先日の“Night City Wire”エピソード5にて、幾つかの新トレーラーを含む多数のゲームプレイ映像がお披露目された期待作「サイバーパンク2077」ですが、新たに今回公開された幾つかの映像から、(Vの単なる相棒ではなく)“もう1人の主人公”と呼ばれる重要人物ジョニー・シルヴァーハンドが本作の新たなプレイアブルキャラクターではないかとの噂が浮上し話題となっています。
これは、ジョニー・シルヴァーハンドのトレーラーとキアヌ・リーブスがジョニーについて語るメイキング映像、最新のゲームプレイトレーラーに、ジョニーの一人称視点を示すシーンが多数存在していることから注目を集めているもの。今のところ真偽の程は不明ですが、一部はプレイヤーが操作しているように見えるシーンもあり、来る発売に大きな期待が掛かる状況となっています。
ジョニーの一人称視点については、今年8月に放送された“Night City Wire”エピソード2の時点で、ジョニーの視点から見たSAMURAIのライブやケリー・ユーロダインの姿が僅かに存在していたことから、率直に言えばプレイアブルなシーンが僅かに存在したとしても、それ自体が大きな驚きやトピックとは言えません。
やはり問題は、ジョニー・シルヴァーハンドの視点で“何を”描くのか、その一点に集約されるのではないでしょうか。
という事で、今回は原作ファン(もしくは予習がお好きな方)向けに幾つか気になるシーンのディテールと、そこから浮かび上がる幾つかの情報をまとめてご紹介します。なお、今回の記事には、何れも未確定の情報ながら幾つか軽微なネタバレが含まれる可能性がありますので、気になる方はここで閲覧を止めるようお薦めします。
まず、今年8月の短い一人称視点フッテージと今回の映像を比較して決定的に異なる点は、端的にジョニーを象徴するフルクロームのサイバーアームがプレイヤー視点の腕/手として数多く登場することにあります。
ジョニーのサイバーアーム(左腕)と一部右手のタトゥーが確認できるシーンは、何れも非常に短く散発的ですが、同一シーンと思われる細かなフッテージを幾つかまとめて分類すると、概ね以下のような内容を描いていると考えられます。
■ ジョニー・シルヴァーハンドが一人称視点で登場する主要なシーンと概要
- 恋人と思われるブロンドの女性とベッドを共にするジョニー
- 路地裏で恋人と喧嘩しているように見えるジョニー
- 両手をブレードで武装したモヒカンのパンクスに襲われ、路地裏で倒れ込むジョニー
- SAMURAIのメンバーである盟友ケリー・ユーロダインに(覚悟を決めろというような雰囲気で)文句を言うジョニー
- 大勢の観客の前で行われるSAMURAIの派手なライブ(ここはジョニーの一人称視点とカットシーン的なカメラ映像の両方が存在)
- 若い頃のローグらしき女性とミリテクのヘリに乗り込み、ナイトシティの上空を飛行するジョニー
- 若い頃のローグらしき女性がヘリの前で倒れたジョニーの手を取るシーン
- ※ 今回のトレーラーには、ローグと同乗した飛行中のビークルが撃墜されるシーンが存在しており、前述の2シーンと関係しているように見えるが、このシーンの視点はVのもので、ローグも2077年の姿であることが確認できる(※ 2077におけるローグの姿は“The World of Cyberpunk 2077”にて確認可能)
- サムライの練習らしきセッション、前述の派手なライブとは場所が異なる
- バッグに詰め込んだ爆発物を確認するジョニー
- ライブハウス?らしき場所で謎の男を壁際に追い詰めるジョニー
- アラサカの施設前で発煙筒を手にするジョニー、そしてジョニーに扇動され暴徒と化すロッカー達
- アラサカの施設にモロトフを投げ込むロッカー、ロッカー達を制圧するアラサカ兵
- 爆風を受け、木造の廊下から日本庭園風の中庭に落下するジョニー
- 落下したジョニーを襲う謎の兵士、そして銃で応戦するジョニー
- 気になる点として、ここに挙げた一人称視点のほとんどは実際の肉体やサイバーアームであるように見えるが、幾つかのシーンでジョニーのサイバーアームが半透明に見える箇所が存在している
これらのシーンが何を示しているのか、今のところ具体的な言及はなく詳細は一切不明ですが、今回の映像には原作“Cyberpunk”シリーズにて描かれたジョニー・シルヴァーハンドの過去をはっきりと示す象徴的なシーンが幾つも含まれています。
仮に、ジョニーとベッドを共にする女性がオルト・カニンガムで、ジョニーを襲う(パンクスではない方の)敵がアダム・スマッシャーだとすれば、これはまさしくオリジナルのアドベンチャー“Never Fade Away”と“Hot War”の再現にほかならず、CD PROJEKT REDが原作を知らないプレイヤーに対して、これまでの経緯を十分に知ることができるよう、何らかの方法でジョニーの過去パートを用意しているように見受けられます。
なお、件の“Never Fade Away”と“Hot War”については、ここで軽く紹介するよりも、関連書籍を含む日本語版“サイバーパンク2.0.2.0.”の監修や翻訳、編集等に深く携わった楯野恒雪氏による最高の解説記事(海外でもこれほど見事にまとめられたものは見たことがありません)が4Gamer.netに掲載されていますので、予習好きで未読の方は発売までに何度も読みこんでおくことを強くお勧めします。
ジョニーがプレイアブルな存在かどうかはさておき、前述の様々なシーンは、“Never Fade Away”の冒頭から“Hot War”の終盤に至るまで、文字通り全体の流れをカバーしています。ジョニー・シルヴァーハンドを巡るこれらの出来事は、88年に発売された初代“Cyberpunk”から90年の“Cyberpunk 2020”、そして当初は3部作となる予定だった97年発売の“Firestorm”シリーズに至るまで、10年近く掛けて構築された“Cyberpunk”シリーズの最も重要かつ壮大なストーリーアークそのものであり、これを単なるロアとして提示するのではなく、ゲーム内の体験として実際に描くということであれば、CD PROJEKT REDがジョニー・シルヴァーハンドを“もう1人の主人公”と呼ぶ理由と根拠も十二分に理解できます。
余談ながら、この他にも幾つか気になる点があり、前述の憶測が事実であれば、ポルシェとのコラボが単なるプロモーション的な賑やかしではなく、ポルシェがジョニーの愛車として登場した“Never Fade Away”の再現に必要な取り組みだった可能性が浮上します。さらに、TRPGシリーズの最新作「Cyberpunk RED」には、最新版の“Never Fade Away”が収録されており、オリジナルとは全く異なる“サイバーパンク2077”デザインのジョニーが登場しているほか、SAMURAIの代表曲“Chippin’ In”の歌詞が“サイバーパンク2077”版の歌詞に置きかえられ(つまり、Refusedによる“Chippin’ In”は、ポルシェと同じく単なる原作オマージュではなく、ストーリー上どうしても必要な要素だったと考えられる)、ジョニーの愛銃や一部固有名詞の表記が変わるなど、非常に細かな修正が多数施されており、来る“サイバーパンク2077”に向けてブラッシュアップを図ったような印象さえ受けます。
また、“Cyberpunk RED”には、恐らく“サイバーパンク2077”に深く関わるであろう幾つかの仕込みとサプライズが用意されており、R. Talsorianと密接に連携したCD PROJEKT REDが、“サイバーパンク2077”上でオリジナルのサーガをどう描くのか、その手法や規模を含め来る発売に改めて大きな期待が掛かるところです。
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