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本日、BloombergのJason Schreier氏が映画製作会社“Annapurna Pictures”のインディービデオゲームパブリッシングレーベル「Annapurna Interactive」について、Nathan Gary社長や幹部を含む全スタッフが辞職し、提携中のデベロッパやパートナーが混乱に陥っていると報告し話題となっています。

Jason Schreier氏によると、これは“Annapurna Interactive”が独立・法人化を目指し、親会社である“Annapurna Pictures”および創業者ミーガン・エリソン氏との交渉を進めていたところ、エリソン氏が交渉から手を引いたことで、Nathan Gary社長を含む幹部が辞職し、これに全スタッフが続いたというもの。

既に、Annapurnaの広報とミーガン・エリソン氏がBloombergの確認に応じ、全スタッフの辞職が事実であることを認めており、前述の通り独立を巡る合意に達することができず、今回の状況に至ったと明言。

Annapurna側は、既存のゲームや全ての現行プロジェクトがAnnapurnaの下に留まると前置きした上で、この“移行期間”中も開発者とパブリッシングパートナーのサポートを継続することが最重要事項だと述べ、既存のビデオゲームのみならず、映画やテレビ、ゲーム、劇場において、リニアとインタラクティブのストーリーテリングを統合的に扱う機会を模索しながら、インタラクティブ分野でのプレゼンスを拡大することに全力を注いでいると説明。従来と変わらないレーベル運用の継続を強調しています。

また、先月Epic GamesからAnnapurnaに復帰したAnnapurna Interactiveの共同創設者Hector Sanchez氏が、Nathan Gary社長の後任となるレーベルの新社長に就任しており、Annapurna Interactiveは既存の契約を遵守すると説明しています。（※ Hector Sanchez氏と同じく、Epic Gamesで企業戦略チームを率いていたPaul Doyle氏もAnnapurna Interactive入りしており、新たなストラテジー部門の責任者となっている）

また、辞職したNathan Gary元社長とスタッフグループも共同声明を発表しており、チームに在籍していた25人全員が一斉に辞職したことを報告。これがこれまでに最も困難な決断であり、決して軽々しく行動したものではないと強調しています。

Annapurna Interactive側が事業の継続を強調する一方で、デベロッパやパートナーからは突然の事態に困惑する声が上がっており、Nidhogg 2のリードアーティストToby Dixon氏が開発を率いるローグライトアクション「Morsels」やThe Artful Escapeを生んだBEETHOVEN & DINOSAURの新作「Mixtape」、初代ブレードランナーと続編2049の間に起こった出来事を描く「Blade Runner 2033: Labyrinth」、No Codeファン待望の次回作「Silent Hill: Townfall」など、多数控えている新作の動向に大きな注目が集まるところです。

なお、“Annapurna Interactive”は、2016年12月に設立されたインディーパブリッシャーで、Giant Sparrowが開発を手がけた「What Remains of Edith Finch」やMountainsの「Florence」、Ben Esposito氏の「Donut County」、Fullbrightの「Gone Home」、Mobius Digitalの「Outer Wilds」、Sam Barlow氏の「Telling Lies」、Simogoの「Sayonara Wild Hearts」と「Lorelei and the Laser Eyes」、BlueTwelve Studioの「Stray」、Cardboard Computerの「Kentucky Route Zero」、Outerloop Gamesの「Thirsty Suitors」など、近年の豊かなインディーゲームカルチャーを象徴するような数々の傑作を世に送り出したことで知られています。