回して流れるように変化させることで、術者が望んだ結果を現実化させています。

フェイルーンの知的種族たちは数万年に及ぶ歴史のなかで、こういった“織”に関する実験や研究を重ね、学問として体系化することで、本作に登場する膨大な呪文の数々を作り上げてきたわけです。

本作には、異なる幾つかの魔法系クラスやサブクラス、系統が存在し、ウィザードやソーサラー、ウォーロックたちの魔法はしばしば秘術魔法(ジ・アート)、ドルイドやパラディン、クレリックの魔法は信仰魔法(ザ・パワー)と呼ばれ区別されますが、これらは全て異なる形で織を利用するアプローチの違いに過ぎず、ウィザードたちは学問を通じて織の構造を理解し、制御することで、ソーサラーは天性の直感で、バードは創造の力を持つ原初の歌のこだまによって、そしてクレリックたちは信仰の聖なる(もしくは不浄な)力を介して“織”を形成することで呪文を使用しているのです。

これらの呪文に用いられる“織”は、全てがミストラのからだそのものであり、彼女自身が魔法のエネルギーと術者を結ぶ導管でもあるため、全ての呪文はミストラによって力を与えられ、制御され、管理されています。前述した“織”を扱う仕組みから、定命の存在は自ら様々な効果を持つ呪文や魔法のアイテムを作り出すことができるのですが、実際はミストラが使用を認めたものだけが効果を発揮でき、危険な破壊力を持つものや織の調和を乱すような呪文については、ミストラが使用を禁じ“織”を守っているのです。

この厳格な決まりは、「バルダーズ・ゲート3」の物語が始まるおよそ1,800年程前、巨大な飛行都市を幾つも建設するほどの繁栄を極めた魔法帝国ネザリルが地底の魔法種族と長い魔法戦争を続けていた太古の出来事まで遡ります。

当時ネザリルで最も優れた才能を持っていたアークメイジのカーサスは、自身が神になり、その強大な力を振るえば戦争を終わらせることができると考え、10年に渡る研究によって、標的とする神と自分自身を入れ替えてしまう極めて高度な魔法を完成させました。

カーサスは、最も強力な神としてミストリルを標的に選び、この魔法を使用したのですが、実際は神の力を“盗む”ことしか出来ず、定命の脆弱な体にミストリルの力(つまり宇宙の全エネルギーの流れを制御する力と魔法の知識)を流入したことで、定命の存在の精神ではとうてい制御しきれない莫大な量の魔法エネルギーが暴走。力を奪われたミストリルは、最後の力を振り絞り自分の命を絶ち、自身の死によってカーサスと神の権能の繋がりを断つことで“織”の破壊を食い止めたのです。

しかし、魔法そのものであるミストリルの死により、世界から一時的に魔法の力が全て失われてしまい、浮遊していたネザリルの飛行都市が地表へと落下し始めます。全てを失ったカーサスが自ら築いた帝国の崩壊を目の当たりにするなか、ミストリルは女神ミストラとして転生し、直ちに新しい“織”を作り上げ、一部の都市を落下から救うことに成功しました。

この出来事における教訓として、ミストラは呪文の作成や発動により厳しい条件を設け、二度とこのような事態が起こらないよう一定以上の破壊力を持つ呪文の作成を禁じたのでした。(この事件によって、定命の存在はレベル10以上の呪文を作成・発動できなくなりました)

第2回の特集でもご紹介したデイル歴1358年の“災厄の時”以降は、神々の大戦によってミストラが死亡したことで、当時定命の存在だった魔法使いミッドナイトがしぶしぶながらもその権能を継ぎ2代目のミストラに昇天。初代マジスター(世界に常に1人存在する最強のウィザード)としてミストリルに使えた秘術呪文の神アズースと母なる光の神セルーネイの助言を得て、“織”を献身的に守っています。

デイル歴1358年に起こったミストラの死により、再びこの世から魔法と“織”が失われた結果、惑星トリルの一部地域には、“織”の歪みや裂け目、さらには“織”が全く存在しない場所が誕生し、魔法が暴発する地帯やどれほど高位の魔法使いであっても呪文が使用できない魔法欠如地域の存在が知られています。

余談ながら、通常の呪文を使用する“織”というのは、魔法の神ミストラが支持する光の神セルーネイ由来のエネルギーであり、世界にはこれと相反する闇や秘密、忘却の神シャーから生まれた闇と負のエネルギーを利用する“影織”というもう一つの“織”が存在しています。

これは、網の目のような“織”の隙間に存在する負の空間を導管とするもので、定命の存在にはほとんど知られていませんが、“影織”は通常の“織”に依存しないため、前述した魔法暴走や魔法欠如地域の影響を受けません。

ウィザードとソーサラー、ウォーロックの違いについて

本作には、秘術呪文を使用するクラスとして、ウィザードとソーサラー、ウォーロックという、一見して違いが分かりにくい3つの魔法クラスが存在します。なにしろ、フェイルーンで暮らしている普通の市民でさえ、多くはウィザードとソーサラーの見分けがつかないそうです。

この3つのクラスの間には、“織”へのアクセス方法とアプローチに大きな違いがあり、以下のように分類できます。

  • ウィザード:魔法の学術書や巻物を研究し、学問として修め、実技を伴う厳しい訓練によって“織”の構造を操作する魔法使い
  • ソーサラー:生まれながらの才能や本能、血筋によって、織の編み目にアクセスし、芸術のように呪文を唱える野生の魔法使い
  • ウォーロック:知識や力に対する渇望によって、多次元の存在と契約を結び、その恩寵によって呪文を使用する魔法使い。魔術を補うために武器を用いる戦闘も行う

三者の違いは、ストーリーの背景として用いられることもあり、コミック「バルダーズゲートの伝説」シリーズにおいては、天賦の際を持つワイルドメイジ(ソーサラーのサブクラス)の主人公デリナと、厳しい修行を積んでなお妹の才能に適わないウィザードの兄デニアクとの間に生じた深い軋轢が描かれていました。

また、映画「ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り」に登場した悪のレッド・ウィザードは、フェイルーン東方の魔法大国サーイを統治するエリートでした。サーイはウィザードが支配する帝国で、ここでは魔法の才能を持つ子供たちが幼いころから過酷な秘術学校で教育される文化があり、生まれながらの才能で魔法の力を振るうソーサラーは、秩序だって系統立てられた秘術体系に従わない存在として厳しく迫害されていることが知られています。

「バルダーズ・ゲート3」の呪文システムについて

こういった背景と設定を持つ「バルダーズ・ゲート3」の魔法と呪文は、ゲームプレイのシステムにおいても“ダンジョンズ&ドラゴンズ第5版”のルールをかなり忠実に再現しています。

本作の魔法と呪文のシステムは、共通のリソースを消費する馴染み深いMP制の仕組みとは大きく異なるため、シリーズの過去作や“ダンジョンズ&ドラゴンズ”に不慣れなプレイヤーは少々面食らうかもしれません。

ということで、まずはゲーム内で呪文を使用するためのメカニクスと固有のルールをご紹介していきましょう。

まず、全てのクラスで共通する基本的なシステムとして、6段階の呪文レベル、そして一日当たりの発動回数を決めるレベル毎の呪文スロットが存在するほか、クラスによっては独自のリソースを持っている場合があります。

先ほど、ミストラが呪文に厳しい基準を設けた背景でもご紹介した通り、定命の物理世界に存在する呪文の最大レベルは9ですが、「バルダーズ・ゲート3」はキャラクターの最大レベルが12であるため、ゲーム内で使用できる呪文の最大レベルは6になります。

さらに、レベル0に相当する“初級呪文”(いわゆるCantrip)というカテゴリが存在するため、ゲーム内で使用できる呪文レベルは計7段階。初級呪文はスロット等を消費せず自由に使えますが、レベル1からレベル6の呪文には1日当たりに発動できる回数が予め決まっています。

この全体的な情報が画面下部のHUDにまとめて、以下のように表示されます。

「Baldur’s Gate III」

この画面は、ゲームプレイ中にラジアルメニューを呼び出し、レベル2呪文の“対人金縛り”を選択している状態を撮影したもの。画面下部のHUDを拡大して、要素毎に簡単な説明を加えてみました。

「Baldur’s Gate III」

アクションとボーナス・アクション、移動力は、前回の特集でもご紹介した通り、1ターン中に行動できるリソースの残りを指していますが、各呪文スロットとクラス固有のリソースは、戦闘が終了しても回復せず、休息を取ることで使用回数の補充が可能です。

この休息には2つの種類、その場で1時間程度の短い休息を取る“小休憩”と、野営地で一晩を過ごして休む“大休憩”があり、呪文スロットは基本的に“大休憩”でのみ回復することになります。(ウォーロックのみ、小休憩で呪文スロットを回復できます)

なお、レベル毎の呪文スロットや固有のリソースは、キャラクターの成長の応じて増えていくため、徐々に情報量が増え、レベル12のウィザードだと以下のようなHUDになります。

「Baldur’s Gate III」

呪文スロットがレベル6まで増え、固有のリソースも追加されたことから、説明文もなくなり、個々の要素のみが表示されていますが、コンソール版のHUDはラジアルメニューで選択中の呪文やアクションに連動して画面下部の項目がハイライトされるので、膨大な量の情報も容易に把握することが可能です。

「Baldur’s Gate III」
例:現在、アクションを消費するレベル2呪文“対人金縛り”を選択しているため
画面下部のHUDのアクションとレベル2呪文スロットがハイライトされている
「Baldur’s Gate III」
例:ホイールで隣の呪文“癒やしの言葉”を選択すると、そのコストに応じて
ボーナス・アクションとレベル1の呪文スロットがハイライトされたことが分かる

また、本作には特定の呪文をより強力な上位レベルで発動する、レベル選択システムがあり、これをしばしば活用することになるので、序盤で大活躍する呪文“魔法の矢”を例に、高レベル発動の流れを見てみましょう。

「Baldur’s Gate III」
ボタンでラジアルメニューを表示した状態、“魔法の矢”がちょうど表示されている
「Baldur’s Gate III」
右スティックでカーソルを“魔法の矢”に合わせると呪文の情報が表示される
ダメージは6~15、投射物3と記されている
「Baldur’s Gate III」
“魔法の矢”を選択すると、呪文レベルの選択が可能になる
レベル2版を選択すると、ダメージと投射物の数が増えていることが分かる

レベル1の“魔法の矢”の投射物は3でしたが、レベル2に強化すると投射物が4に増えました。これは、1度の攻撃で放つ“魔法の矢”の本数を指していて、レベル2だと4本の矢を任意の標的に放つことが可能です。つまり、単体の標的に4本全てを放つこともできるし、最大4体の標的に1本ずつ矢を当てることもできるわけです。

「Baldur’s Gate III」

これは、投射物が4本になったレベル2の“魔法の矢”を、4体の異なる敵に1本ずつ放つ直前の様子を撮影したもの。今回は攻撃魔法を例に紹介しましたが、味方を強化する魔法も仕組みは同じで、高レベル版を使用するとバフの目標数が増えるものなども存在します。

ここでご紹介した呪文は、標的を直接選択するタイプでしたが、このほかにも発動した術者を中心に範囲効果が同心円状に拡がるものや、飛翔体を発射し、着弾地点を起点に効果範囲が決まるもの、術者を起点に円錐状の効果範囲を持つものなど、効果範囲の種類も様々です。

「Baldur’s Gate III」
例:術者を起点に円錐状の効果範囲を持つ“色しぶき”
「Baldur’s Gate III」
例:“脂”という呪文は、着弾地点から半径4mの範囲を脂で覆う

加えて、幾つか魔法と呪文にシステムに関する幾つか固有の要素を紹介する必要があるため、個々の呪文の情報がどのようにまとめられているか、具体的なディテールを見てみましょう。

「Baldur’s Gate III」

これは、100%必中の頼りになる攻撃魔法“魔法の矢”です。射程距離や発動にアクションを消費すること、力術と呼ばれるカテゴリに属することなどが記されています。なお、【知力】セーヴの記述がありますが、この呪文は特殊な必中扱いであるため、標的となった敵にはセーヴィング・スロー(回避判定)そのものが発生しません。なお、ダメージロールに用いられるダイスは見た目で分かるよう表示されます(ここでは四面体)。

「Baldur’s Gate III」

これは、指定した場所に脂を撒く呪文“脂”です(※ “ダンジョンズ&ドラゴンズ第5版”のプレイヤーは既にお気づきかと思いますが、日本語版は呪文の公式な和名を採用しています)。ここには、効果持続時間が10ターンであること、射程18mの効果半径4mであること、対象が【敏捷力】セーヴに失敗すると状態異常の“伏せ”になることが記載されています。

「Baldur’s Gate III」

“色しぶき”は、ちょっと変わった条件を持つ呪文で、範囲内に存在する対象の残りヒットポイントの合算が33までなら複数体を一度に盲目化できます。【知力】セーヴの表記はありますが、条件を満たせば効果が得られるため、呪文攻撃ロールも対象のセーヴィング・スローも発生しない強力な呪文です。

「Baldur’s Gate III」

“聖域”は、対象者が敵の攻撃や呪文によって狙われなくなる非常に便利な呪文。ボーナス・アクションで発動でき、多くの場面で活躍してくれます。ここには注意書きで「呪文を準備していない」という文言が確認できます。これについては後述します。

呪文のレベルと鎧の制限について

「バルダーズ・ゲート3」と“ダンジョンズ&ドラゴンズ”世界において、呪文を発動するというのは、正確な身振り手振りや詠唱によって“織”を操作し、そのエネルギーを望んだ効果に転化するという作業で、高い集中力が必要となるほか、心身の大きな疲労を伴います。

高レベルの呪文になるほど、この疲労は重くなり、レベルが低いほど軽くなるという設定で、高レベルになるほど一日に発動可能な呪文の回数は少なくなる一方、厳しい修練によって術者の手に染みつくほど体得したレベル0の“初級呪文”は疲労を伴うことなく、一日に何度でも発動できるわけです。

前述の通り、呪文の発動には術者の集中と正確な手順が必要となるため、キャラクターが“習熟”していない鎧を着用すると、体の動きに支障をきたし、呪文を唱えることができません。

“儀式”呪文について

「Baldur’s Gate III」

このレベル1呪文“健脚”は、対象の移動速度(ターン当たりに移動可能な最大距離)を3m上昇させる非常に便利な呪文。ここに“儀式”という項目が記載されています。

“健脚”は、戦闘中に発動した場合アクションとレベル1の呪文スロットを消費しますが、戦闘時以外の落ち着いた状態で発動する場合、通常よりも長い時間を掛けて、疲労を伴わず呪文を詠唱できるという扱いで、なんと呪文スロットを消費することなく効果を得ることができます。

“健脚”以外にも、戦闘時以外に発動しておけばコストが掛からない便利な“儀式”呪文が複数存在しているので、入手したら効果をチェックしてみてください。

“健脚”は、一度発動すれば【耐久力】セーヴも必要なく、一晩休む“大休憩”までずっと効果が続くので、休憩を終えて冒険に出る際は忘れずにパーティメンバー全員を“健脚”で強化しておきましょう。(移動距離3m上昇のアドバンテージは非常に大きいです)

“精神集中”を要する呪文

「Baldur’s Gate III」

前回の特集にて、【耐久力】をセーヴィング・スローに使用する“精神集中”呪文の存在をご紹介しました。これは、効果が持続するタイプの呪文で、敵から攻撃を受けた際に効果の維持を判定するもので、【耐久力】セーヴに成功すると効果が持続し、失敗すると効果が切れるというもの。

“呪い”は、ボーナス・アクションで発動できる追加ダメージと強力なデバフを持つ呪文で、ウォーロックがレベル1から使用できるため、序盤でかなり活躍してくれます。

ウォーロックは呪文と近接戦闘を併用するスタイルが一般的であるため、これを維持する“精神集中”用の【耐久力】がある程度必要になります。

呪文の修得と準備について

先ほど、“聖域”呪文をご紹介した際、“呪文を準備していない”と記された警告が表示されていましたが、「バルダーズ・ゲート3」に登場する一部の魔法クラスとサブクラスは、修得した呪文を全て自由に使用できるわけではなく、修得済みのなかから予め使用する予定の呪文を一定数準備しておく必要があり、準備していない呪文については発動できません。

天性の感覚で魔法を使用するソーサラーや歌をそらんじるバードは、自身の心に修得した呪文のリストを持っているため、準備は不要ですが、大量の呪文を扱うウィザードやクレリックは、修得済みの呪文の中から、使用する呪文を選ぶ必要があるわけです。

これは、(PS5版だとR2ボタン経由でアクセスできる)大メニュー“呪文書”から“呪文の準備”を開き、レベル別に分類された修得済み呪文の中から、準備する呪文を選択することで戦闘時に使用できる準備呪文のラインアップを作成することができます。

なお、準備呪文のラインアップは、戦闘時以外ならいつでも自由に変更可能で、一度に準備しておける呪文の数は、そのクラスが魔法を使用する際の能力修正値(ウィザードなら【知力】、クレリックなら【判断力】)とクラスのレベルによって決定されます。

「Baldur’s Gate III」
呪文書メニュー、準備済み呪文と常に利用可能な呪文、初級呪文がまとまっている
「Baldur’s Gate III」
呪文の準備画面で、修得済みの呪文から準備する呪文を選ぶ、ここでは最大14種選択可能

なお、準備できる呪文は、修得済みの呪文のみで、ウィザードの場合は冒険中に手に入れた魔法の巻物を消費することで、まだ覚えていない呪文を修得することができます。

魔法の系統

幾つかご紹介した呪文には、レベルと共に力術や召喚術といった記述がありましたが、本作に登場する“ダンジョンズ&ドラゴンズ”の呪文は、知的種族によって数万年に及ぶ研究を通じて体系的に分類・整理されてきた歴史があり、全ての呪文は8つの代表的な学派の何れかに分類されます。

普段ゲームをプレイする際に、この学派・術派を意識する必要はほぼありませんが、ウィザードのサブクラスはこの学派によって分かれており、選択した学派に属する能力が得られることになります。

クラス紹介について

前回のファイターとバーバリアン、ローグ、パラディンに続いて、オリジン・キャラクターでプレイする機会の多い「クレリック」(シャドウハート)と「ウィザード」(ゲイル)、「ウォーロック」(ウィル)の基本的な情報と特徴、レベル進行を含むオススメの戦闘スタイルをご紹介します。

なお、当サイトでご紹介する戦闘スタイルのオススメは、“ダンジョンズ&ドラゴンズ”とコンピューターRPGに不慣れなプレイヤーを想定していて、低難易度でストレスなく壮大なストーリーと冒険を味わうことでゲームプレイに慣れてもらうことを念頭に置いています。

コンピューターRPGをプレイした経験があるなら、ぜひ全てを自分の思うがままにプレイし、眼前の困難に四苦八苦して忘れがたい自分だけの体験を味わってください。

神に身を捧げ戦う使徒「クレリック」

「Baldur’s Gate III」

クレリックは、定命の世界とはるか遠い神々の次元界を祈りによってなかだちする神の使徒で、回復役とサポートだけでなく、直接戦っても非常に強い頼りになるクラスです。

前回ご紹介したアスタリオン(ローグ)と同じく、クレリックはパーティの必須メンバーとして常駐することが多く、カスタム主人公でクレリックを作成していなければ、シャドウハートとも多くの時間を共に過ごすことになるでしょう。

■ “クレリック”の主な特徴

  • ヒット・ポイント:1レベルは8+【耐久力】修正値で開始、以降はレベル上昇毎に5+【耐久力】修正値を追加
  • 主要能力値:【判断力】
  • セーヴ習熟:【判断力】、【魅力】
  • 武器習熟:単純武器、モーニングスター
  • 防具習熟:軽装防具、中装防具、盾
  • 技能:〈歴史〉〈宗教〉〈看破〉〈医術〉〈説得〉から2つ選択

クレリックは、【判断力】が最も重要な能力で、セーヴ習熟には【魅力】が入っていますが、便利な“精神集中”呪文が多く、【耐久力】セーヴがしばしば求められるため、【魅力】よりも【耐久力】を高めに確保しておいた方が有用かもしれません。

クレリックの防具習熟は軽装と中装、盾ですが、後述するサブクラスによっては重装鎧も着用可能になります。

“クレリック”のレベル進行から得られる利益

レベル 習熟ボーナス 特徴 初級呪文
修得数
呪文レベル毎の呪文スロット数
1 2 3 4 5 6
1 +2 呪文、サブクラスの選択 3 2
2 +2 神性伝導の使用回数、サブクラスの特徴、アンデッド退散 3 3
3 +2 3 4 2
4 +2 能力値上昇を含む特技の選択 4 4 3
5 +3 アンデッド破壊 4 4 3 2
6 +3 神性伝導の使用回数、サブクラスの特徴 4 4 3 3
7 +3 4 4 3 3 1
8 +3 能力値上昇を含む特技の選択、サブクラスの特徴 4 4 3 3 2
9 +4 4 4 3 3 3 1
10 +4 神性介入 5 4 3 3 3 2
11 +4 5 4 3 3 3 2 1
12 +4 能力値上昇を含む特技の選択 5 4 3 3 3 2 1

クレリックのレベル進行については、上の表にまとめた主要な特徴以外にも、レベル上昇によって細かく初期呪文や呪文、準備済み呪文、サブクラス固有の呪文を順次獲得することができます。

今回は、クレリックを安全に運用し、仲間の回復や戦闘支援に集中できる戦闘スタイルとして、レベル1で取得できる呪文“聖域”を軸に行動する簡単なビルドをご紹介します。

“聖域”は、10ターンに渡って対象者が敵の標的にされない効果を持つ無敵に近い呪文で(範囲ダメージは受けます)、敵を直接攻撃すると、この半無敵効果が失われます。

ただし、味方の回復や支援、召喚を行っても“聖域”の効果は失われないため、クレリック/シャドウハートを“聖域”で保護しつつ、回復や支援に集中することでパーティ全体の戦力が大きく安定させようというのがビルドの主旨になります。

クレリック/シャドウハートがレベル3に達すると、レベル2呪文が解禁され、霊体の武器を召喚する“心霊武器”が利用可能になるので、術者を“聖域”で保護しつつ、召喚した武器に戦わせることも可能になります。

このスタイルにおけるレベル上昇は、“聖域”と併用する回復や支援、召喚用の呪文が段階的に強くなるという分かりやすい進行になるため、序盤で役立つ(一部は終盤まで使える)レベル別の有用な呪文をまとめてご紹介しておきます。

なお、クレリックの呪文は準備が必要なものと修得呪文が混在しているので、適宜呪文書で使用する呪文の準備をお忘れなく。

■ 初級呪文

  • 導き:能力値判定に対するボーナス付与、ダイスロールを含め多くの場面で役立つ必須呪文

■ レベル1呪文

  • 聖域:対象が敵から標的にされない半無敵呪文。ボーナス・アクションで発動できるのも強み
  • 祝福:仲間の命中率と回避率を10ターン強化するバフ、精神集中あり
  • 癒しの言葉:ボーナス・アクションで発動できる便利な回復呪文
  • 水の生成と破壊:地面に水を撒く、後述する“守りの秘文”や仲間の電撃系攻撃と組み合わせると便利

■ レベル2呪文

  • 癒しの祈祷:戦闘時以外に仲間全員のヒット・ポイントを回復できる。回復量が多い
  • 心霊武器:ボーナス・アクションで浮遊する武器が召喚できる。序盤の前衛としてかなり活躍してくれる
  • 能力強化:各種能力値チェックを事前に強化できる優れもの

■ レベル3呪文

  • 護りの霊:術者を中心に半径3mの範囲でダメージを与える、非常に強力な呪文
  • 守りの秘文:地面に酸や冷気の効果を持つ魔方陣を描く。電撃の魔方陣と(レベル1の水生成呪文を含む)濡れた地面を組み合わせるとかなり強力
  • 死体操り:死体からアンデッドのしもべを作り出す
  • 希望のともしび:回復呪文による回復量を最大化するほか、【判断力】セーヴと死亡セーヴを強化
  • 集団癒しの言葉:癒しの言葉の範囲版、ボーナス・アクションで発動できる

また、クレリックは固有のクラス・アクションとして、周囲のアンデッドを退散させる“アンデッド退散”(いわゆるターン・アンデッド)をレベル2で取得するほか、レベル5でこれを強化しダメージを与える“アンデッド破壊”を修得します。アンデッドとの戦いが生じた時には非常に有効なので、覚えておきましょう。

さらに、レベル10に達すると、クレリック固有のクラス・アクションとして、1度の冒険で1度だけ発動できる“神性介入”という非常に特殊な能力が獲得できます。これを発動すると4つの効果が選択でき、1度きりの強力な攻撃や回復に加え、さらに便利な物資、伝説的な装備の何れかが入手できます。大事にとっておくのも手ですが、早々に便利なぶつと交換しておくのも良いでしょう。

なお、クレリックのサブクラスは、信仰する神が所属する領域によって決まり、カスタム・キャラクターはレベル1の時点で選択する必要がありますが、シャドウハートの場合はストーリー上の設定もあり、“欺きの領域”で固定となっています。

余談ながら、クレリックには信仰する神格を選択する設定も用意されおり、30近い神の中から信仰する守護神格を選ぶことができます。これは、幾つかのダイアログオプションを提供する以外、ゲームプレイにほぼ影響しないロールプレイ的な要素ですが、しっかりと種族のロアに則った幾つかの制限が設けられています。なお、クレリックが魔法の力を得るためには、必ず1柱の守護神格を選ぶ必要があります。単に信心深いだけでは、(シビアなフェイルーンの神々には接続できず)信仰呪文の力は得られないというわけです。

クレリックのサブクラス固有の要素として、レベル1とレベル3、レベル5、レベル7、レベル9到達時にクラス固有の領域呪文もしくは呪文が得られるほか、クラス毎に異なる追加の習熟、さらにクレリック固有のリソース“神聖伝導”を消費するクラス・アクションなども獲得できます。

この習熟や呪文によって戦闘スタイルに様々なバリエーションが生まれるので、各サブクラスの概要と特徴的な要素をまとめておきます。

「Baldur’s Gate III」

「生命の領域」

“生命の領域”は農業や太陽、治療、家庭、共同体等に関係する善神が司る領域で、イメージ通り回復系の能力を特色としており、選択すると重装防具の習熟が得られます。

領域呪文や特徴については、有用な回復呪文や回復量の強化、治療、ヒット・ポイント強化、蘇生が揃っています。

「光の領域」

“光の領域”は、正義や理想を掲げ、太陽の印を用いる神々が属する領域で、闇を払う能力を特色としています。

領域固有の習熟はありませんが、“火球”をはじめ、半径9mの範囲に光輝ダメージを与える“夜明けの輝き”(レベル2で取得)など、クレリックらしからぬ強力な範囲攻撃系の呪文やダメージ強化系の能力が充実しています。

「欺きの領域」

“欺きの領域”は、いたずら者や厄介な神格が属する混沌とした領域で、ステルスや幻惑系の能力を特色としています。

この領域にも固有の習熟はありませんが、隠密の能力値判定強化や不可視化、変身など、便利な能力が多数揃っています。

「知識の領域」

“知識の領域”は学習や理解を尊ぶ知識の神の領域で、秘術魔法の修得に長けています。この領域の大きな特徴として、技能習熟のボーナスが得られ、〈魔法学〉と〈自然〉、〈宗教〉、〈歴史〉の中から選択した2つの習熟ボーナスを2倍に強化することが可能です。

「自然の領域」

“自然の領域”は、森や泉といった自然の神々で、文字通りドルイド系の能力を特色としており、ドルイドの呪文が修得できるほか、追加の習熟として〈動物使い〉と〈自然〉、〈生存〉の何れか、さらに重装防具の習熟も獲得できます。

「嵐の領域」

“嵐の領域”は、嵐と海、空を統べる神々の領域で、電撃/雷鳴系の強力な魔法が得られるほか、軍用武器と重装防具の習熟まで獲得できる、非常に攻撃的なサブクラスとなっています。

また、レベル2で習得するサブクラス特徴“破壊の怒り”(リアクション)が極めて強力で、神聖伝導チャージを消費することにより、なんと雷鳴/電撃ダメージを最大化する素晴らしい効果を持っています。

先ほどご紹介した“守りの秘文”とのシナジーも大きく、アグレッシブな戦闘が楽しめるオススメの領域です。

「戦の領域」

最後のサブクラスとなる“戦の領域”は、善悪様々な戦の神が属する領域で、“嵐の領域”と同じく、軍用武器と重装防具の習熟が獲得できます。

“戦の領域”は、その名が示す通り武器の戦闘や物理的なダメージに特化したサブクラスで、戦闘司祭と呼ばれる独自のリソースを用いて、なんとレベル1の時点でボーナス・アクションによる追加攻撃が可能になります。(ただ、武器メインで戦う場合、【筋力】が重要となるので能力値調整が必要です)

ただ、通常の近接系クラスと異なり、レベル5で通常の追加攻撃が得られるわけではないので、武器戦闘特化型のサブクラスとして後半に突入するにはちょっと心許ないバランスだと言えそうです。

知識を追い求める秘術の学者「ウィザード」

「Baldur’s Gate III」

ウィザードは、長い修行と体系的な研究によってウィーヴを操る力を修めた秘術使いで、豊富な呪文を使いこなし、攻守に渡って柔軟な活躍を見せるクラスです。

また、クラス固有の能力として、独自のリソース“秘術回復チャージ”を消費し、消費した呪文スロットを一定量回復することができます。

■ “ウィザード”の主な特徴

  • ヒット・ポイント:1レベルは6+【耐久力】修正値で開始、以降はレベル上昇毎に4+【耐久力】修正値を追加
  • 主要能力値:【知力】
  • セーヴ習熟:【知力】、【判断力】
  • 武器習熟:ダガー、クオータースタッフ、ライト・クロスボウ
  • 技能:〈医術〉、〈看破〉、〈宗教〉、〈捜査〉、〈魔法学〉、〈歴史〉から2つ選択

ウィザードは、【知力】が最も重要で、セーヴ習熟に【判断力】が加わるほか、呪文を主体に戦うため、武器習熟が限定的で、防具習熟は一つも持ち合わせていません。

また、レベル進行も魔法の習得に特化しているため、クラスの特徴もこれまでで最もシンプルな構成となっています。

“ウィザード”のレベル進行から得られる利益

レベル 習熟ボーナス 特徴 初級呪文
修得数
呪文レベル毎の呪文スロット数
1 2 3 4 5 6
1 +2 呪文発動、秘術回復 3 2
2 +2 サブクラスの選択 3 3
3 +2 3 4 2
4 +2 能力値上昇を含む特技の選択 4 4 3
5 +3 4 4 3 2
6 +3 サブクラスの特徴 4 4 3 3
7 +3 4 4 3 3 1
8 +3 能力値上昇を含む特技の選択 4 4 3 3 2
9 +4 4 4 3 3 3 1
10 +4 サブクラスの特徴 5 4 3 3 3 2
11 +4 5 4 3 3 3 2 1
12 +4 能力値上昇を含む特技の選択 5 4 3 3 3 2 1

レベル進行から得られる利益の表にある通り、ウィザードのレベル進行は、3回の能力値上昇を含む特技の選択に加え、サブクラスの選択、3回のサブクラス特徴で構成されていることから、呪文そのもののラインアップが最重要であることがよく分かります。

という事で、クレリックと同様に、レベル毎に獲得できる代表的な呪文を幾つかご紹介しておきましょう。

■ レベル1呪文

  • 魔法の矢:最初から終盤まで使い続けることになる優秀な攻撃呪文。これはセーヴが発生せず100%命中するので、非常に頼りになります。レベル1で3本の矢を放ちますが、上位レベルで発動すると最大で6本まで。
  • 雷鳴波:雷ダメージの呪文ですが、対象を押す効果があるため、敵に近づかれた際や機会攻撃を防ぐ際に使うと便利です
  • 魔道士の鎧:アーマー・クラスを13+【敏捷力】修正値まで増加。防具習熟がないため、守りが不安な場合に役立ちます。
  • :地面を脂で覆うことで、範囲内の敵の移動速度を下げ、さらに“伏せ”状態にします。“伏せ”に対する近い距離からの攻撃に“有利”が得られるため、非常に有用。加えて、脂は燃えるので、炎の矢や呪文で着火できるほか、地面に火元があれば簡易の範囲爆発攻撃としても機能する、非常に便利な呪文です
  • 健脚:先ほどもご紹介した移動速度強化の儀式呪文。3mの移動距離増加は、かなりのアドバンテージとなるので、忘れずに掛けておきましょう。
  • :アーマー・クラスを5上昇させ、魔法の矢を防ぐリアクション呪文。非常に便利なのでこれも忘れず準備しておきましょう
  • 色しぶき:33ヒット・ポイント分のクリーチャーを“盲目”にする呪文。残ヒット・ポイントの条件さえ満たせば確実に効果が得られるため、非常に強力です。

■ レベル2呪文

  • 鏡像:分身を作成し敵を惑わせ、アーマー・クラスを上昇させる防御呪文。敵の攻撃をかわしたい時にオススメ
  • 短剣の群れ:短剣が渦巻くエリアを作成し、10ターン留まり範囲内の敵にダメージを与える。狭い場所での戦闘で活躍してくれます
  • 霧渡り:ボーナス・アクションで使用できる瞬間移動呪文。この移動は機会攻撃を誘発しないので、危険な状況の回避に役立ちます
  • 破砕:序盤にあると便利な範囲攻撃呪文

■ レベル3呪文

  • 火球:レベル5で取得できる非常に強力な範囲攻撃呪文。パーティの殲滅力が一気に上がります
  • 加速:最強クラスのバフ。移動速度倍、【敏捷力】セーヴィング・スローを“有利”化、アーマー・クラス+2、ターン毎にアクションを1追加する破格の効果を持っています。ただし“精神集中”呪文です
  • 呪文妨害:敵が放った呪文を阻止するリアクション呪文。序盤はそれほど活躍しませんが、後半で大活躍する必須の防御呪文になります
  • 死体操り:アンデッドのしもべを作成。召喚でターゲットを分散させたい状況や、聖域を併用する際の戦闘に役立ちます
  • 催眠文様:広い範囲の敵を“催眠”状態にする便利なクラウドコントロール系呪文

■ レベル4呪文

  • 火の壁:線上に火の壁を作成する強力な範囲攻撃魔法
  • エヴァードの黒い触手:敵の移動を阻害しながらダメージを与える便利な範囲魔法
  • 氷の嵐:雹を降らせ、氷の嵐でダメージを与える強力な範囲攻撃呪文

ウィザードのサブクラスは、魔法を体系的に分類する8つの“系統”そのものを選択することになります。

また、全てのサブクラスに共通する利点として、選択した“系統”の呪文を巻物から習得する際に必要なゴールドが半額に抑えられます。

「Baldur’s Gate III」

脅威から自身と味方を守る「防御術」

防御呪文を使用することで防壁が形成され、敵の攻撃を軽減する能力が利用可能になります。レベル6に達すると、味方のダメージも軽減するため、なかなか強力で、かつプレイしやすいサブクラスだと言えます。

魔法のエネルギーを操る「力術」

耐呪文防御や初級呪文の強化が得られますが、レベル10で力術呪文のダメージに【知力】修正値を付与する極めて強力なパッシブ能力が得られます。これにより、“魔法の矢”が驚くほど強化されるのでオススメです。

生と死のエネルギーを操る「死霊術」

主にアンデッドのしもべを作成する“死体操り”が強化されます。しもべが強化されるだけでなく、数も増えるのでかなり強力ですが、操作が煩雑になるので、細かな操作が苦にならない方にオススメ。

物体やクリーチャーを別の場所へと運ぶ「召喚術」

水の作成(非常に便利)とテレポート能力が得られるほか、召喚呪文の“精神集中”を失わない非常に強力な効果が得られます。

他者の心に作用し影響を与える「心術」

魅了系の優れた能力が得られますが、レベル10で獲得できる“二股の心術”が、通常1体のみを標的する心術呪文を2体に適用可能にする、かなり強力な効果を持っています。(二股で強化されるのは、怪物金縛りや対人金縛り、人物支配、オットーの我慢できぬ踊り、ターシャの抱腹絶倒など)

時間を覗きこみ情報を集める「占術」

未来を見通す不思議な力で“予見ダイス”という特殊なダイスを獲得し、攻撃ロールやセーヴィング・スローをリアクションで、レベル10に達すると強力な暗視と不可視視認能力を得ます。

他者の感覚や精神をあざむく「幻術」

初級幻術や不可視視認を強化できますが、他に有用なサブクラスが存在するため、これを選ぶくらいなら、防御術や力術、召喚術あたりを選択したほうが良さそうです。

物体や環境の性質を変化させる「変成術」

今回の特集ではまだご紹介していない“錬金術”(アイテムクラフト)向けの強化が得られるほか、レベル10で小さな鳥“アオカケス”に変身して飛行できる能力が獲得できます。

この世ならぬ者と契約を結んだ「ウォーロック」

「Baldur’s Gate III」

先ほどご紹介したウィザードは、非常に分かりやすいピュアキャスターでしたが、オリジン・キャラクター“ウィル”のクラスである“ウォーロック”は、一風変わった魔法使いで、神ではない異質な他次元界の存在と結んだ契約によって魔法の力を使用することになります。

プレイスタイルもウィザードとは大きく異なり、非常に強力な呪文が使用できる一方で、呪文スロットの数が非常に少ないことから、(シングルクラスで運用する場合は)必然的に武器戦闘を併用しながら、ここぞというところで呪文を使用する戦闘スタイルになるケースが一般的です。

ということで、まずは主な特徴を見てみましょう。

■ “ウォーロック”の主な特徴

  • ヒット・ポイント:1レベルは8+【耐久力】修正値で開始、以降はレベル上昇毎に5+【耐久力】修正値を追加
  • 主要能力値:【魅力】
  • セーヴ習熟:【判断力】、【魅力】
  • 武器習熟:単純武器
  • 防具習熟:軽装防具
  • 技能:〈威圧〉、〈自然〉、〈捜査〉、〈ペテン〉、〈魔法学〉、〈歴史〉から2つ選択

主要能力値は【魅力】で、単純武器と軽装防具の習熟を持っていますが、ウィルの場合はレイピアの習熟も所持しています。

“ウォーロック”は、ビルドがかなり奥深いクラスですが、今回は“ウォーロック”といえばこれ!という象徴的な初級呪文“怪光線”(エルドリッチ・ブラスト)を強化する基本的なスタイルをご紹介。“怪光線”は、キャラクターのレベル上昇や装備による様々な強化が用意されているため、序盤から終盤まで、コンスタントに活躍してくれます。

“ウォーロック”のレベル進行から得られる利益

レベル 習熟ボーナス 特徴 初期呪文習得数 呪文習得数 呪文スロット スロットレベル 妖術習得数
1 +2 サブクラス選択 2 2 1 1
2 +2 妖術 2 3 2 1 2
3 +2 契約の恩恵 2 4 2 2 2
4 +2 能力値上昇を含む特技の選択 3 5 2 2 2
5 +3 深化した契約、妖術 3 6 2 3 3
6 +3 サブクラスの特徴 3 7 2 3 3
7 +3 妖術 3 8 2 4 4
8 +3 能力値上昇を含む特技の選択 3 9 2 4 4
9 +4 妖術 3 10 2 5 5
10 +4 サブクラスの特徴 4 10 2 5 5
11 +4 秘奥義 4 11 3 5 5
12 +4 能力値上昇を含む特技の選択 4 11 3 5 6

ウォーロックは、レベル1でサブクラスを選択する必要があり、それぞれに一長一短あるのですが、“怪光線”を撃ちまくる場合のオススメは、クリティカル・ヒットを強化する攻撃的な“グレード・オールド・ワン”です。

まずはレベル1で最も重要な“怪光線”を取得しましょう。“怪光線”は1d10のダメージを与えるビーム系の力術呪文で、キャラクターのレベルが上がるとビームの数が増え、最大3本のビームを放つほか、敵を吹き飛ばす能力もあることから、落下ダメージなども狙える優秀な呪文です。

また、クラス作成時にレベル1の呪文も利用可能になり、2つを習得することができます。レベル1呪文に関しては、防御面で必須となる“アガシスの鎧”(術者のヒット・ポイントを増加させ近接攻撃に対して反撃ダメージを与える)、さらに“怪光線”を強化する“呪い”あたりがオススメです。

レベル2になると、ウォーロック固有の特徴である“妖術”が解禁され、2つの妖術が選択できます。

妖術には、多彩な呪文を対象とするパッシブ能力が揃っていますが、最も重要なのは“怪光線”を強化する“苦悶の怪光線”で、これにより【魅力】修正値を“怪光線”のダメージに上乗せすることができます。

もう1つは、同じく“怪光線”を強化する“拒絶の怪光線”で、これを取得すると“怪光線”で対象をはじき飛ばす距離が最大4.5mまで上昇します。

レベル3に達すると、契約相手から“契約の恩恵”と呼ばれる特典が与えられ、3種の恩恵から選ぶことができます。1つ目の“鎖の契約”は、3種の使い魔が召喚できるというもの。2つ目の“剣の契約”は、武器強化。3つ目の“書の契約”は、3種の初級呪文が得られます。

何れも有用な特典ですが、序盤から終盤まで役に立つのは(ビルドにもよりますが)武器攻撃を強化する“剣の契約”でしょう。

“剣の契約”の中で有用なのは利き手に持っている武器と自分自身を結びつけ呪縛する“契約武器呪縛”で、これを使用すると手にしている武器の習熟が得られるだけでなく、攻撃ロールに【魅力】修正値を適用するウォーロックに最適な強化が得られます。

レベル4は、能力値上昇を含む特技の選択です。先ほど、妖術で選択した“苦悶の怪光線”によって、“怪光線”に【魅力】修正値が適用されたほか、前述の武器攻撃ロールも【魅力】で強化されるため、ここはやはり能力値上昇で【魅力】を上げたいところ。

レベル5に到達すると、“契約の恩恵”で得た特典を強化するクラス特徴“深化した契約”が得られ、“剣の契約”を獲得した場合は、契約武器を用いた追加攻撃が可能になります。(“鎖”は使い魔の追加攻撃、“書”は加速を含む呪文の追加)

レベル5で、新たな妖術も獲得できますが、“怪光線”の強化は残っていないので、パーティの状況等を見て追加の呪文を獲得しておくのが順当でしょう。

さらに、ウォーロックはレベル5でレベル3呪文も解禁されるので、前述の追加攻撃と併せてかなり戦力が増強されます。

レベル6以降のウォーロックについては、レベル上昇に伴う“怪光線”の強化があるものの、基本的に呪文や妖術、特技を順次得る以外に大きな変化はないので、レベル進行の紹介はここまで。場合によっては、マルチクラスによる習熟や武器攻撃、呪文攻撃の強化、“怪光線”のシナジーを考えてみるのも一興でしょう。(※ なお、装備品にも“怪光線”を強化するようなものが多数存在しているので、この選別もお楽しみの一つになるはずです)

それでは、ウォーロックのこの世ならぬ契約相手であるサブクラスの概要を見てみましょう。

「Baldur’s Gate III」

「フィーンド」

フィーンドというのは、下方次元界に存在する邪悪な魔物で、暗黒の破壊的な力による攻撃呪文や回復強化、ダメージ耐性といった生存性を向上させる恩恵が得られます。

「グレード・オールド・ワン」

グレード・オールド・ワンは、物質界や主要な次元界の存在とは全く異なる謎の存在で、彼方の領域から到来した存在や忘れられた古の神などが含まれます。

前述したクリティカル・ヒット強化をはじめ、敵の攻撃に“不利”を課すリアクション、精神ダメージに対する抵抗力が得られます。

「アーチフェイ」

アーチフェイというのは、最古の種族の一つである(妖精や精霊の先祖にあたる)フェイの貴族で、呪文系の強化を特色としています。

ということで、呪文の基本とクラス紹介の後編はここまで。次回の特集第8回は、日本語版の発売に先駆けて、ゲームプレイに関する基本的なシステムをまとめてご紹介しますので、お楽しみに!

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