本日、全世界規模の危機とそれに立ち向かうヒーロー達の姿を描くど派手なローンチトレーラーが公開された「マーベル ミッドナイト・サンズ」ですが、12月2日の発売がいよいよ目前に迫るなか、先日ご紹介したインタビューに続いて、改めて本作の開発を率いるお馴染みジェイク・ソロモン氏に気になるあれこれを聞く機会を得ることができました。
先日のインタビューは、プレビュービルドの提供前に実施したものでしたが、今回のインタビューは本作を存分にプレイした後に行われたことから、プレビューでも大きく取り上げた面白アプローチの由来など、実際のプレイを経て気になった幾つかの点を聞くことができたので、気になる方は発売に向けてXCOMチームの興味深い取り組みをチェックしておいてはいかがでしょうか。
―― 世界中の誰もが知るヒーロー達とIPを扱う本格的なRPGの開発にあたって、どんな挑戦・困難がありましたか?
ジェイク・ソロモン氏:一番は物語などのクリエティブな要素でしょう。マーベルの映画やテレビ番組は大きな人気を博していますし、いわずもがなコミックの歴史は何十年にも及びます。
ですから、マーベル・ユニバースの一角に新鮮さとユニークさを見出すことは、どんなタイプの既存IPであれ、特に多くの人々にとって大きな意味を持つIPであれば当然の課題です。それが、90年代の原作コミックにインスパイアされた「ミッドナイト・サンズ」の物語を描くことにした理由のひとつです。
―― 「XCOM 2 選ばれし者の戦い」でとても印象深かったユーモラスな面は、オリジナルである初代“X-COM: UFO Defense”のトーンを踏襲したものだと感じていたのですが、今回の「マーベル ミッドナイト・サンズ」では、このファニーなユーモアがより鮮やかに進化したと思います。
壮大な物語とどこか笑ってしまうおかしみのさじ加減は、XCOMチームならではの素晴らしい魅力だと改めて感じているのですが、ここにデザイン的な哲学などはあるでしょうか。
ジェイク・ソロモン氏:非常にいい質問ですね。物語的には世界の終末を描いた作品なのに、なぜこんなにライトな要素が入っているのか、という疑問が出てくるのは必然ともいえるでしょう。
私たちには、ストーリーが暗ければ暗いほど、ジョークは面白くなければ、という理念がありました。そこで、あえてニチアサ(原文:サタデー・モーニング・カートゥーン)的なものを目指し、コミックでは生真面目なキャラクターたちにも存在するはずの明るい本質を表現しようと思ったのです。
(補足:サタデー・モーニング・カートゥーンは、いわゆる米三大放送局NBC/CBS/ABCの土日向け朝アニメを指す言葉で、1980年代に最盛期を迎え、GIジョーやマスター・オブ・ユニバース、トランスフォーマー、ティーンエイジ・ミュータント・ニンジャ・タートルズといった作品が一世を風靡した。90年代以降はパワーレンジャーやポケモン、ドラゴンボール、セーラームーン、遊戯王といった日本発の作品が台頭することになる)
―― プレゼンテーション資料には、本作のゲームプレイが60時間を超える規模だと記されています。「XCOM 2 選ばれし者の戦い」を50数時間でクリアしたことを思うと、非常に大規模な作品だと感じられます。60時間規模のRPGを作るにあたって、ゲームのペーシングやストラテジー/戦闘準備/戦闘の配分に変化はありましたか?
ジェイク・ソロモン氏:ストーリーミッションだけに取り組むか、修道院の隅々まで探索するか、プレイの仕方は人それぞれかと思います。なのであくまで目安ですが、多くのプレイヤーは40~60時間程度のクリアタイムになるかと思われます。
ゲーム中のデッキ構築戦略や戦闘のペース配分については、常にヒーローやプレイヤーの成長を感じられるようにすることを絶対的条件として構築しました。ゲーム序盤では、システムを学び、「大聖院」の各部屋の役割を理解し、部隊の編成の可能性を見出すところから始まります。
ゲーム後半になると、ほとんどのアビリティを強化した状態になりますが、そこからさらにModシステムで強化していくことになります。Modはチームのコンセプトを完全に変えることができ、ランダムに追加される強化要素によって、使い古したアビリティが突然新鮮に感じられたり、本当に強いと感じる組み合わせを見つけたらそのヒーローのプレイスタイル全体をシフトさせることさえできます。最終的にはMod自体を作る能力もアンロックされ、更なる次元のカスタマイズを行えるようになり、序盤から終盤まで常に新鮮なゲーム体験ができるかと思います。
―― 「マーベル ミッドナイト・サンズ」は、シーズンパスによる拡張が既にアナウンス済みですが、発売後の本編に対するコンテンツや機能の追加・改善等を行う予定はあるでしょうか。
ジェイク・ソロモン氏:各DLCヒーローにはそれぞれミッションが用意されており、ゲーム本編にシームレスに組み込まれています。他のヒーローと同様に、友情を育んだり、能力をカスタマイズしたりすることができます。
―― 「XCOM 2 選ばれし者の戦い」の示唆的なエンディングの続きを心から楽しみにしているのですが、さらなるマーベルRPGを見てみたい気持ちもあります。今後、XCOMチームが2つの異なるIPを柱とするチームに拡張される可能性はありますか?
ジェイク・ソロモン氏:ひとまず現在は『マーベル ミッドナイト・サンズ』を世界中に送り出すことに集中しています!ぜひお楽しみください!
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