X-Comシリーズを生んだJulian Gollop氏が2Kの「XCOM」リブートに言及、FPS化は同じ失敗を繰り返す“失望”と表現

2012年1月21日 17:42 by katakori
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「XCOM」

1994年にリリースされたX-Comシリーズの初代タイトルである“UFO: Enemy Unknown”(※ 後にX-COM: UFO Defenseへと改名)と、“X-COM: Apocalypse”の傑作を手掛けたゲームデザイナーJulian Gollop氏、昨年は久しぶりの新作となるGhost Recon: Shadow Warsを手掛け、ターンベースストラテジーデザインの雄としてその健在振りを示しました。

そんなJulian Gollop氏がEdgeのインタビューに応じ、現在2K Gamesがリブートを進めている2K Marin開発によるFPSタイトル「XCOM」とFiraxis開発によるターンベースストラテジータイトル「XCOM: Enemy Unknown」について言及し、今回のリブートに関する見解を明かしました。

2K Marinの新作「XCOM」のFPS化には“失望した”

氏は2K MarinがFPSタイトルとして開発を進めている“XCOM”が、かつてX-Comシリーズタイトルしてリリースされた“X-COM: Interceptor”(※ 1998年にAtariからリリースされたストラテジータイトル)と“X-COM: Enforcer”(※ 2001年にInfogramesからリリースされたアクションタイトル)と同じ轍を踏む大きな不名誉だと発言、今回のFPS化はGollop氏自身と多くのX-Comファンを失望させるものだったと振り返っています。

また、Gollop氏はFiraxisによるターンベースストラテジー新作の開発はあたかもFPS化の賭けの全てを埋め合わせをしているようだと語りました。

なお、Gollop氏はターンベースストラテジーゲームが90年代の隆盛を過ぎ、現在では完全なニッチ市場と受け取られている状況について嘆かわしい出来事だとの見解も示しており、Advance Warsや戦場のヴァルキュリアなどモダンなターンベースストラテジーの良い作品が現在も存在していると語ったGollop氏は、実際にはターンベースストラテジー分野に今もイノベーションの場が存在していると強調しています。

Firaxisは「XCOM: Enemy Unknown」の開発において安全策を講じるだろう

さらにGollop氏はFiraxis開発による「XCOM: Enemy Unknown」についても言及し、現代のオーディエンスにX-Comゲームをより良く適合させる為には、よりゲームをアクセシブルにする必要があると発言しました。

自身の過去を振り返った氏は、90年代初めプレイヤーに必要な情報のほとんどが大きな分厚いマニュアルに詰め込まれ、インゲームのチュートリアルやヘルプを持っていなかったと語り、現在のゲーマーがマニュアルを読まず、彼らはゲームがプレイヤーにプレイ方法を教えることを要求しているとの見解を示しています。

そしてGollop氏は、こういったアクセシビリティの追求が、しばしば結果として過度な単純化を懸念する声が上がる原因となり、ファンベースにおける大きな関心事の1つになる状況を認めつつも、ゲームの複雑さをユーザーに対して十分に知らせることは、決してゲームを初心者向けに易しくしなければならないことを意味しないと語りました。(参考:一般的にアクセシビリティとユーザビリティは相反する関係にあります)

こういった見解を前提として語ったGollop氏はFiraxis開発によるXCOM: Enemy Unknownに幾つかリメイクとして十分に改善されている点が見られると認めた上で、XCOM: Enemy Unknownがさほど多額の予算が投じられたタイトルではないとの見解を示し、恐らくFiraxisは安全策を講じるだろうと語りました。

予算的な規模に言及したGollop氏は、恐らくFiraxisがゲームエンジンにプロシージャルな環境生成や、環境の破壊モデル、AIシステム面の技術的な革新を用意していないとの予想を述べ、Firaxisがこれらを全てやり遂げればXCOM: Enemy Unknownは素晴らしいタイトルになるだろうと発言、しかし既に登場済みのスクリーンショットから判断するに恐らく前述したハードルの下を進むことになるのではないかとの予想を提示しています。

(※ 余談ですが、Gollop氏がアクセシビリティについて触れユーザーに優しいタイトルとする必要があると語ったのは、Firaxisが予算的な問題から前述した現代に必要な改善を施さず、オリジナルへのリスペクトと比較的受容されやすいゲーム性の“複雑さ”が、いわゆる硬派で“良い”XCOMだ、という担保を着地点に用意しているのではとの見解を示す発言とも受け取ることが出来ます)

という事で、Julian Gollop氏らしい見解が語られた2KのXCOMリブートですが、FiraxisならばきっとGollop氏が望むXCOMの姿を実現してくれると期待しつつ今後の続報を楽しみに待ちたいと思います。

情報元及びイメージ:Edge, Shacknews, gameranx

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