先日、“Youtube E3 Live”に出演したTodd Howard氏がGeoff Keighley氏の質問に答え、さらりとその存在を明らかにした「The Elder Scrolls VI」ですが、先日もご紹介した通り、最新作の登場ははるか数年先の話で、現在Bethesda Game Studiosは“Fallout 4”のDLC開発と、TES6の前に登場する大規模な未発表新作2本の開発に注力しています。
Todd Howard氏の“The Elder Scrolls VI”に関する発言がファンの間でやや前のめり気味に一人歩きする一方で、件のやりとりが放送された当日からBethesdaのPete Hines氏は“The Elder Scrolls VI”の開発を進めていないと説明しており、(Pete Hines氏が当初Todd Howard氏の発言を把握していなかったこともあって)ファンとPete Hines氏のあいだで言った言わない/嘘だ嘘じゃないの不毛な応酬が続く事態となっていました。
このやりとりが続くなか、Pete Hines氏がPC Gamerの確認に応じ、自身の発言を補足する声明を発表し注目を集めています。
という事で、今回はPete Hines氏が提示した最新の説明を含め、今一度Bethesda Game Studiosと“The Elder Scrolls VI”を巡る背景を改めて整理しご紹介します。
参考までに、Geoff Keighley氏とTodd Howard氏のやりとりは、TES6に取り組むかというGeoff Keighley氏の質問に対し、TES6の存在を認めないこと自体が極めて不自然だと“部屋の中の象”(皆が気付いていながら見て見ぬ振りをするような状況を指す)を例えに挙げて答えたTodd Howard氏が、ファンに伝える良いタイミングだと述べ、もちろんGeoff Keighley氏が言う通りこれに取り組んでいると説明したもので、続けてお披露目までに長い道のりが残されていること、前述した2本の大規模プロジェクトがTES6の前に控えていることを伝えています。
今回Pete Hines氏がPC Gamerに送った声明は「HowardはBethesdaがTES6を作るだろうと発言したが、開発中だとは言っていない」というもので、ファンの質問に対する受け答えにおいても、Pete Hines氏は前述した発言のうち“もちろん”の一言を取り上げ、Todd Howard氏とPete Hines氏の両者が何れも嘘をついているわけではないことを強調。とどのつまり、TES6はファンが一般的にイメージするような“開発”の状態にないことを伝えようとしています。
@CharityFleites he didn't. He was asked if there would be a TES 6 and he said "of course@. And that he knew what that game would be.
— Pete Hines (@DCDeacon) 2016年6月27日
@SMatarratas @Hector_Arce_ i'm not lying. i have no reason to lie. just managing expectations and clearing up misconceptions
— Pete Hines (@DCDeacon) 2016年6月28日
こういった齟齬と誤謬は、“開発”や“取り組み”という言葉そのものの受け取り方とこれが指し示す範囲、期待値が三者三様だったことから生じているもので、(時期的なことや前述した状況を踏まえると)Todd Howard氏の言葉が、長い開発の流れにおいて、プロトタイプ開発やプリプロよりもはるかに前の段階で行われるブレインストーミングやコンセプトフェーズを指すものであることは容易に想像できる一方で、一人歩きした言葉や期待値が、アセットやシステムの開発をフルタイムで進めているかのように受け止められてしまう状況もままある事態だと言えます。
余談ながら、2015年7月に英テレグラフ紙のインタビューに応じ、“Fallout 4”開発の歴史を振り返ったTodd Howard氏は、“Fallout 4”が“Fallout 3”の終了直後、つまり2008年(参考:New Vegasは2010年発売、Skyrimは2011年発売)には早くも形を成し始めていたと説明しており、BGSのチームがSkyrimの開発に移行する一方で、リードアーティストIstvan Pely氏が現在の“Fallout 4”へと繋がるアートワークの制作を続け、2009年にはFO4のアナウンストレーラーに登場したT-60パワーアーマーを既に描いていたことを明らかにしていました。(正確を期せば、その後もプロジェクトはしばらく本格化せず、初期フェーズの開発が続けられていたものの、2012年後半に研究と学習を目的としたXbox One向けの“Skyrim”移植に取り組んだことで、“Fallout 4”用ディファードレンダラとライティングシステムの本格的な開発が始まったことが知られている。参考:過去記事)
この過程と説明は今回の件に直接関係しないものの、Todd Howard氏が語るTES6に対する取り組みと、Pete Hines氏が固執する“開発”という文言、ファンの熱い期待値に生じるある種の焦りのような何かのあいだに生じる差を分かりやすく示す1つの事例と言えるのではないでしょうか。
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