最新作の登場に先駆けて今改めて振り返る初代「ボーダーランズ」の重要性とリマスターGOTY日本語版の魅力

2019年5月9日 16:18 by katakori
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「Borderlands 3」

今年9月に満を持してナンバリング最新作の発売を迎える「ボーダーランズ」シリーズですが、ご存じGearboxは最新作の登場に併せて2019年を“ボダランイヤー”と掲げ様々な取り組みを進めており、来る最新作の登場に先駆けて、4月3日に初代「ボーダーランズ」の現世代向けリマスターとなる国内ファン待望の完全版「『ボーダーランズ』ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション」の販売が開始されました。

海外市場では文字通りの現世代向けリマスターである本作ですが、オリジナルの初代「ボーダーランズ」に関する国内事情はやや趣が異なり、日本語版についてはストーリーアーク的に重要な意味を持つ第4弾DLC“Claptrapのロボット新革命”がリリースされなかったほか、最終アップデートが適用されず、到達可能な最高レベルやエンドゲームのスケーリングに制限がある状況となっていました。

という事で、今回は来る最新作の発売に向けて、初めての方には人気シリーズの入門に最適な1本であり、シリーズの熱心なファンにとってはどうあっても再訪せざるを得ない、本当の意味で国内初の完全版となる「『ボーダーランズ』ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション」の概要と新要素に焦点をあて、その重要性を改めて振り返りたいと思います。

参考:『ボーダーランズ』ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディションの吹替トレーラー

2009年10月にローンチを果たした初代「ボーダーランズ」は、それぞれに異なるスキルを持つヴォルトハンターの1人となり、エイリアンの秘宝が眠る“ヴォルト”を目指して無法地帯の惑星パンドラで暴れ回る一人称視点のシューティングRPGで、シリーズの目玉でもある夥しい数の武器や装備、個性的なビジュアルスタイル(※ 所謂トゥーン/セルレンダリングではなく、従来のグラフィックスにソーベル系のアウトラインエッジを付加的に描画する新しいアプローチの手法。余談ながら、来る最新作ではこの手法にさらなる強化が施され、プロシージャルなクロスハッチングや物理ベースレンダリング、SSSにも対応を果たす)、キワモノ揃いの一筋縄ではいかない魅力的なキャラクター達、最大4人でプレイできるCo-opマルチプレイヤー、一見カオスな印象とは異なり緻密に構築された壮大な作品世界とストーリーといった要素を特色としています。

前述のトレーラーにもある通り、本作はシューティングRPGを謳っていますが、もう少し掘り下げると、初代「ボーダーランズ」は現在一大人気ジャンルとなっているルーターシューターを広く確立させた初めての作品で(※ 同ジャンルの礎となった元祖はDiabloの父David Brevik氏とBill Roper氏が率いた悲劇の野心作“HELLGATE: London”、ブリティッシュ卿の“Tabula Rasa”もややこれに近い)、本作の成功がなければ、その後に続く“Defiance”や“Destiny”シリーズ、“Warframe”、“Tom Clancy’s The Division”シリーズ、“Anthem”といったルーターシューターの歴史は今と異なるものになっていたかもしれません。

こういった背景を持つ初代「ボーダーランズ」は、ビデオゲーム史にその名を刻む革新的かつ極めて重要な作品であり、所謂Diablo的なハック&スラッシュとシューターを融合させたルーターシューターの最もプリミティブな体験が楽しめる1本だと言えます。

そして、この重要な作品を現世代向けに復活させた「『ボーダーランズ』ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション」は、4種のDLC“Dr.Nedのゾンビアイランド”と“Mad MoxxiのUnderdomeで大暴れ”、“Knoxx将軍と秘密の武器庫”、“Claptrapのロボット新革命”を同梱し、ビジュアル面の強化や4K/60fps対応を果たした完全版リマスターとなるわけですが、このほかにも既存のプレイヤーが改めて初代を楽しむことができる以下のような改善と新要素が用意されています。

■ “『ボーダーランズ』ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション”の新要素

  • “ボーダーランズ2”スタイルのミニマップを導入
  • 同じく“ボーダーランズ2”に近いシステムのインベントリ/ショップUI改善
  • SHiFTキー機能の導入に伴う金の箱と金の鍵対応
  • ゲーム内メーカーの1つであるGearbox社製の強力な新武器6種(等級はオレンジ)を導入
  • 弾薬とゴールドの自動取得機能
  • キャラクターの頭部外観カスタマイズ
  • コンソールとPC向けのFoVスライダー(最大120)

■ 同梱されるDLC4種の概要

  • Dr. Ned のゾンビアイランド」: 企業が所有する小さな町「Jakobs Cove」に足を踏み入れ、歩く「不死者」の噂に終止符を打て! 新しいエリア、新しいミッション、新しい敵が登場!
  • Mad Moxxi の Underdome で大暴れ」: アリーナで並み居る敵を倒して、Marcus Bank のグランドオープンを祝おう。自分の名を上げられるかどうか… それは神のみぞ知る。
  • Knoxx 将軍と秘密の武器庫」: もっと『ボーダーランズ』の物語を楽しみたい?手に余るほどのアイテムをゲットしたい? このDLCで、新しい銃、ミッション、乗り物などを手に入れよう!
  • Claptrap のロボット新革命」: かつての友が新たな脅威へ! Claptrapが巻き起こす大反乱に挑む。とびきり危険な冒険へようこそ!
「Borderlands 3」
参考:オリジナル(PC英語版)のスクリーンショット
「Borderlands 3」
こちらがリマスター(PC)版のスクリーンショット、ミニマップやUIの細かな調整が確認できる
全対応プラットフォームでFoV調整可能となったのも嬉しい

これに加え、日本語版“『ボーダーランズ』ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション”については、オリジナルに含まれていなかった“Claptrapのロボット新革命”がプレイ可能となるだけでなく、前述のレベルキャップ開放(最大69)も適用され、遂に初代が完全な姿で楽しめるようになったほか、待望の日本語吹き替えにも対応しており、(相対的な要因ではあるものの)もはや1つの新作といっても過言ではないフレッシュな印象を受ける真の完全版に仕上がっています。

また、リマスターにおける日本語吹き替えの意義は極めて大きく、馴染み深いシリーズの声優陣を起用した品質の高いローカライズもさることながら、本作は戦闘が派手で忙しくもあり、プレイそのものの情報量が多いことから、吹き替えでストーリーや状況を自然に追える“『ボーダーランズ』ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション”は、日本語字幕のみだったオリジナルに比べて非常に高い没入感を維持することに成功しています。

もう1つ特筆すべき点として、前述したミニマップおよびインベントリ/ショップUIの改善に加え、続編にも登場するとある重要な女性キャラクターのデザイン的な統一、および今回の日本語吹き替え対応は、来る最新作“ボーダーランズ3”に向けて、続編“ボーダーランズ2”とストーリー的に初代と2の間を繋ぐ“ボーダーランズ プリシークエル”を1つの流れとしてプレイすることのハードルを大きく下げており、初代から違和感なくシリーズを走破できることもリマスター版の大きな魅力の1つだと言えます。

「Borderlands 3」
参考:オリジナル(PC英語版)のインベントリ、今見るとやはり煩雑に感じる
「Borderlands 3」
続編以降のUIに統一されたリマスター版のインベントリ画面
レイアウトが整理され、装備のレアリティも判別しやすく、続編に進む際も迷うことなくプレイできる

余談ながら、本編と4つのDLCをクリアし、2.5周目や底なしのトレハン、とある強力なボスの討伐まで、本作の全てを遊び尽くすには、優に数百時間を超えるプレイ時間が必要となりますが、その後控える“ボーダーランス2”と“ボーダーランズ プリシークエル”に至っては、初代をはるかに上回る膨大な量のコンテンツを擁しています。

これまで4つの作品がリリースされた「ボーダーランズ」シリーズは、ポップで暴力的、カオスかつユーモア溢れる印象とは裏腹に、群像劇的とも言える複層的なストーリーを描いているだけでなく、綿密に作り込まれたロアに基づく数多くの謎が残されており、来る最新作“ボーダーランズ3”は、その集大成的な作品として大きな注目を集めています。

当然、Gearboxは最新作の発売にあたって、過去作をプレイしていないユーザーへの配慮を十分に行っているはずですが、もちろん過去作を一通りプレイしておくことが最新作を最も美味しく頂く唯一無二の方法であることは間違いありません。

という事で、今回は最新作に向けて数百時間x3のゲームプレイを確保できない忙しい方に向けて、筆者の独断と偏見でストーリー的に抑えておいたほうがベターであろうコンテンツのラインアップをご紹介しておきます。今年最大の注目作の1つである「ボーダーランズ3」に興味がある方は、来る発売に向けて「『ボーダーランズ』ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション」から「ボーダーランズ 2」、「ボーダーランズ プリシークエル」と続く楽しい沼に最初の一歩を踏み出し、まずはそれぞれの1周クリアに挑戦してみてはいかがでしょうか。

■ “『ボーダーランズ』ゲーム・オブ・ザ・イヤー エディション”

  • 本編
  • Knoxx将軍と秘密の武器庫
  • Claptrapのロボット新革命

■ “ボーダーランズ2”

  • 本編
  • Mr. Torgueのキラー トーナメント
  • Sir Hammerlockと行くハンティング紀行
  • Tiny Tinaとドラゴンの城塞
  • ヘッドハンターズ第2章: 死闘! 腹ペコWattle Gobbler
  • ヘッドハンターズ第4章: Mad Moxxiと結婚闘争行進曲
  • ヘッドハンターズ第5章: 激闘! Sir Hammerlock対巨大蟹

■ “ボーダーランズ プリシークエル”

  • 本編
  • Claptrap のデジタルな決死圏

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