先日から、ビデオゲーム産業全体を巻き込んだ大きな騒動となっている「ルートボックス」問題ですが、ベルギー政府やハワイ州政府が賭博法に基づく調査を進めるなか、先んじて調査を進めていたイギリス政府が本日賭博委員会の公式サイトを通じて声明を発表。“ルートボックス”はギャンブルに相当しないと報告しました。
これは、イギリス国内でオンライン請願を通じて1万5,000人の署名が寄せられた「子供を対象とするビデオゲームのギャンブルに対する賭博法の適用」を発端に、イギリス政府が賭博委員会やビデオ規格委員会、PEGI評議会と共にルートボックスが賭博法に抵触する可能性の調査を進めていたもの。
調査結果を発表した英賭博委員会は、賭博法がギャンブルに相当するか、あるいはそうでないかの境界を決定し、賭博委員会はその定義を適用するための監視と取り締まりを行い、判断の基準を変更するためには英議会の制定が必要だと前置きした上で、“ルートボックス”が賭博に相当するかどうかの判断基準は、ルートボックスから得られたインゲームアイテムが金銭、もしくは金銭に相当する価値を持つかどうかにあると説明。いわゆるルートボックスから得られたアイテムの使用は、ゲーム内に制限されており、これを現金化できないことから、ルートボックスは賭博に相当せず、イギリス政府の法的権限は今回の問題に介入できないと明らかにしています。
一方で、英賭博委員会は多くの両親がこういった行為が賭博の法的な定義に合致するかどうかに興味を持っていないと述べ、主な関心は製品が子供達に対してもたらす危険性にあると説明。この背景には、近年ビデオゲームとギャンブルの境界がますます曖昧となっている状況があるとして、イギリス政府はレーティング等による年齢確認の条件や様々な法律によって子供を保護するための取り組みを予てから進めていると強調。子供達を守る責任を持つ人々と専門知識や知見のさらなる共有を図りたいと伝えています。
今回の公式発表は、“ルートボックス”そのものの定義に言及し、つまり(イギリスにおける現行の法律では)現金化出来なければ賭博法に抵触しないことを明らかにしたものですが、調査を開始した際にご紹介した通り、イギリス政府は“ゲーム内のアイテムを容易に現金化できる、もしくは現実的な価値を持つコンテンツとして交換できる一部作品の状況”を、明らかな賭博と位置づけており、今回の発表においてもFIFAシリーズのスキンを現金化する温床となっていたWebサイト“Futgalaxy”に対して初の刑事訴追を行った経緯を明記しています。
イギリス政府が遂に正式な声明と調査結果を発表した一連の“ルートボックス”問題ですが、現在調査を進めているベルギー政府やハワイ州政府がどんな結論に至るか、今後の動向に改めて注目が集まるところです。
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