先日スタートした当サイトの「サウスパーク:スノーデイ!」解説の第1弾記事にて、海外メディアや原作ファンにおける本作の大まかな評価や作品の概要、国内で原作アニメを視聴するのが困難な近年の特殊な状況等を踏まえながら、「サウスパーク:スノーデイ!」のゲームプレイに関する様々なディテールをご紹介しました。
3回に渡ってお届けする「サウスパーク:スノーデイ!」解説は、一見シンプルながらも、“サウスパーク”という途方もなく巨大な作品において、少々説明を要する本作の魅力と文脈を詳らかにするという主旨の特集で、初回はその下準備を行いました。
今回の第2弾特集は、「サウスパーク:スノーデイ!」のストーリーキャンペーン解説に向けて、大雪の休校日と子供たちの大冒険を満喫するための、簡単な「サウスパーク」入門をお届けします。
初回の解説でもご紹介した通り、「サウスパーク:スノーデイ!」は単独で楽しめる作品として作られている一方で、アニメシリーズの一部エピソードやビデオゲームの旧作を過去の出来事として踏襲した新作で、少なからずアニメや過去作の概要を知っておいたほうが味わい深いため、まずは25年以上の歴史を持つ超人気アニメ「サウスパーク」がどういった作品なのか、その概要をざっと振り返ってみましょう。
クリエイターのマット・ストーンとトレイ・パーカーが制作を手がける「サウスパーク」は、1997年8月にコメディ・セントラルで放送がスタートし、今なおシーズン展開が続いている長寿アニメシリーズ。昨年2月から3月末に掛けて最新のシーズン26が放送されたほか、昨年後半には2本のTVスペシャルも配信され、総エピソード数が327本に達する世界的な人気アニメとして広く知られています。
コロラド州パーク郡に存在する小さな架空の町“サウスパーク”を舞台に、子供たち(主に小学3年生と4年生)の視点を通じて、アメリカ社会における経済格差や貧困、構造的差別、人種問題、政治、宗教、戦争、歴史、人権と公民権、ポップカルチャー、セレブたち、権力者、セクシャリティ、性とセックス、文化的慣習、折々の流行に至るまで、あらゆるものを冒涜的な描写で挑発し、右から左、上から下まで、全ての側面と関係者を容赦なく串刺しにして自爆するような社会風刺をユーモラスに描くブラックコメディ作品として高く評価され、プライムタイム・エミー賞を5度受賞しています。
また、1999年に公開された劇場映画“South Park: Bigger, Longer & Uncut”(邦題:サウスパーク/無修正映画版)は、大人向けのミュージカルコメディとして制作され、検閲や伝統的な数々のミュージカル、アメリカ映画協会を徹底的にこき下ろし、風刺と呼ぶには生やさしい、むしろ鈍器で殴打するような勢いで全てを攻撃したものの、各方面で絶賛され、同年の第72回アカデミー賞(オリジナル歌曲賞部門)にもノミネートを果たしました。
一般的に知られている“サウスパーク”の作風は前述した通りですが、有名人や著名な企業、政治家、カルトを含む宗教的タブー、時事問題等に対する訴訟ぎりぎり(では済まないこともしばしば)の嘲笑や揶揄、攻撃は余りにも過激で、当然全ての視聴者に受け入れられるはずもなく、本作そのものが社会現象となってしまうケースや、ときには悪夢的に描かれた出来事がまるで予言のように現実とシンクロする事象も多くあり、にべもない言い方ですが“サウスパーク”を見ておけば、その時々の社会問題やトレンド、ゴシップをダイジェスト的に手早く知ることができるということも他にない魅力の一つだと言えるでしょう。(※ “サウスパーク”が扱うトピックや時事問題の驚異的な新鮮さは、エピソードの放送が始まる僅か1週間前に脚本を執筆する制作スタイルによるもの)
■ 「サウスパーク」のビジネス的な成功について
「サウスパーク」は、その過激な反社会的アティチュードとは裏腹に、世界で最もビジネス的に成功している巨大IPとしての側面も知られています。
1997年の放送開始以来、ケーブルテレビチャンネル“コメディ・セントラル”の加入者を大幅に増加させ、歴史的な視聴記録を次々と更新した「サウスパーク」のストリーミング権を巡り、大手メディア企業が熾烈な競争を繰り広げ、2020年6月には、HBOの親会社であるWarner Bros. Discoveryが5億ドル(およそ773億円)規模で既存の23シーズン分エピソードと新規制作の30エピソード分を含む“サウスパーク”の独占ストリーミング権を獲得。
しかし、2021年8月にはMTVやコメディ・セントラルの親会社であるViacomCBS(現Paramount Global)が2027年までの約6年間で14本の長編特別エピソードとシーズン30までの制作を含む9億ドル(およそ1,392億)規模の契約を新たに締結。Warner Bros. Discoveryが前述の契約に損害を与えたとしてParamountを提訴するなど、独占ストリーミング権の獲得を巡る激しい争いが繰り広げられていました。(※ WBDとParamountの裁判については、昨年11月にニューヨーク州裁判所がWBD側に不利な判決で訴えを退けている)
余談ながら、本作の9億ドルに及ぶ取引は、テレビ業界史上最大規模とされる契約の一つとして知られており、こういったビジネス面の軌跡もまた「サウスパーク」がいかに巨大なIPであるのかを如実に示していると言えます。
アニメ“サウスパーク”には、一般家庭の市民から実名の著名人、政治家、宇宙人、故人、神や悪魔、歴史上の人物、ウンチ、タオル、UMAに至るまで、膨大な数のキャラクターたちが登場し、目も当てられないような騒動を引き起こすのですが、深追いするとキリがないので、今回は「サウスパーク:スノーデイ!」の物語を駆動する5人の主要キャラクターに焦点を絞って、その大まかな人物像をご紹介します。
なお、紹介の一部には、海外公式サイトで視聴可能な関連エピソード(※ 英語版)へのリンクを用意してありますので、興味があるかたは是非解説と併せてチェックしてみてください。
■ エリック・カートマン
サウスパークきってのトラブルメーカー。肥満児(本人は骨太を主張)で自己中心的、怠惰で卑怯者、他者を道具としか考えていないマキャベリストで、ユダヤ人を目の敵にする人種差別主義者、性差別者でもあり、良心や共感を持たない邪悪そのものと言っても過言ではないクズ中のクズ。しかし、ナイーブな面もあって、どこか憎めない、サウスパークを象徴するポップアイコンであり、圧倒的な人気を誇るキャラクター。
ナチスやKKK、ぬいぐるみ、ケンタッキーフライドチキン、金と権力が大好きで、親友はバターズとケニー。ヒトラーやメル・ギブソンを盲目的に崇拝する一方で、ジンジャーやヒッピー、ユダヤ人が大嫌い。(※ カイルとの喧嘩は楽しんでいる)
途方もない間抜けとして描かれることが多い一方で、人心掌握や奸計に長け、スペイン語やドイツ語に堪能なマルチリンガルでもある。
■ スタン・マーシュ
4人の中では平凡な少年として位置づけられている。口はかなり悪いが、冷静な視点や理性的な心、正直で誠実な人物として描かれ、少々行きすぎた動物愛護精神と豊かな感受性を持ち、4人のまとめ役となることが多い。
カートマンと並ぶ“サウスパーク”随一の愛すべきダメ人間ランディ・マーシュが父で、しばしばトラブルに巻き込まれる。
カイルとは大の親友で、ウェンディというガールフレンドもいるが、親密なシーンになると緊張ですぐに吐いてしまう。
■ カイル・ブロフロスキー
主要キャラクターの中で唯一のユダヤ系アメリカ人。天然パーマの赤毛を気にして就寝中でさえ被っているグリーンのロシア帽がトレードマーク。
ユダヤ教徒だが、宗教全般に対して複雑な感情を抱いていて、作中でユダヤ教やクリスマス、ハヌカ等が描かれるたびに振り回される。
幼なじみのスタンは唯一無二の親友だが、ことある毎にユダヤ人に対する侮蔑的な発言を行うカートマンとは犬猿の仲で、しばしば衝突する。
カイルは非常に聡明な子供で、強い信念と正義感、優れた道徳心を持っている一方で、年齢的に社会通念やユダヤ文化の伝統を深く理解しているわけではないことから、物事を学び、成長する人物として描かれることが多い。
こういった背景から、シリーズの初期では、めちゃくちゃな展開の最後にカイルの独白を用意し、なんとなくいい話風にまとめたり、学びや気付きを吐露することでテーマをまとめ無理矢理着地させることが定番のオチだった。
■ ケニー・マコーミック
口元が隠れるオレンジ色のパーカー姿がトレードマークの人気キャラクター。パーカーのせいで声がかき消され、具体的に何を言っているのか判別できないが、実際はとてつもなく下品でエロいことばかり喋っていることで知られている。
また、シーズン1の第1話からほぼ毎回死亡し、その後何事もなく復活する不死の存在でもあり、シリーズ全体で120回近く死亡しているが、シーズン5で本当の死を迎え、一時は不在だったものの、その後とんでもない方法で再び復活。シーズン7以降はめっきり死亡回数が減っている。
両親は共にアルコール・薬物中毒のジャンキーで、僅かな金を全てマリファナやクラックに費やす貧困家庭で育っていることから、前述の死にネタと限界貧乏いじりが定番化していた。
エロの権化や金の亡者、ジャンキー、冒涜的な存在として描かれる一方で、実際は非常に聡明で友達思いの優しい英雄的人物でもある。
次世代ゲーム機ウォーズを描いた“ブラックフライデー”三部作では、SONYを護る可愛いプリンセス・ケニーとなって人気を博した。「サウスパーク:スノーデイ!」にはプリンセスとして登場している。
■ ミスター・ハンキー
クリスマスになると現れ、人々を楽しませたり楽しませなかったりする“ウンチ”の妖精。強力なウンチ魔法を使いこなす偉大なウィザードでもある。(これはいわゆる変性術系の魔法で、糞便をこね回して巨大な津波や実際に搭乗可能な糞便ビークルまで作り出すことができる)
ミスター・ハンキーはシーズン1から定期的に登場し、その年のホリデーシーズンを商業的に盛り上げる人気キャラクターで、3人の子供と妻と共にサウスパークの下水道で暮らしている。
最初期はカイルだけに見える妄想の一種かと思われていたが、実際は信じるものだけがその声を聞き、姿を見ることができる魔法の存在であり、それ以外の人間にはただの大便にしか見えないため、ウンチを手に遊んでいるように見えたカイルは精神病院に幽閉されてしまう。しかし、シェフの活躍によって小学校の皆に知覚され、その後全米にその存在が知れ渡ることになった。
ミスター・ハンキーは、クリスマスの喜びを体現する存在として、陽気で前向き、献身的な、気立ての良い妖精として振る舞い、サウスパークのクリスマスイベントに欠かせない大使となったが、その内側には暴力的な攻撃性や家族を虐待するような暗い加害性が潜んでいて、彼自身もこれに苦しめられることになる。
この怒りをコントロールするために服用を始めた睡眠薬の副作用により、ミスター・ハンキーは取り返しのつかない騒動を引き起こし、子供たちと築き上げた友情も失い、市民のキャンセル運動によってサウスパークを追われるのだった。(参考エピソード:シーズン1 – エピソード9“Mr. Hankey, the Christmas Poo”[邦題:おしゃべりウンチのMr.ハンキー]、シーズン22 – エピソード3“The Problem With a Poo”[邦題:Mr.ハンキーにまつわる問題])
■ 参考:近年の代表的なエピソードについて
ここまで、アニメ「サウスパーク」の簡単な概要と主人公4人の人物像をご紹介してきましたが、ここ数年は(海外公式サイトの英語版を除き)国内で現行のシーズンやエピソード、一部過去シーズン等を視聴するのが困難な状況が続いているばかりか、海外で2021年に放送が始まったスペシャルエピソードについても同様の状況であることから、「サウスパーク:スノーデイ!」のキャンペーンをご紹介する前に、参考として最近の作風や暴れっぷりが分かる象徴的なエピソードを1つご紹介しておきたいと思います。
これは、昨年10月27日にParamount+で公開されたスペシャルエピソード「South Park: Joining the Panderverse」のトレーラーで、前述した9億ドルの契約に含まれる5つ目の長編スペシャルです。
このエピソードは、ある日突如として黒人やラテン系、インド系、アジア系の(いわゆる多様性に配慮した)女性として成長した別ユニバースのカートマンたち4人が出現し、別ユニバースのディズニーが万人を(つまり、多様性を重んじるリベラルからこれを嫌う保守層まで同時に)喜ばせる映画の自動生成AI構築を目論む計画を軸に、MCUフェーズ4以降のマーベル作品を想起させるような大冒険を描く長編として、非常に高い評価を獲得しました。
本作は、とかく議論を呼びがちなディズニーの多様性に対する近年の取り組みやマーベルのマルチバース展開をモチーフに、保守層からしばしばウォーク(Woke)と揶揄される多様性や政治的な正しさ、サステナブルな取り組みと、これを激しく非難するアンチウォークの両方を容赦なく串刺しにしつつ、家父長制の問題、AIの台頭や技術革新によって多くの仕事が奪われる近年の労使・雇用問題までカバーし、現実的に達成不可能と思われる目標や理想、共存に対して、(トレーラーにおけるカートマンの狼狽ぶりを見れば分かる通り)強烈な個人攻撃を繰り広げながらバランスの重要性を解くというもの。(注:あくまで“サウスパーク”が描いている内容の説明で、当サイトの意見や見解を示すものではありません)
“South Park: Joining the Panderverse”は、近年のサウスパークにおける傑作の一つとして各方面で話題となり、文化的なトピックを通じてあらゆる方向に中指を立て喧嘩を売る「サウスパーク」の精神性とアティチュードが現在も健在であることを強く示しました。
余談ながら、トレーラーにも描かれている通り、このスペシャルエピソードに登場するカートマンたちは、皆「バルダーズ・ゲート3」を楽しんでいるのですが、マルチバース設定のせいで50時間プレイした元の世界のセーブデータが読み込めず、ニューゲームするしかないと絶望する多様性カートマンに対し、スタンが“PCとPS5のあいだでさえクロスできないのに、なんでユニバースを超えられると思った?”と突っ込むギャグが描かれていました。
ただ、実際の「バルダーズ・ゲート3」はPCとPS5間のクロスセーブに対応しているため、Larian Studiosがこの件に言及。マルチバースの壁を越えることはできないけども、PCとPS5間のクロスセーブには対応しているよ!と説明し各所で話題になりました。
ここでは制作側のうっかりミスが話題となったわけですが、当のPS5版BG3は9月上旬に発売されたばかりで、本格的な50分スペシャルの制作スケジュールを考慮すれば、このギャグ(実際はこのギャグだけに留まらず、BG3がマルチバース展開の重要な役割を担う)は流行のトピックをキャッチする「サウスパーク」の驚異的なスピードを分かりやすく示す興味深いケースだと言えるのではないでしょうか。
Hello @SouthPark
While Baldur’s Gate 3 saves can’t cross multiversal barriers, we can confirm they do actually transfer between PC and PS5!
https://t.co/yR5YQrLwcf— Larian Studios (@larianstudios) October 27, 2023
「サウスパーク:スノーデイ!」には、大魔法使いのカートマンやハイエルフの王カイル、可愛いプリンセス・ケニー、レンジャー/戦士のスタン・マーシュウォーカー、吟遊詩人のジミー、パラディンのバターズなど、それぞれが伝統的なファンタジーRPG/LARP系のキャラクターになりきって、突如降って湧いた休校日を楽しむ子供たちが多く登場するほか、カートマン家の裏庭に用意されたハブエリアには“クーパ・キープ”と呼ばれる固有の名称まで用意されていますが、ゲーム内で彼らがこの扮装やごっこ遊びを楽しんでいる背景について、具体的な説明は行われません。
日頃から「サウスパーク」のエピソードに触れている海外ファンにとっては非常に馴染み深い設定であるため、ご存じ○○で済む部分について、冗長な説明は不要というのが実情だと言えますが、国内で熱心にシリーズを追いかけていない場合、ここだけに限らず、多くの設定や背景、ディテールがいま一つ分からんという方も少なくないかもしれません。
このLARP設定は意外に歴史が古く、彼らが初めて登場したのは2002年11月に放送されたアニメのシーズン6-エピソード13「The Return of the Fellowship of the Ring to the Two Towers」(邦題:18禁ロード・オブ・ザ・ビデオ)でした。
「The Return of the Fellowship of the Ring to the Two Towers」は、指輪物語の原題3種をごちゃ混ぜにした名称からも分かる通り、2001年に公開され世界的な話題となっていた映画“ロード・オブ・ザ・リング”の酷いパロディ。主なプロットは、ロード・オブ・ザ・リングごっこに夢中なカートマンとカイル、スタンが、ランディからバターズの家に映画“ロード・オブ・ザ・リング”のDVDを届けるお使いを頼まれ、冒険の旅にでたものの、DVDの中身はランディがレンタル屋で映画と一緒に借りてきた超ハードコアなド変態AVだった……というもの。
このエピソードでは、このハードコアAVを指輪/いとしいしとに見立て、その中身を知る6年生たちやAVに魅せられたバターズとの熾烈な奪い合い、さらにはエルロンドの会議を模した評議会の開催、滅びの山と指輪の破壊をモチーフに描くAVの返却を描きながら、英雄的な指輪物語ごっこを満喫する子供たちと、幼い彼らに対する性の説明に(件のAVが余りに酷すぎて)四苦八苦する大人たちが描かれました。
■ Obsidian Entertainmentが開発した「South Park: The Stick of Truth」の登場
2002年の段階で既にカートマンが現在の魔法使いと同じ衣装で登場していたこの設定は、その後2014年3月に発売され人気を博したObsidian Entertainmentの傑作「South Park: The Stick of Truth」でさらに拡張され、カートマン率いる人間の王国“キングダム・オブ・クーパ・キープ”(略してKKK)と、カイル率いるエルフたちに分かれる二大勢力の対立構造が生まれました。
彼らは全宇宙の支配さえ可能なアーティファクト“真実の杖”を巡って争い、とんでもない事件に巻き込まれていくのですが、この“The Stick of Truth”によって、プリンセス・ケニーやハイエルフの王カイルなど、「サウスパーク:スノーデイ!」にも登場するキャラクターたちのより詳細な設定が出来上がったのです。
さらに、「South Park: The Stick of Truth」の発売を控える2013年末には、3週に渡って前述の設定をベースに描く壮大な“ゲーム・オブ・スローンズ”パロディ「Black Friday」(シーズン17 – エピソード7、邦題:ブラック・フライデー)と「A Song of Ass and Fire」(シーズン17 – エピソード8、邦題:尻と炎の歌)、「Titties and Dragons」(シーズン17 – エピソード8、邦題:パイオツとドラゴン)が放送。
この三部作は、まさにこの放送期間中に発売を迎えようとしていた新世代機PlayStation 4(北米は2013年11月15日)とXbox One(北米を含む主要地域で2013年11月22日)の覇権争いと子供たちの分断、当時ますます過熱していたブラックフライデーセールをモチーフに、“ゲーム・オブ・スローンズ”ばりの裏切りや血で血を洗うSonyとMicrosoftの熾烈な戦い、悪名高いレッド・ウェディング級の惨劇と陰謀、CEO同士の命をかけた残虐な決闘、ジョージ・R・R・マーティンを襲う悲劇、夥しい数の死を通じて、争いの虚しさを描き、世界中のゲーマーを爆笑させました。
三部作の放送と“South Park: The Stick of Truth”の発売に伴い、大人気となったプリンセス・ケニーを含むLARP設定のキャラクターたちはより強固な存在となり、その後もビデオゲーム“South Park: The Fractured but Whole”や“South Park: Phone Destroyer”に登場。「サウスパーク:スノーデイ!」は、こういった一連の出来事が実際に起こったその後の物語として描かれ、子供たちによって過去の顛末が語られる場面も用意されています。
ちなみに「サウスパーク:スノーデイ!」の主人公はサウスパークに越してきた“新入り”ですが、これは“South Park: The Stick of Truth”以来の伝統で、2017年の続編“South Park: The Fractured but Whole”とモバイルゲーム“South Park: Phone Destroyer”の何れも、主人公は全て“新入り”となっています。
ということで、これらの情報と作品の歴史をもとに「サウスパーク:スノーデイ!」のストーリーキャンペーンを掘り下げるわけですが、本作のストーリーはここまであれこれとご紹介してきた「サウスパーク」の過激でアナーキーな、とがりまくった魅力、“じゃない方”を追求するアプローチを取っていて、2つの優れた超過激な過去作や近年のアニメシリーズに顕著な社会風刺を期待すると、“思ってたのと違う”という印象を受けかねません。
次回の解説は、この“じゃない方”がどういうものなのか、そしてこのアプローチが「サウスパーク」作品にとってどう重要なのか、今回まとめた広く一般的な“サウスパーク”の認識と印象をもう一段階掘り下げて、アメリカ社会における“サウスパーク”の位置づけを整理した上で、「サウスパーク:スノーデイ!」のストーリーキャンペーンが持つ魅力をご紹介しますのでお楽しみに!
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