2007年の設立以降、Deus Ex: Human Revolutionで名作のリブートを見事成功させ、現在は新生Thiefの開発を手掛ける「Eidos Montreal」ですが、今年6月下旬にスクウェア・エニックス海外スタジオの大規模な再編に際し、Deus Exのプロデューサーを務めたDavid Anfossi氏が“Eidos Montreal”の新たなスタジオヘッドに就任したことが発表され、動向に注目が集まっていた元Eidos Montrealの共同設立者でスタジオヘッドでもあったStephance D’Astous氏が先週の金曜にスクウェア・エニックスを退社していたことが明らかになりました。
これは昨晩Developが報じ、その後Polygonが氏のインタビューを公開したことから明らかになったもので、スタジオの立役者であるD’Astous氏は自身の退職が、予てからスクウェア・エニックス自身も業績不振の一因として挙げていた“Tomb Raider”や“Hitman: Absolution”、“Sleeping Dogs”といった優れた作品のセールスに起因する氏とスクウェア・エニックス間の不和によるものであることを明かし、スクウェア・エニックスがゲームの品質をセールスに結び付けず、本来ホームランシーズンであったはずの1年を無駄に終えたとの見解を提示。スクウェア・エニックスは自身のゲームを販売する方法について学習する必要があると批判しています。
さらに氏は、Square Enix EuropeのCEO Phil Rogers氏の存在を示唆した上で、スクウェア・エニックスがリーダーシップと勇気、コミュニケーションが欠けていると指摘し、業務を正確にリードできない状況になっていたと説明。本社からの情報伝達の遅さや長期計画にシニアスタッフを起用しない編成等に問題があったと当時の状況をふり返りました。
なお、“Eidos Montreal”が現在開発を進めている新生“Thief”については、新しいチームとプロデューサーが危機を脱し、現在も引き続き良い開発を進めているとアピールし、長年に渡って取り組んできた新生“Thief”のリリースに立ち会えないことが最も大きな後悔の1つだと、コンテンツ開発側に問題が発生していないことを強調しています。
今年6月には、北米とヨーロッパの傘下スタジオを統括するスタジオヘッドにCrystal DynamicsのボスDarrell Gallagher氏を充て、再編を進めているスクウェア・エニックスですが、今回D’Astous氏が提示したビジネス的な問題が表出することなく再建を進めることが出来るか、今後の動向に改めて注目が集まるところです。
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