先日行われた大規模なお披露目イベントを経て、大量の新情報とゲームプレイ映像が解禁され、当サイトでも何度か大きめの特集記事をご紹介している期待の人気シリーズ最新作「ボーダーランズ3」ですが、2019年9月13日の世界ローンチが迫るなか、新たにプレイアブルなデモを用意した国内向けのハンズオンイベントが開催され、一足先に最新作をプレイすることができました。
今回のハンズオンは、“ボーダーランズ3”の紹介と90分のゲームプレイで構成され、舞台となる新たな惑星や多数のチャレンジ、エンドゲームの一端など、一部未見の新情報を含む興味深いディテールと最新作の操作感が確認できる実に有意義なものでした。
近年のルーターシューターにおいて最も重要な柱の1つであるエンドゲームのディテールについては、6月のE3にて解禁予定で、最短クリアのボリュームがおよそ30時間程度と報じられている以外、“ボーダーランズ3”の全体的なボリュームや発売後の運用、ライブサービス的なアプローチの有無といった要素は未だ多くが謎に包まれたままとなっています。
ただし、今回のハンズオンイベントにて確認できた“ボーダーランズ3”の姿は、従来のシリーズを構成する数々の要素を全方位的に拡張・改善・刷新した文字通りの正統進化と呼べるもので、まず最初に結論に近い見解を伝えておくと、来る“ボーダーランズ3”は、シリーズの熱烈なファンで、2のUVHモードを含むほぼ全てのコンテンツを味わいつくした筆者から見て、期待と予想を大きく超える仕上がりの最新作であり、これまでのシリーズを楽しんだ方であれば、まず間違いなく没頭できる待望の続編だと断言できます。
一方で、まだシリーズに触れたことのない方に対しては、昨今人気の一大ジャンルであるルーターシューターを確立したパイオニアのシリーズ最新作にして、(近年とかく複雑化・先鋭化しがちな現行の同ジャンルにあって)恐らく最も敷居が低く、プレイヤー自身のペースで気軽に楽しめるルーターシューターでありつつも、スルメのように噛めば噛むほど味が出る奥深さとボリュームを備えた大作だと言えます。そして、もう一つ特筆すべき点として、“ボーダーランズ”はビデオゲーム産業における直近の2世代(PS3/Xbox 360~PS4/Xbox One)で最も魅力的かつ愛すべきキャラクター達が集うシリーズの1つであり、笑いあり涙ありの壮大な群像劇は最新作にも色濃く受け継がれています。(ストーリーは壮大ですが、基本的にノリが羽のように軽いので、こちらも身構える必要は全くありません)
という事で、今回は90分のハンズオンに基づく最新作のプレイレポートをご紹介。重要なインプレッションは前段で言い切ったので、これ以降はデモから判明した具体的な要素や改善について、ディテール多めでお伝えしたいと思います。
今回、国内向けに用意されたのは、海外のお披露目イベント会場に出展されたプレイアブルなデモと同一の英語版ビルドで、レベル10の“アマーラ”もしくは“ゼイン”を使用し、新たな舞台の1つとなる惑星“プロメティア”の都市メリディアンで展開する複数のクエストと探索が楽しめるというもの。
ストーリー的には、パンドラが舞台となる最序盤のメインクエストを幾つか終え、カリプソ・ツインズを追ってサンクチュアリIIIでパンドラを離れたクリムゾン・レイダース一行が、いよいよ惑星“プロメティア”に到着した!という所から、以下のような状況が描かれていました。
■ デモのプロット的な背景と“プロメティア”の状況
- アトラス社の拠点“プロメティア”は、同社が宇宙で最初のヴォルトを発見した惑星で、新たにマリワン社がアトラス社の敵対的買収に乗りだすため私設軍隊を派遣し、都市メリディアンで市民を巻き込んだ戦闘を繰り広げている。
- カリプソ・ツインズもまた“プロメティア”のヴォルトを開こうとしている。カリプソ・ツインズは、これを実現するためにカルト集団“チルドレン・オブ・ヴォルト”の信者達を使い捨ての戦力としてマリワン社に提供。マリワン社は見返りとして、数々のハイテク兵器をカリプソ・ツインズの信者に与え、アトラス社に止めを刺そうとしている。
- 双子の1人タイリーンは生物の能力を吸収するセイレーンで、ヴォルトを開き、ヴォルト・モンスターの力を得ようとしている。
- クリムゾン・レイダースのヴォルト・ハンター達は、カリプソ・ツインズによるプロメティアのヴォルト開放を防ぐべくメリディアンの外れに降り立つが、ヴォルトとその鍵がどこに存在するのか把握しておらず、アトラス社に協力することでヴォルトの情報を得ようと画策している。
- デモビルドは、こういった状況下でスタートするメインクエスト“Hostile Takeover”(敵対的買収の意)を収録。アトラス社の女性兵士ローレライを支援し、同社のCEOであるリース(※ “Tales from the Borderlands”の主人公の1人)とコンタクトを図る任務が描かれる。
- この他、ローレライとアトラス社の兵士達にコーヒーやハンバーガーを届ける配達、ノグの捕獲と召喚、企業間の戦闘で傷ついた市民を助ける医者の支援といったサイドクエストが利用可能だった。
ゲームプレイの持ち時間が90分だったため、筆者はアマーラとゼインをそれぞれ45分ずつプレイしようと考えていましたが、細かなディテールを追いすぎたこと、メインクエストとマップの規模が想像以上だったこと、そしてゲームプレイ自体が予想を大きく上回る楽しさだったことから、最初に選択したゼインでうっかり90分を全て使い切ってしまい、アマーラをプレイすることができませんでした。
本来であれば、アマーラとゼインそれぞれの概要とインプレッションをご紹介するところですが、これについては過去の特集記事で2人の詳細を既にご紹介していますので、まずは2人の基本と特性、スキルツリーの概要を確認いただければと思います。(参考:アマーラ解説、ゼイン解説)
■ “ゼイン”のビルド構築について
今回のデモには、レベル10のアマーラとゼインが用意されていました。最新作のヴォルト・ハンターは、レベル3に到達した時点で3種のアクションスキルとスキルツリーが開放され、レベル4からスキルポイントの割り当てが可能になることから、レベル10のハンターは計7点のスキルポイントを利用することができます。
また、従来のシリーズと同じく、上位のスキル階層をアンロックするには、下位の階層数x5のスキルポイント消費が必要となります。
前述の解説記事を参照いただければ分かる通り、スキルツリーの第1階層には何れもパッシブしか存在せず、有用なオーグメントやエレメントは第2階層以降に登場することから、レベル10のキャラクターが第2階層に割り当てられるのは、最大で2ポイントです。
という事で、今回のゼインは安全第一で生存性の高さを念頭に置き、ゼイン専用の特性である2つのアクションスキル(“Hitman”ツリーのドローンと“Doubled Agent”ツリーのデジクローン)を併用しつつ、“Hitman”ツリー第2階層のドローン用クリオダメージ変換オーグメントとライフ吸収付与のキルスキルを選択しました。(※ クリオ属性の効果は凍結した敵の移動速度低下と凍結した敵に対する近接攻撃の与ダメージ3倍増)
従来のシリーズにおける序~中盤のスキルツリー選択は、概ね幾つかの目標に向かって進む通過点になりがちでしたが、最新作は最初から3つのアクションスキルが選択できることから、例えレベル10であっても多彩なシナジーを備えたプレイスタイルを確立することが可能です。
レベル10のゼインであれば、上記の構成以外にも、シールド取得+自動回復型、ドローン+グレネード強化型、デジクローンのクリオノヴァ爆発オーグメントを軸とするハイブリッド型、デジクローン+グレネード強化など、文字通り多種多様なビルドが構築でき、スキルツリー以上にバリエーションを増した武器と組み合わせることで、序盤におけるプレイスタイルの幅は従来のシリーズに比べて著しく増加したと感じられました。
なお、各所に設置されているクイック・チェンジ・ステーションで(前作と同様に)スキルの振り直しができ、序盤から気軽にビルド作りを楽しめる点も本作の大きな魅力の1つだと言えます。
■ “ボーダーランズ3”の膨大なチャレンジと収集要素
アクティビティ別の多彩なチャレンジで経験値が得られた初代に加え、バッドアスランクと紐付けられた各種アクティビティやロケーションの探索を含む続編のチャレンジなど、収集要素を含む多数のチャレンジがプログレッションやメカニクスに深く関係していた“ボーダーランズ”シリーズですが、最新作もこういったチャレンジは健在で、従来よりもさらにバリエーションが増した、ストーリーと深く関連するカテゴリを含む幾つかの新要素を確認することができました。
まず、大きな新要素の1つはサンクチュアリIIIに搭乗しているお馴染みの仲間達から依頼されるクルーチャレンジで、今回のデモには破壊や収集を含む以下の依頼が用意されていました。
- Broadcast Tower:依頼者はモクシィ。チルドレン・オブ・ヴォルトの放送タワーを破壊する。
- Claptrap Unit:依頼者はクラップトラップ。廃棄されたクラップトラップのパーツを収集し、クラップトラップのガールフレンド組み立てを助ける。
- Hijack Target:依頼者はエリー。レアなビークルをスキャンすることで、CARステーションで新たなパーツが解除される。
- Typhon’s Dead Drop:依頼者はタニス。最初のヴォルト・ハンターであるタイフォン・デレオンの足跡を辿る。エリア内の手掛かりを全て探すことにより、タニスが三角測量で隠された宝箱の場所を特定する。この箱には、かつてタイフォンが使用した装備の一部が幾つか含まれている。
また、従来のシリーズと同じく、各エリア毎に用意されたゾーンチャレンジも用意されています。
さらなる新要素として、武器メーカー別のチャレンジも存在しており、各武器のステータス画面から該当するメーカーのチャレンジと進行が確認できます。今のところ、チャレンジの報酬やボリュームについては未確認ですが、初代の武器熟練度をメーカーに置きかえたようなプログレッションが導入されるのか、こちらも非常に気になるところ。
なお、最新作の武器メーカーは以下の10種で、前作のバンディットが“チルドレン・オブ・ヴォルト”へと置きかえられ、遂に“アトラス”社製品が復帰。さらにこれまでグレネードやシールド、クラスMODを製造していた“パンゴリン”が新たな武器メーカーとして登場します。
■ “ボーダーランズ3”に登場する武器メーカー10社
- チルドレン・オブ・ヴォルト [NEW]:従来のバンディットに相当するカテゴリ。無限マガジンとオーバーヒートを組み合わせたメカニクスを特色とする。
- パンゴリン [NEW]:詳細不明。
- アトラス:初代から復活。追跡用タグと、それを追尾するスマート弾を組み合わせた最新鋭のシステムを備える。
- ダール:射撃モード(バーストとフルオート、フルオートとグレネード等)の切り替え機能を特色とする。
- ティーディオール:2足歩行で敵を追尾する銃など、従来通り固有のリロードシステムが特徴。
- マリワン:エレメンタル特化系メーカー。エレメントの切り替えが可能な銃も存在する。
- ジェイコブス:大ダメージを与えるオールドスクールなデザインが特徴。クリティカルヒット時に跳弾する機能が導入された。
- トーグ:爆発にロマンを求めるトーグも再登場。本作では通常射撃と粘着弾を射手するモードが切り替えできる。より大きな爆発ダメージを与えることが可能となる。
- ハイペリオン:シールドの搭載や変動する命中率メカニクスを特色とする。
- ブラドフ:銃身の数が正義のロマン溢れるメーカー。ダブル・トリプルバレルが当たり前で、ロケットやグレネードが射出できる追加の銃身を備えたものも存在し、大量の弾を高速でばらまく。
さらに、チャレンジと同じくお馴染みの収集要素も大きく増加しており、従来のエコーログに加え、最初のヴォルト・ハンターであるタイフォン・デレオンに関する記録を扱うタイフォンログ、さらにヴォルトの遺跡やガーディアンを遺し、人類を超える科学技術を擁した古代のエイリアン“エリディアン”に関する情報を収録したエリディアンログが登場します。
現段階で、各種ログの詳細は不明ですが、旧作におけるログの役割を鑑みるに、これらが最新作のストーリーにまつわる重要なディテールを補う要素となることは間違いないと思われます。
また、“ボーダーランズ3”には、新たなビークルタイプ“サイクロン”が登場し、追加要素として、ビークルの本格的なカスタマイズとロードアウト機能が導入されました。
これは、ビークルを構成するパーツがカテゴリ別に分類され、スキンやカラー変更を含む外観の変更だけでなく、ホイールや武器、装甲など、性能やゲームプレイに直接影響するカスタマイズが可能となったもので、変更可能なカテゴリは以下のように分類されます。
■ ビークルのカスタマイズ項目
- ボディ
- マテリアル:デモには、武器メーカーや象徴的なキャラクターに基づく27種のバリエーションが存在した
- カラー:3か所のカラーが個別に変更可能
- ドライバーウェポン
- タレットウェポン
- アーマー
- ホイール
- MOD
今のところ、マテリアルの入手方法や部品のバリエーションに関する規模は不明ですが、ビークルの一部パーツは敵のビークルを破壊した際にドロップする部品を入手することでアンロックされることから、こちらも最新作の新たな収集要素となっています。
ホイールには、マリワン社の技術を利用した浮遊タイプのパーツも存在しており、ビークルの強化とカスタマイズも最新作の大きな楽しみの1つになるのではないでしょうか。
このほかに、どんなチャレンジが存在するのか、今のところ詳細は不明ですが、僅か90分のプレイから浮上した数々のチャレンジと収集要素は、既に前作を上回る規模であり、“ボーダーランズ3”はやりこみ要素についても、充実にかなりの力を入れている様子が確認できます。
■ エンドゲームの一端がうかがえる“ガーディアンランク”
前作“ボーダーランズ2”のエンドゲームを支える1つの要素として、チャレンジの達成に応じて得られるトークンで基本ステータスを強化する“バッドアスランク”が存在しましたが、最新作“ボーダーランズ3”にはこれに似た“ガーディアンランク”と呼ばれる新要素が用意されています。
“ガーディアンランク”は、メインストーリーのクリア後に解禁されるプログレッションで、今のところその詳細は不明ですが、一先ずトークンを消費して各種ボーナスステータスが得られること、エンフォーサーとサバイバー、ハンターのカテゴリに分類された新たなスキルツリー(各パッシブ5種、アクションスキルエレメント1種)を報酬として用意している旨が確認できます。
前述のバッドアスランクは、作成した全てのヴォルト・ハンターに適用されるアカウントワイドなボーナスでしたが、ランダムに選出された候補の中から1つを選択する方式の強化は概ね平均的な内容になりがちで、ビルドやプレイスタイルに影響を与えるというよりも、基本的な戦闘力の底上げに近いものでした。
“ガーディアンランク”のボーナスステータスは、予めエンフォーサーとサバイバー、ハンターに分類されており、それぞれの名称に相応しいボーナスが複数用意されていることから、恐らくトークンを任意のカテゴリに費やせるのではないかと予想できます。
エンフォーサーは与ダメージ増、サバイバーは生存性の強化、ハンターはプレイしやすさにフォーカスしたボーナスステータスが用意されていることから、最新作の“ガーディアンランク”は、前作のバッドアスランクよりも直接的にヴォルト・ハンターのビルド構築に影響を与える要素になるのではないでしょうか。
■ 舞台となる惑星について
今回のプレゼンテーションにて、本作の舞台となる惑星とロケーションが紹介され、これまでの舞台である惑星パンドラと既にアナウンス済みの惑星プロメティアに加え、“エデン-6”の登場が明らかになりました。さらに、未見の衛星軌道プラットフォームも登場する予定で、バイオームのバリエーションが従来のボリュームをさらに上回る規模である様子が窺えます。
- パンドラ:初代“ボーダーランズ”と続編“ボーダーランズ 2”の舞台となった惑星。
- プロメティア:アトラス社が初めてヴォルトとエリディアンの遺跡を発見した惑星。シリーズの全てが始まった場所と言える。現在はアトラス社とマリワン社が支配を巡り争っているが、カリプソ・ツインズとマリワン社が手を組み、カリプソ・ツインズが信者を兵士としてマリワン社に提供する一方、マリワン社はカリプソ・ツインズにハイテク兵器を与えており、マリワンはプロメティアを、双子は惑星のヴォルトとヴォルト・モンスターを狙っている。
- エデン-6:かつて、マーカスがハイペリオンの言付けで初代のヴォルト・ハンター達を案内しようとした惑星。詳細は不明だが、どうやら豊かで魅力的な惑星と思われる。
- 衛星軌道プラットフォーム:詳細不明
- 衛星軌道2:詳細不明
■ 大きく進化した銃撃戦
今回、実際に“ボーダーランズ3”をプレイしてみて最も驚いたのが、シューター部分の非常に丁寧なブラッシュアップでした。
従来のシリーズは、銃器の天文学的なバリエーションを特色とする一方で、主要なアーキタイプの微細な変化が多くを占め、一部強武器の存在もあり、バリエーションの多さが十分に活かし切れていない状態(それでも通常のシューターと比較すると膨大な変化が楽しめた)でしたが、“ボーダーランズ3”は武器メーカー各社の個性をより明確に打ち出すことで、武器の持ち替えや状況に合わせた使用が十分なアドバンテージを生む、意味のあるバリエーションをもたらすことに成功しています。
さらに、武器の手触りや射撃感、リロードを含むアニメーション、メカニクスが大幅に改善され、特に手触りと射撃感については、前作のレーザービームのような射撃や(主にスウェイと集弾率でぶれる)独特な挙動が完全に刷新され、スウェイとキックを個別に扱う非常にリアルなランダムリコイルが導入されたほか、一般的なスコープの導入(前作の画面を覆うタイプのスコープもスナイパーライフルを含む一部の武器に残されている)、残響や遮蔽といった環境を考慮したサウンド面の大幅な改善により、銃撃戦そのものが従来よりも格段に楽しい、気持ち良さを伴うものに仕上がっています。
物理ベースレンダリングの導入とモデリング/デザインの向上によって、驚くほど進化した銃器の美しいデザインも白眉の1つで(今回のデモに登場した武器は、従来のキメラ的な組み合わせではなく、全てのパーツを特定のメーカーで統一した純正品のように見受けられるが、今のところ詳細不明)、圧倒的に良くなった武器の取り回しや手触りと合わせて、最新作の驚くべき進化をもっとも体現する要素の1つだと感じました。
これらの改善については、以下にリコイルやハンドリング、アニメーションの改善が確認できるレジェンダリー武器の試し打ちと武器のディテールをまとめた映像に加え、同様の内容を前作“ボーダーランズ 2”で撮影した比較用の映像を用意しましたので、是非その目で見事な進化ぶりをご確認ください。
最新作に対する印象は、冒頭で述べた通り諸手を挙げて歓迎する喜びに満ちたものでしたが、最後にもう少しその背景を掘り下げておきたいと思います。
筆者は“ボーダーランズ”シリーズの熱狂的なファンであることを自認していますが、これまでのシリーズに対する主観的な愛情と客観的な評価には若干の開きがあり、これまでの3作品“ボーダーランズ”と“ボーダーランズ 2”、そして“ボーダーランズ プリシークエル”は、何れもゲームプレイやデザイン、経験、プログレッションに幾つかの問題を抱えていると考えています。しかし、同時に“ボーダーランズ”はゲームプレイやストーリーを通じて100点満点の上限をどーんと突破する忘れがたい最高の瞬間を、シリーズならではのアプローチで何度も体験させてくれる、何ものにも代えがたい魅力に充ち満ちたシリーズであり、ざっくりと言ってしまえば、80点と5億点を平均して便宜的に100点!という評価でした。
今回の“ボーダーランズ3”デモについて、冒頭で予想をはるかに上回る仕上がりだとお伝えしたインプレッションは、主に前述の“問題”と捉えていた箇所を指したもので、意味のある戦利品やシューターとしての手触り、一人称視点におけるプレイヤーのアニメーション、QoLとUX(特にゲーム内AR/MRを併用する統一感のあるUI/HUDを活用した没入感の高さが凄い)の向上、アクセシビリティの改善、没入感の高いサウンド、プレイスタイルの多様性、ビジュアル面の技術的な革新といった様々な要素が1つとなって、これまで荒々しさが残っていた箇所を見事に洗練し、モダンなシューターとして驚くほど丁寧な進化を遂げた、その手応えが予想を超えるものだったということです。
ルーターシューターとしてのフローやRPGパートのプログレッション、全体のペーシングといった全体を左右するバランスについては、製品版に触れるまで判断できませんが、今回のデモやお披露目イベント時のプレゼンテーション、既存のトレーラーとゲームプレイは、こういった箇所の作り込みが丁寧に進められている様子を十分に感じさせてくれます。
そして、何より“ボーダーランズ”シリーズならではの素晴らしい魅力やユーモアは、その輝きと鋭さを失うことなく最新作に受け継がれています。つまり、“ボーダーランズ3”はシリーズの課題に意義ある改善を用意し、作品の完成度を大きく底上げする一方で、シリーズの象徴であるアートスタイルや膨大な武器のバリエーションに基づくルーターシューター要素の現代化を図り、バッドアスな魅力を維持する最高のゲームの1つとなるポテンシャルを十分に秘めた作品であると言えます。
プロットを含め、まだ多くの要素が謎に包まれている“ボーダーランズ3”ですが、本作は現時点で既に“ボーダーランズ”として完全な姿を取りつつあり、“ボーダーランズ プリシークエル”から5年、そして“Tales from the Borderlands”から4年の月日を待ち続けたファンの渇きを十分に潤す待望の最新作だと感じられました。
9月13日の世界ローンチに向けて、来るE3でどんな新情報とエンドゲームのディテールが報じられるか、今からその続報に大きな期待が掛かるところです。
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