進退に注目が集まる「Activision Blizzard」のBobby Kotick氏がスタジオ売却の背景や今後の取り組みについて言及、買収完了後は辞任か

2022年1月19日 16:53 by katakori
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「Activision Blizzard」

昨晩突如報じられたMicrosoftによる「Activision Blizzard」の買収契約合意に伴い、昨年から続いているハラスメント問題の動向を含め、CEO Bobby Kotick氏の進退に注目が集まる状況となっていますが、新たにBobby Kotick氏本人がVentureBeatのインタビューに応じ、Microsoftとの契約に合意した背景について興味深い見解を明らかにしました。

なお、Bobby Kotick氏は、MicrosoftによるActivision Blizzardの買収が完了するまで(※ 完了はMicrosoftの2023会計年度内、つまり2022年7月1日から2023年6月30日までの期間)、これまで通りActivision BlizzardのCEOを継続することが既に決定していますが、買収完了後の進退については今のところMicrosoftもActivision Blizzardも明言を避け、曖昧な表現に留める状況となっています。

これについて、The Wall Street Journalを含む一部メディアは、買収完了後にBobby Kotick氏が辞任することで両社が合意していると報じていますが、The New York Timesの確認に応じたBobby Kotick氏は、買収完了後も「必要に応じて」対応すると発言しており、氏の進退については現在も不透明な状況が続いています。

今回は、Bobby Kotick氏が語った内容のハイライトをご紹介しますが、これまでもビデオゲーム産業における巨悪の象徴としてしばしばやり玉に上げられる一方で、自ら多くを語ることがなかったBobby Kotick氏が一体何を考えていたのか、なぜビデオゲーム企業として最大手の一つであるActivision Blizzardを売却する決断に至ったのか、その発言は(悪質なハラスメント問題に対する見解を含め)当然“表向き”のものですが、一部の告白には現在のビデオゲーム産業を象徴するような幾つかの非常に興味深いトピックが含まれていますので、気になる方は1度氏の発言をチェックしておいてはいかがでしょうか。

  • 買収に合意した要因と価格について:Bobby Kotick氏は、TencentやNetEase、Sony、Google、Amazon、Apple、Facebook、Microsoft、Netflixといった巨大企業の競争が激化する中で、今後数年のうちにAIや機械学習、データ分析、クラウド構築、セイバーセキュリティ関連の人材が数多く必要となる状況において、こういった専門分野の優秀な人材を確保するための競争が余りに激しく、コストが高く、ますます難しくなっている状況を重要な要素として挙げている。この課題をクリアすべく、MicrosoftのCEO Satya Nadella氏やXboxのPhil Spencer氏と数年越しで新しい取り組みついて対話を進めていたが、MicrosoftがActivision Blizzardの株価に45%のプレミアム(※ 1月14日の終値は65.39ドル、Microsoftのオファーはなんと95ドルだった)を上乗せする信じがたいオファーを持ちかけてきたことで、前述の課題を含めMicrosoftが明らかなベストパートナーだと考えるようになったとのこと。
  • 株価下落の要因:Bobby Kotick氏は、ハラスメント問題よりも「オーバーウォッチ」と「ディアブロ」の延期に加え、「Call of Duty: Vanguard」の販売が低迷していると報じられたことが大きな影響を与えたと発言。これについても前述したMicrosoftがオファーした1株95ドルの配当は株主にとってこれ以上ない素晴らしい取引だと判断したと伝えている。
  • “Activision Blizzard”は企業として小さすぎた:メタバース等を含む近年のビジネス的な競争について言及した氏は、改めて人材確保の難しさと、気付けばActivision Blizzardに専門的な技術者を確保するためのパイプラインがなかった状況を説明。一般的に“Activision Blizzard”は巨大な企業で素晴らしい人材を有する企業だと思われているものの、5,000億~3兆ドル規模の競合企業と比較した場合、これまでとは全く違う世界が見えてきたと語り、モバイル分野で色々と工夫を重ねてきたEAでさえ、必要なもの全てを得られなかっただろうと発言。こういった競争を生き残るためにはより大きなパートナーが必要だったと伝えている。
  • メタバースについて:氏は昨今より大きなキーワードとして注目を集めている“メタバース”について、以下のように発言している。「これについては、Philと私はいつも足並みを揃えてきた。メタバースとは何か?これは、ニール・スティーヴンスンが書いた“スノウ・クラッシュ”のようなビジョンではなく、プレイヤーの集合体が進化したようなビジョンだ。そしてプレイヤーこそがメタバースの特徴を定義づけるものになるだろう。これは、フランチャイズによって固定されたプレイヤーのコミュニティであり、このコミュニティは友人や他のコンテンツにアクセスできる、より巨大な仮想体験の中に位置づけられる。これからは、コンテンツの作成ツールがより大きな役割を果たし、ユーザーが作成したコンテンツが無料、もしくは商業的に利用できるようになることが、メタバースの重要な要素になるだろう」
  • Bobby Kotick氏が以前から望んでいたこと:氏は今回の買収によってActivision Blizzardに様々なチャンスが到来すると説明。具体的な例として、自身が以前から実現を望んでいたものの、様々な事情で果たせなかった3つのフランチャイズを挙げている。
    • Bobby Kotick氏は、しばらく前から新しい「Guitar Hero」を作りたかったが、製造やサプライチェーン、製造向けのQAといったチームを増やすことができず、チップ不足も大きな問題だった。次の“Guitar Hero”がどうなるのか、非常にクールなビジョンを持っていたものの、残念なことに、これを実現するためのリソースや能力がActivision Blizzardには不足していた。
    • 「Skylanders」もその一つであり、氏は自身のキャリアの中で最も大きな失望の一つとして、他者が“Skylanders”のくだらない代用品を出し、せっかく存在したフランチャイズの素晴らしい未来と市場を壊してしまったと説明。ここでも、ハードウェアや製造、サプライチェーンといった課題について、Activision Blizzardには出来ないが、Microsoftには出来ることが多く存在すると伝えている。
    • Bobby Kotick氏は、「Candy Crush」のソーシャル機能が十分ではないことに不満を感じていた。「私はCandy Crushでプレイヤー同士が対戦できるような体験をしたい。そしてプレイヤー同士が声や映像で交流できるようにしたかった」と伝えている。
  • 今後の取り組みについて:CEOとしてActivision Blizzardのビジネスを継続することが今のところの目標。買収の成立までまだ長い道のりがあり、独占禁止法の問題もあると前置きした上で、まずは事業の運営に集中し、事業の統合やスムースな移行に必要なことは何でも喜んでやると伝えている。
  • 現状とハラスメント問題について:現在も毎日出社し、職場環境の改善に注力している。企業内のハランスメントについては、これが僅か1件でも存在すれば、それだけでも多すぎると発言。皆が安心して快適に過ごせない、尊重されないような環境は絶対に避けたいと述べ、誰もが安全で歓迎され、決して孤立しない企業文化、最高の職場を作りあげることが自身の最優先事項だと強調している。
  • 買収が“Call of Duty”にもたらす利点:氏はAIや機械学習関連の技術、そしてこういった専門技術をもつ人材へのアクセスこそが最も大きな恩恵だろうと説明。長期的に見て、「Call of Duty」に真のストリーミング経験をもたらすことが決定的に重要な変化になるだろうと伝えている。
情報元及びイメージ:VentureBeat

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