先日、EAが今後の取り組みについてビジネス的な判断を下し会議が行われると報じられ話題となった「Anthem」の抜本的なオーバーホールですが、今月22日に発売2周年を迎えた野心作の動向に注目が集まるなか、これまで“Anthem 2.0”や“Anthem NEXT”と呼ばれる刷新を率いてきたChristian Dailey氏がBioWareの公式Blogを更新。残念ながら“Anthem NEXT”のプロジェクトと開発を正式にキャンセルしたことが明らかになりました。
キャンセルに至った背景に言及したChristian Dailey氏は、新型コロナウイルスの感染拡大がリモートワークの生産性に影響を与え、当初予定していた計画を十分に達成することが出来なかったと報告。今後は次の“Dragon Age”や“Mass Effect”、“Star Wars: The Old Republic”の高品質なアップデートにスタジオのリソースを集中させる必要があると説明しています。
なお、“Anthem NEXT”の計画はキャンセルとなるものの、現行“Anthem”のライブサービスは今後も継続されるとのこと。
今回の報告に先だって報じられたEAの決定に関する言及はありませんが、多くのリード陣を失った“Anthem”の刷新を率い、フロントマンとして開発の進捗やアイデアを報告してきたChristian Dailey氏は、Anthemファンを失望させたと謝罪の言葉を述べ、Anthemを通じてBioWareに入社した自身と素晴らしい仕事を続けてきた開発チームにとっても残念な結果に終わってしまったと説明しています。
余談ながら、Christian Dailey氏はAnthemの実質的な再設計に近い刷新がアナウンスされた2020年2月から、30人程度のインキュベーションチームを率い“Anthem NEXT”の開発に取り組んでいましたが、昨年末に報じられたBioWareの再編時に、Mark Darrah氏の後任となるDragon Ageの製作総指揮に就任しており、年末以降は(詳細不明ながら)才能あるリーダーによって“Anthem NEXT”の開発が継続されると報告していました。
非常に残念な結果に終わってしまった“Anthem”ですが、製品版ローンチ時の問題と今回の刷新に関する頓挫は、単なる1プロジェクトの失敗に留まる話ではなく、スタジオ後期の成功を下支えしていた謎のBioWareマジックが最早完全に失われてしまったことを象徴しており、(個人的にこの凋落はRay Muzyka氏とGreg Zeschuk氏の引退とスタジオのレーベルの無秩序な拡大戦略から始まったと考えていますが)この流れはセダスの父David Gaider氏をはじめ、Jade Empire時代からスタジオの成功を支えたMike Laidlaw氏、スタジオの象徴的なライターDrew Karpyshyn氏、Baldur’s Gateを含む数々の名作を率いたゲームデザイナーJames Ohlen氏、Dragon AgeシリーズのプロデューサーFernando Melo氏、スタジオの後期を象徴するリーダーだったCasey Hudson氏、そして長年Dragon Ageシリーズのフロントマンを務めたMark Darrah氏といった中心人物達の退社によっていよいよ決定的になったと言えます。
この状況を覆し、現在のBioWareがかつての魔法に頼らず“Dragon Age”と“Mass Effect”の新作を十分な作品として堅実に仕上げることができるか、新体制の動向に改めて大きな期待が掛かるところです。
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