先日から期待作「Subnautica 2」と開発スタジオ「Unknown Worlds Entertainment」、2021年10月末にスタジオを買収した親会社「KRAFTON」を巡るトラブルの話題をご紹介していますが、遂にオリジナルのクリエイターたちが「KRAFTON」を提訴する事態に発展した騒動と「Subnautica 2」への影響に注目が集まるなか、新たにBloombergのJason Schreier氏が一連の騒動の最新情報として、“Unknown Worlds”の元共同創設者が用意した訴状の一部を報じ注目を集めています。
“Unknown Worlds Entertainment”を設立したNatural SelectionとSubnauticaのオリジナルクリエイターCharlie Cleveland氏と元CTO Max McGuire氏、元社長/CEO Ted Gill氏が共同で“KRAFTON”を提訴する訴状の写しを入手したJason Schreier氏によると、元経営陣3人は“KRAFTON”が2億5,000万ドルのボーナス支払いを避けるために「Subnautica 2」の開発を妨害したと説明しており、“KRAFTON”側の契約不履行による損害賠償を求める訴状を7月10日付けで提出したとのこと。
また、この訴状について、前述した元経営陣/クリエイターによる主張の一部が以下のように報じられています。
- 2025年初頭まで、Unknown Worlds EntertainmentとKRAFTONの関係は良好だったが、最大2億5,000万ドルのアーンアウト(※ KRAFTONがUnknown Worldsを買収した際、Unknown Worldsの業績に応じて2026年に支払われるよう取り決められていたボーナス)が満額で支払いとなるUnknown Worldsの収益予測を提示したことで、関係が悪化。この支払いを回避するために、KRAFTONが“Subnautica 2”の発売を遅らせようと試みた。
- KRAFTON側がUnknown Worldsの経営陣3人を解雇する直前、KRAFTONはより低い金額のボーナス支払いを提示していた。
- Unknown Worldsの経営陣3人は、前述のアーンアウトについて、買収時に在籍していた従業員約40名だけでなく、その後に入社した従業員へのボーナス支払いを検討していたものの、KRAFTONがUnknown Worldsの収益予測とアーンアウトの支払額を評価する過程で状況が一変。満額の支払いを回避するための圧力として、社内の“Subnautica 2”レビューを通じて、開発の遅れや品質不足を強調しはじめた。
- 今年5月から6月には、KRAFTONがマーケティングやローカライズ、ベンダーへの支払いを含むパブリッシング業務を一時的に停止し、今夏を想定していた“Subnautica 2”の早期アクセスローンチに向けたサポートを拒否。KRAFTONが連絡にも応じなかったため、夏のリリースに向けて非常に重要なプロモーション機会を逃す結果となった。訴状には、この後KRAFTONのとある幹部がTed Gill社長に伝えた言葉として、(前述のパブリッシング業務を含む)「リソースの引き上げはKRAFTONがアーンアウトの支払いを回避するために許容される方法だ」という発言が記されている。
- こういった経緯を経て、6月中に両者の関係がさらに悪化。KRAFTONはより低い金額のアーンアウトを受け入れるよう経営陣に求め、彼らが“託された責任を果たしておらず”、「Subnautica 2」の進捗と仕上りが“遅々として、期待外れ”だと非難している。
- 7月1日付けでKRAFTONが3人を解雇。KRAFTONは、新たなアーンアウト協定の期間を来年まで延長し、Unknown Worldsが収益目標を達成すれば、当初の10分の1にあたる2,500万ドルのボーナスを支払うと告知している。
- Unknown Worldsの元経営陣とKRAFTONの間にある主な争点の1つは、「Subnautica 2」の早期アクセス版が今年リリースできる状態にあったかどうかだが、Bloombergが入手したKRAFTONのプレゼンテーション資料には、社内テスターのコメントとして、「Subnautica 2」のコンテンツ不足に加え、革新性が足りないという見解が掲載されていた。
- 一方で、元経営陣3人が用意した訴状には、数百人のユーザーがリリース前のテストに参加し、高い評価を得て、ゲームの高い期待に応える準備が出来ていることを確認したと記されている。
- Bloombergの確認に応じた匿名のUnknown Worlds開発者や同じく匿名の外部関係者たち、さらに本作に関係する別スタジオの匿名開発者は、何れもゲームが良好な状態にあると発言しており、ゲームを大いに楽しみ、他の早期アクセスゲームよりも遥かに堅牢な仕上りだったと説明している。
- 今回の件におけるKRAFTON側の主張には、オリジナルのクリエイターであるCharlie Cleveland氏とMax McGuire氏が「Subnautica 2」の開発に十分関与していない内容が含まれ、既存の声明でも職務を怠ったと非難されている。今回の訴状にはこの件についても言及があり、Charlie Cleveland氏は「Subnautica 2」への関与が減り、新たな取り組みとして「Subnautica」の映画化に注力していたことを認めている(※ 先日ご紹介したAbyssal Filmsの未発表プロジェクトは、やはり“Subnautica”映画だった模様)。ただし、この映画化はKRAFTON側がUnknown Worldsに依頼した計画だったとのこと。
これらの内容は、あくまで“Unknown Worlds Entertainment”の元経営陣3人による主張であり、KRAFTON側の見解や真偽の程は不明ですが、裁判を通じてどの程度の事実確認が行われるか、騒動のさらなる動向と不運な事態に巻き込まれてしまった期待作「Subnautica 2」の仕上りに改めて大きな注目が集まるところです。
Here's the latest on the Subnautica 2 drama:- Krafton has agreed to extend the bonus earnout period for Unknown Worlds employees to account for the delay- The founders have filed a lawsuit for breach of contract- Complaint is still sealed (but more to come soon)www.bloomberg.com/news/article…
— Jason Schreier (@jasonschreier.bsky.social) 2025年7月16日 4:58
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