2009年に“イラク戦争をビデオゲームとして描くこと”に対する大きな議論を呼び計画が頓挫したものの、先日12年ぶりの復活を果たし話題となった新作シューター「Six Days in Fallujah」ですが、作中に描かれるイラク戦争を政治的に扱わないと掲げたスタジオのアプローチとその是非、本作が実際に描く内容そのものに注目が集まるなか、新たに本作のパブリッシャーVicturaが声明を発表。前述のアプローチを撤回し、“Six Days in Fallujah”を政治と切り離すことはできないとの見解を明らかにしました。
これは、本作がファルージャの包囲掃討作戦(イラク戦争で最も過酷だったとされる大規模な都市戦)を再現するにあたって、現地で実際に行われた戦争犯罪や残虐行為を扱わないと発表したことから、アメリカ側の一方的な描写になることや、余りにも多くの代償を払った戦争の背景を提示せずポップカルチャーとして消費することに対する懸念が改めて高まっている状況に対して、Victuraがこれを払拭するための声明を発表したもの。
We understand the events recreated in Six Days in Fallujah are inseparable from politics. pic.twitter.com/N7nkPilp1Q
— Victura (@VicturaGG) March 8, 2021
Victuraは、ファルージャにおける戦闘が政治と不可分であることを理解していると前置きした上で、“Six Days in Fallujah”の物語は、イラク戦争に対する様々な経験と意見を持つ兵士や民間人によって語られるドキュメンタリーとゲームの展開を通じて描かれると説明。ドキュメンタリーパートでは、ファルージャ戦に至った出来事の経緯や政治的な決断、その影響を含む多くの厳しい問題が語られ、ゲーム内で(議論の的でもある)白リン弾は使用できないものの、ドキュメンタリーパートはその存在や利用が描かれると明らかにしています。
また、Victuraは本作のゲームプレイがドキュメンタリーパートで描かれた文脈に基づく内容となり、ゲームが描く犠牲の物語は、現地に実際にいた海兵隊員や兵士、民間人によってのみ語られるべきだと強調しています。
発表当初の見解から(参考:過去記事)、ほぼ真逆ともいえる方向転換を提示した“Six Days in Fallujah”ですが、戦争における犠牲をどう描くか、幾つかの視点を意図して排除していないか、常軌を逸した虐殺といって相違ないファルージャでの戦いをビデオゲームとして“プレイ”することに十分な意義を与えることができるのか、今回の声明だけで判断することはできず、2021年内の発売とさらなる続報に改めて注目が集まる状況となっています。
新生“Six Days in Fallujah”は、当初の構想通り米軍海兵隊2個連隊がファルージャに侵攻した11月9日から6日間の包囲掃討作戦“夜明け”を、現地の兵士や民間人の視点から追体験するタクティカルシューターで、開発に当たって実際にファルージャでの戦闘に参加した100人を超える海兵隊員や兵士、民間人に取材を行い、現地で起こった出来事を事実に基づきリアルに再現する取り組みが報じられていました。
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