本日深夜、遂に予約購入者向けのベータ先行アクセスがスタートする期待作「ディアブロ IV」ですが、来る大規模ベータテストの解禁に先駆けて、“ディアブロ”フランチャイズを指揮するお馴染みロッド・ファーガソン氏と、最新作のゲームディレクターを務めるジョー・シェリー氏に話を聞く国内メディア合同インタビューが行われました。
という事で、今回は両氏の最新作「ディアブロ IV」に対する強い自信とコンテンツの充実ぶりがうかがえる非常に興味深いインタビューをご紹介します。
―― オープンベータを直前に控えた現在の心境と、ディアブロ4において特に注目してほしいポイントを教えてください。
ジョー・シェリー氏:もうすぐ皆さんにプレイしてもらえることを楽しみにしています。
今回のベータについては、チーム全体が一丸となってビルドを作成し、ようやく皆さんにお届けできるのですが、大きな見所は、このビルドがマーケティングを兼ねるものではなく、純粋にテストを行うためのものだということです。
皆さんの反応やサーバーの安定感、ゲーム序盤のレベリング速度など、細かな調整部分も見てみたいので、是非とも多くの人にプレイして頂いて、フィードバックを得たいと考えています。
ロッド・ファーガソン氏:開発チームが「ディアブロ IV」にどれほどの情熱と愛情を注いでいるか、そういう部分をプレイヤーにも感じてもらえればと思っています。クオリティについては、最高のものをお届けできるはずです。
ディアブロシリーズのコアなファンには、「ディアブロ IV」が最高のディアブロだと言ってもらえるように願っています。
これから新しくディアブロに触れるプレイヤーに対しては、心から「ディアブロ IV」を楽しんで頂きたいというのが現在の心境です。
―― 「ディアブロ IV」は自由度の高いスキルツリーシステムを採用していますが、初めて本作を楽しむプレイヤーが混乱しないようオススメのビルドやスキルを紹介するような仕組みはありますか?
ジョー・シェリー氏:その点について、プレイヤーが新しいスキルを覚えていくようなプロセスは、ゆっくりと進行することになります。
その上で、新しいスキルについては、基本的にレベルが1つあがることで、新しいスキルが1つ入手可能になりますので、1度に多くのスキルが解禁され初心者を混乱させるようなことはないと考えています。
また、新しいスキルが解放される度に、ノードと呼ばれるサブスキルのようなものが解放されるのですが、これについてもゆっくりと吟味しながら効果を学んでいけるようになっています。
さらに、スキルの振り間違いや心変わり、新しい装備を手に入れたことで、スキルを振り直したい場合があると思いますが、スキル帯が低い場合のコストは非常に低く抑えられているので、やり直しも簡単にできる作りになっています。
各クラスの全体に言えることですが、様々なプレイスタイルでキャラクターを成長させられるデザインを念頭に置いて開発を進めてきました。
ビルドの中心となるスキルとして、バーバリアンのワールウィンドを例に挙げると、本作にはワールウィンドの強化に役立つノードを簡単に検索できるシステムが用意されています。
これによって、中心となるスキルをベースに、有用なものを簡単に組み合わせることができるので、初心者でもこのサーチ機能を使えば、あまり有用ではないビルドが出来上がる可能性は低いと思います。(参考:サーチ機能の概要については、以前にご紹介したプレビューの“キーワード”システムを参照ください)
ロッド・ファーガソン氏:実のところ、スキルツリーのシステムについては、開発初期から現在に至るまで、何度も何度も作り直しと更新を重ねてきました。
これは、スキルツリーに奥深さを求める一方で、余りにも理解が難しいものになってしまわないように心がけた結果繰り返されたもので、現状のスキルツリーは、新しいプレイヤーであってもスムースに理解が進むような、かなり直感的に分かりやすい構成になっているはずです。
―― 25年の歴史を持つシリーズの熱心なファンたちについて、彼らを満足させるために心がけたことはありますか?
ジョー・シェリー氏:まず「ディアブロ IV」で最初に気がつくのが、“ディアブロ II”に近いプログレッションでしょう。
“ディアブロ II”をプレイしている方ならご存じの通り、「ディアブロ IV」をクリアする際に最大レベルまで上げる必要はありません。本作の最大レベルは100ですが、おそらくレベル40前後でいわゆるエンドゲームに突入することになります。
まさに、クリアしてからが本番といったところですが、「ディアブロ IV」は最大レベル100到達後も、ワールドティアと呼ばれる要素が控えています。
これは、新しいボスを倒さないと、上のワールドティアに進めないという作りで、最終的なワールドボスも存在するので、コアプレイヤーも十分楽しんでもらえるコンテンツの厚みがあると考えています。
ロッド・ファーガソン氏:“ディアブロ”については、我々もユーザーもやはりクリアしてからが本番だと考えていて、今回の「ディアブロ IV」は発売直後からファンを満足させられると思います。
「ディアブロ IV」は初日から多くのエンドゲームコンテンツを盛り込んだ状態で発売したいと考えていて、パラゴンやワールドティア、ワールドボス、その他様々なコンテンツでコアプレイヤーを楽しませたいと考えてきました。
ジョー・シェリー氏:エンドゲームにおける大きな要素として、オープンワールド世界の各地を旅してもらう冒険があります。各地にはクエストやタスクを提供する“死者の囁き”と呼ばれるシステムがあり、これを起点に世界が広がっていけばと考えています。
さらなるエンドゲームコンテンツとして、“ヘルタイド”と呼ばれるものがあります。このイベントによって、エリアそのものに変化がもたらされます。(ベータでプレイ可能な“破砕山脈”エリアでもヘルタイドは発生する、なおヘルタイド中は敵が強化される)
この変化した状況下で敵を倒すと、レアアイテムの出現率が上がったり、欲しいアイテムを狙って取得するといったことが可能になるので、アイテム収集については、ヘルタイドの発生時期を把握しながらプレイするというのがエンドゲームの楽しみの1つになっています。
第三の要素は、ダンジョンです。予てからお伝えしている通り、本作には全体で150種もの異なるダンジョンが用意されていて、紋章を使用することで、より難易度の高いナイトメア・ダンジョンを利用することもできます。
格上げされたダンジョンは、敵が強化され、もちろん得られるクリア報酬のグレードも上昇しています。どんどん難しくなるダンジョンへの挑戦もエンドゲームの主要なコンテンツの1つになるわけです。
最後のエンドゲームコンテンツは“PvP”ですね。これはシリーズの伝統でもありますし、今回のPvPはよりパワーアップしています。
本作にはPvP可能なゾーン(憎しみの地)が用意されていて、このエリアに足を踏み入れると、他のプレイヤーから攻撃されることになります。
このゾーンにはプレイヤーだけでなくモンスターも出現します。ここでプレイヤーを倒していけば、賞金首となって名声が上昇し、名声が高いプレイヤーを倒すことによって得られる報酬の品質も上昇するわけです。
PvP報酬の1つには“混沌の破片”があり、これとアイテムを交換することができ、名声が高いほど多くの破片が得られることになります。
「ディアブロ IV」はライブサービスのゲームですから、リリース後も順次こういったエンドゲーム用のコンテンツを追加してく予定です。
ちなみに、敵プレイヤーを倒した際の戦利品として、(初代ディアブロと同じく)“耳”を持ち帰ることもできますよ。
―― 複数のクラスそれぞれにコアスキルがあり、サブクラスのような概念もあって、様々なプレイスタイルやビルドが楽しめると思うのですが、開発チームとしてはプレイスタイルの規模を何種類程度だと想定していますか?
ジョー・シェリー氏:現状では、1つのクラスに対して、概ね4~5種程度のベースとなるアーキタイプが存在すると考えてください。
バーバリアンのワールウィンドを例に挙げると、ワールウィンドをメインに使用しているからといって、皆が同じビルドになるとは限りません。カスタマイズによって、それぞれがかなり違う仕上がりになるはずです。
つまり、前述したアーキタイプの数に個人のカスタマイズが乗算されることで、バリエーションはかなり多くなります。実際のゲームプレイにおいては、ここに100種を超えるレジェンダリーアイテムなども加わってきますから、さらにバリエーションが増えることで、こちらがまだ発見していないビルドをプレイヤーが見つけるということも必ず起こるでしょう。
―― シリーズに25年もの歴史があると、開発スタッフの中にもそれぞれに異なる理想の“ディアブロ”像があるかと思います。こうした世代の違いが衝突する際、開発チームにはアイデアの採用・不採用を分ける決め手のようなアプローチはありましたか?
ジョー・シェリー氏:“ディアブロ”チームに限らず、全てのゲーム開発において、デザイナー全員が何かに対して100%同意するということは絶対にありません。
むしろ、皆がそれぞれに自分の意見を持っていて、衝突することも少なくありません。これはどんな開発チームでも同じだと思います。
おっしゃる通り、“ディアブロ”フランチャイズには25年もの歴史があり、それぞれに理想の“ディアブロ”に対するイメージやビジョンが違うわけですが、今回はチームに異なる世代が混じり合うこと自体が、良い開発に繋がったと考えています。
異なる世代が存在することで、様々な世代のファンから意見をくみ上げることができますし、それぞれに異なる情熱や視点を持つチームが意見を出し合い、時にぶつかることが「ディアブロ IV」を良いものにしてきたと思います。
ロッド・ファーガソン氏:「ディアブロ IV」開発の初期から、本作がどういう作品なのか、そのビジョンを共有すべく、チーム全体に伝える努力を継続してきました。
開発側でよく使われているフレーズに“闇への回帰”というものがあります。これをベースに、先ほどから話題となっている“世代”についてまとめると、初代のダークなトーンを継承し、“ディアブロ II”からはキャラクター育成のプログレッションやスキルシステムを、“ディアブロ III”については、戦闘の楽しさや爽快感を抽出した上で、オープンワールド環境における“選択”というゲームプレイを加えたのが「ディアブロ IV」だと考えています。
“闇への回帰”ということで、ダークファンタジーの雰囲気を大事にしているのですが、日本ではこのダークさを維持したCERO Zの発売が決まり、極力オリジナルに近いものを日本のプレイヤーに届けられることをとても嬉しく感じています。
―― ロッド・ファーガソンさんとジョー・シェリーさんはお二人とも長いキャリアの中で、様々なタイトルをリリースしてきたと思います。「ディアブロ IV」は非常に大規模な作品ですが、発売を数ヶ月後に控える今、「ディアブロ IV」の仕上がりについて、お二人それぞれの“手応え”を聞かせていただけますか?
ジョー・シェリー氏:かなり自信があります。開発チームの見事な頑張りでベータの早期アクセスにもしっかり間に合い、オープンベータそのものが大きなマイルストーンだと言えます。
また、このマイルストーンが単にベータをリリースできたということではなく、開発チームはさらにここから十分なテストが重ねられると想定していて、プレイヤーの反応やフィードバックを通じて最終的なブラッシュアップをしたいと考えています。
ロッド・ファーガソン氏:「ディアブロ IV」の開発にあたって、非常に興味深かったのが“ディアブロ”チームの開発手法です。
実は開発のかなり初期から、本作はプロローグからエピローグまで通してプレイすることが可能でした。当初はテクスチャーがなかったり、棒人間のようなモデルが使われていましたが、全体を通してのプレイが早い段階で実現できていたんです。これは、他のゲームスタジオではなかなか見られない手法でした。
Blizzardにはスープテストという言葉があって、実際にプレイしながら、ここにあれを足そうとか、ちょっと塩加減が足りない、もう少しこんなフレーバーが欲しいとか、そういう意見をどんどん足していくような開発スタイルが出来上がっていたんです。
これに、新型コロナウイルスの影響もあって、チームのみなが自宅にビルドを持ち帰って、コンソールやPCでプレイしなければならない状況が生じ、結果的にこれがスープテストの手法をさらに磨き上げたと感じています。
この珍しい開発手法によって出来上がったのが「ディアブロ IV」だと考えています。
―― 「ディアブロ IV」のフレッシュな新要素として、MMOライクな遊び方があるように感じています。ショーシェリーさんはBlizzardの著名なMMORPGである“World of Warcraft”の開発に携わっていましたが、“World of Warcraft”開発のノウハウが「ディアブロ IV」の開発に活かされたようなケースはありますか?
ジョー・シェリー氏:“World of Warcraft”については、大いに楽しみながら開発に取り組み、色々なことを実現できたと感じています。
そこで培ったノウハウは、ゲームを作れば作るほど、問題解決の能力が上がるというもので、やはりこれが「ディアブロ IV」の開発に最も役立ったと考えています。
MMORPG的な要素についてですが、「ディアブロ IV」はアクションRPGをベースにしていて、もちろん他のプレイヤーと出会ったりすることはありますが、基本的に「ディアブロ」が持つ作品の雰囲気として、一人で遊ぶ旅や冒険を重視して開発に臨みました。
―― 前作“ディアブロ III”をプレイし飽きてしまったユーザー、具体的にはパラゴンレベル上げに飽きてしまったようなプレイヤーのことですが、彼らに向けて訴求できるような要素は用意されていますか?「ディアブロ IV」ならではの新しい遊び方などがあれば教えてください。
ジョー・シェリー氏:“ディアブロ III”プレイヤーから得た感想として、“ディアブロ III”には究極まで強化したキャラクターで試し切りが楽しめるようなコンテンツがないという問題点が多く寄せられていました。
この問題を解消するコンテンツとして、「ディアブロ IV」にはワールドティアボスへの挑戦を用意しています。
装備を集めてキャラクターを強化し、現在プレイしているワールドティアのボスに挑戦する。さらにこれを繰り返してプレイヤーを強くし、最高位のティアを目指すというのが、いわゆる試し切りの楽しみ方になっています。
さらに、ナイトメアダンジョンについても、紋章を入手することで、どんどん強力なダンジョンに挑戦することができます。
今のところ、最終的にプレイヤーが達成できる強さの上限よりも、ダンジョンの上限の方が恐らく高くなる予定ですが、これをクリアするためには、自分の腕を磨き、可能な限り高品質な装備を集める必要があります。さらに、たとえ最高に強まったキャラクターでさえ、最も困難なダンジョンをクリアできるかどうか、現段階で明言することはできません。こういったこともあって、エンドゲームでは色々な遊び方ができると思います。
ロッド・ファーガソン氏:「ディアブロ IV」はライブサービスゲームですから、シーズンが進む毎にこういった要素がさらに追加されたり、変更が加えられたりする可能性が高いです。
ですから、ローンチ直後のエンドゲームとシーズンが幾つか進んだ後のエンドゲームでは、全く違うものになっていることもあり得るので、プレイヤーが飽きるということは概ねないと考えています。
―― 最後に日本のプレイヤーに向けてメッセージをいただけますか
ロッド・ファーガソン氏:日本のプレイヤーの皆さんを再びサンクチュアリに呼び戻せることをとても楽しみにしています。どんな反応が寄せられるか、どんなフィードバックを聞かせてもらえるか、心待ちにしています。
今回、ダークファンタジーの「ディアブロ IV」をCERO Zで出せるということは、我々も喜ばしく感じていて、できるだけ表現に制限がない“生”の「ディアブロ IV」を皆さんに楽しんでもらえればと思っています。
ショーシェリー:様々な悪魔をゲームに詰め込みましたので、日本の皆さんにも悪魔を倒す手伝いをしていただけると幸いです。皆さんに「ディアブロ IV」をプレイしてもらえることをとても楽しみにしています。
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