昨日はPAX Primeにてとうとうオズワルドの登場となったオープニング映像の続きやプレイ映像が登場した「Epic Mickey」ですが、Nintendo Power誌10月号が発売を迎え、新しい情報が明らかになりました。かなり大量の新情報を始め、本作に纏わるコンセプトに関わる内容も多く明らかにされ、非常に興味深い物になっている今回の特集記事、新要素やゲームに関わる部分は後半に、まずはウォーレン・スペクター氏が語ったEpic Mickeyに深く関わるコンセプト部分や世界観の背景についてご紹介します。
スペクター氏はまずプロジェクトのスタートに当たって、2つの要点があった事を改めて明かしています。1つはミッキーをビデオゲームのヒーローに相当する存在にする事、もう一つは世界に向けてオズワルドを再び紹介する事だったと述べ、まずミッキーの目的について明らかにしました。
ミッキーは忘れられたキャラクター達が住まうWastelandに引きずり込まれてやって来ましたが、当初の彼のゴールは”家に帰る事”となります。ここでミッキーは「僕は忘れ去られない」「僕は拒絶されない」「僕はここ(Wasteland)に属しない」と考えていますが、やがてモノクロ時代のホーレス・ホースカラー達の様な忘れ去られたかつての友人達を発見する事になります。
さらにその後オズワルドに相見える訳ですが、彼は自分に兄弟が居る事を知りませんでした。こういった経緯からミッキーのゴールは「彼らを助けなければならない」に変化します。そして今回の問題はミッキー自身がイェン・シッドのミニチュアにイタズラした事からインク怪人を(彼らも忘れられ拒絶された悲しい存在)生み出した事に端を発している事でもあります。
さらにスペクター氏はWastelandの始まりについても言及、オープニング映像にも登場した1993年の短編”The Mad Doctor”(邦題:ミッキーのお化け屋敷)のマッドドクターがWastelandに現れた初期のキャラクターの1人である事を明かしています。
1933年に登場したマッドドクターは登場から直ぐに忘れられてしまったキャラクターで、ディズニーが再使用しなかった僅かなキャラクターの内の一人でした。例えばホーレス・ホースカラーやクララベル・カウは現在では忘れ去れているものの、彼らは過去作品に何度も繰り返し登場していました。(※ ホーレスとクラベルは2001年から2003年にTVシリーズとして放送されたオールキャスト作品のハウス・オブ・マウスには登場している)
Wastelandを最初に訪れたのはオズワルドですが、彼のガールフレンドもまもなくここを訪れています。その後マッドドクターがWastelandに辿り付きますが、アニメと同様に彼は正気ではなく、禁制の知識を探す権力に狂った人物です。Wastelandに着いて周りを見回し、オズワルドがここを治めている事を理解した彼はオズワルドの力を我が物にするべく、その右手となる事を選びます。
そしてマッドドクターは新たにBeetleworxを開発、Wastelandにおける建造用のマシンとしての役割を担いますが、忘れられ拒絶された新しい存在がWastelandを訪れた場合には、オズワルドの命令に従い新入りをオズワルドが望む場所に配置する役割も持っています。
さらにこの後、インク怪人がミッキーのイタズラによってWastelandを訪れる事になります。インク怪人はWastelandを破壊する巨大なモンスターで、Junction PointはEpic MickeyのバックストーリーとしてWastelandに起こったオズワルド達とインク怪人が争うBlot(インク)戦争と呼ばれる時代の物語を持っています。
Blot戦争はインク怪人が勝利を収めますが、マッドドクターはインク怪人の支配力が増すと共に、多くの手下を擁するインク怪人とオズワルドを天秤に掛け、最終的にオズワルドを裏切りインク怪人と連合を結ぶ事になりますが、まだ尚彼は自身の計画を秘めたままです。
インク怪人はスペクター氏が敬愛するコミックライターFloyd Cottsfredson氏によるキャラクターで、1939年の”Mickey Mouse Outwits the Phantom Blot”に登場しています。黒い姿でカメラを盗む事に執着するインク怪人は、スペクター氏にミッキーをアクションヒーローとして認識させた重要なキャラクターの一人であると語られています。氏はインク怪人を自然の力を有する存在で、”思考”するキャラクターではないと語っています。
インク怪人が悲劇的な存在だと語るスペクター氏は、この点についてピクサーのジョン・ラセターから重要な事を学んだと語っています。ピクサーのトイ・ストーリーにおいて重要な要素は「おもちゃ達は”何を”望んでいるか?」という”問い”である事を述べた氏は、オモチャ達は遊ばれたい、それは映画の全てを貫く土台になる物だと続け、「マンガは何を望むか?」という大きな問題を提起しました。
この問題に取り組んだスペクター氏はマンガやアニメのキャラクターについて、”描かれる事”、”活気づけられ生命を吹き込まれる事”、”聴衆に見られる事”、そして最後に”愛される事”の4つ望む事を導き出しました。
これらを鑑みる時、ミッキーはこれら4つを全て持ち合わせています。オズワルドは全てを手にしていましたが、失ってしまいました。マッドドクターは3つを持ち合わせたが、愛される事はありませんでした。しかし、ゲームの中に登場するインク怪人はこのどれも持ち合わせていない存在として描かれています。
存在自体が誤りであるインク怪人は、彼自身もその事を十分に理解し、それこそが彼をモンスターとしている理由でもあります。インク怪人の能力は物事を消去する事で、ミッキーが使える能力と同じ物を全て持ち合わせています。インク怪人はさらにキャラクター達から魂を吸収し”抜け殻”にしてしまう能力を持っており、魂の吸収を以て対象キャラクターの知識や望みを取り込みます。
したがって、多くのキャラクターの魂を吸い込んだインク怪人は上述の”キャラクターが望む事”を1つも持ち合わせないままに、「マンガのキャラクターになりたい」という希望を持つようになり、それこそが彼のモチベーションになっている事を氏は明らかにしています。
また、このインク怪人の希求に対して、マッドドクターが”自分なら、この世界から脱出して、インク怪人が望む愛されるキャラクターに、スターになる事を実現できる”と持ちかけ、自身の計画の為にインク怪人を利用しているという背景も明らかにされています。そして、スペクター氏は”インク怪人の存在が子供達に悪夢を与える事を望んでいる”と発言し、実際にそうなる様に開発を進めていると語っています。
そしてスペクター氏は、ミッキーとオズワルドはWastelandに深い混沌をもたらしているインク怪人を止めなければならないと発言を締めています。
以上、今回はインク怪人とマッドドクターに多くのスポットが当てられた内容になっていますが、これまでに明らかにされているオズワルドのウォルト(オズワルドが思い描く”お父さん”)に抱いている思いを始め、ミッキーへの羨望と嫉妬なども含め、いかにキャラクター達の”思い”をタイトルに具現化させようと取り組んでいるかがひしひしと感じられる内容になっています。なお、ゲームプレイに関する新情報は以下からご確認下さい。
■ 全般
- Junction PointはEpic Mickeyの前にいくつかのエピソード形式のダウンロードゲームを作りたいと考えていた
- 不思議の国のアリスは最近の映画(ティム・バートン作品の”アリス・イン・ワンダーランド”)との混乱を避けるため使用したくなかった
- くまのプーさんの登場は無い
- 人間キャラクターの登場は無い
- Pixarや他のモダンなプロダクションのキャラクター達の登場は無い
- 多数のディズニー作品に関する解説が用意されている
- 2Dステージのストーリーボードやストーリーテリングはディズニーのメアリー・ブレアの作品からインスパイアされた物
- ガーディアン達は名前を持っており、それぞれにいくつかのミステリーがある
- Epic Mickeyはウォーレン・スペクター氏の20タイトル目のゲーム
- ペイントとシンナーは本作の重要な要素で、他のゲームでも以前に実現された事ない”何か”
- インク怪人は以前のビルドから変更が加えられた
- ウォーレン・スペクター氏はまだ”わんぱくダック夢冒険”のゲーム化に関心を持っており、「スクルージ・マクダックはインディ・ジョーンズが登場する以前のインディ・ジョーンズだ」と発言
- オープニング映像で見られたイェン・シッドのミニチュアに絵の具とシンナーをこぼした後多くの時間が経過している
- オズワルドはWastelandの最初の住人
- 数十年の間にディズニーの忘れ去られた要素達がWastelandを訪れ、オズワルドと共に暮らすようになった
- WiiリモコンのBボタンでペイント、Zボタンでシンナーを使用する
- トラベルマップの発見は分岐をもたらす
- あるトラベルマップは目的地へと繋がり、ある物はステージで生き残ればプレイヤーに何かをもたらす
- コレクタブルな要素としてフィルムリールが存在する、しかしスペクター氏はこれについてまだ明らかにしない
■ 2Dステージ情報
- 新しく判明した2Dステージは1937年の短編”Lonesome Ghosts”(邦題:ミッキーのお化け退治)をベースにした物、”Lonesome Ghosts”はミッキーとドナルド、グーフィーがお化け退治業者としてポルターガイストが住む古い屋敷を訪れる作品
- “Lonesome Ghosts”では冒頭ポルターガイストが読んでいた新聞が足場の役割を果たし、Wiiリモコンでライトを灯す事が出来、ポルターガイスト達を怖がらせる事が出来る
- 1933年の短編”The Mad Doctor”(邦題:ミッキーのお化け屋敷)の2Dステージが登場
■ 3Dアクションマップ情報
・”Lonesome Manor”マップ
- “Lonesome Manor”と名付けられた3Dアクションエリアが新たに登場
- “Lonesome Manor”には大邸宅があり、ミッキーは訳あってこの大邸宅に侵入しなければならない
- “Lonesome Manor”では”金床”のスケッチを宝箱から手に入れる事が出来る
- “金床”以外にも異なるスケッチが複数存在しており、これを組み合わせる事で新たな効果が得られる(Lonesome Manorでは吊された金床を落として床を割るギミックがある)
- 敵として登場する”Blotling”を助けて仲間にする事が出来る
・ジャングルテーマのマップ
- ピーターパンとジャングルブックがテーマの3Dアクションマップが登場
- Basherと呼ばれるBeetleworxのバリエーションが登場する
- Beetleworxはインク怪人の戦闘部隊として戦っており、他のキャラクターと違いシンナーで存在を”消す”事が出来ない
- しかし弱点をカバーしている殻はコミックで出来ており、殻をシンナーで消した後に弱点に攻撃を加える事が出来る
- テレビのスケッチを利用すればBeetleworxはテレビに集中する
- ジャングルテーマのマップではフック船長一味の1人”Starkey”が登場、インク怪人の所為である場所から移動出来ない状態になっており、ミッキーに取引を持ちかける
- Starkeyに応じて問題を解決すれば次のステージへのパスコードが得られるが、自力で見つける事も可能
- ステージには多くの宝石が隠されている
- ステージには隠された泉があり、これはコレクタブル要素の1つ
・”Dark Beauty Castle”マップ
- もっとも巨大なホールを有する”Dark Beauty Castle”と名付けられた3Dアクションマップが登場
- 城の真上には渦巻く雲が不吉な前兆を描いている
- 城に上るとミッキーはオズワルドと遭遇する
- この時点で彼らは友達だが、オズワルドに背を向けるとミッキーに対してしかめっ面に、オズワルドに顔を向けるとオズワルドは視線をそらし、無邪気に口笛を吹く
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