先日、GLHFが匿名ソースから得た未確認情報として、スタジオ全体の4分の1に相当する従業員のレイオフと一部プロジェクトのキャンセルを報じ話題となっていた「ZA/UM」ですが、“ディスコ エリジウム”の父Robert Kurvitz氏とAlexsander Rostov氏による訴訟問題を含むスタジオの動向に注目が集まるなか、「ZA/UM」が今回の噂に関する声明を発表。レイオフが事実であることを明らかにしました。
PC GamerやInsider Gamingの確認に応じた“ZA/UM”は、以下のように伝えています。
全てのスタジオと同じく、新プロジェクトが始動すれば増員し、キャンセルがあれば縮小するように、我々は進行中の業務に応じてチームの規模を調整します。
才能に満ちた同僚を失うことは常に困難なことであり、ZA/UMに深く貢献してくれた退職者には感謝しています。
今のところ、レイオフの規模や現行プロジェクトの詳細は不明ですが、前述したGLHFの報告では、全従業員のおよそ4分の1に相当する24人の従業員がレイオフの対象となったほか、幾つかの未発表プロジェクトについて以下のような未確認情報が報じられていました。
■ GLHFが報告したプロジェクトの状況、いずれも真偽不明
- コードネーム“X7”:“ディスコ エリジウム”のスタンドアロン拡張。ZA/UMのEd Tomaszewski社長は、この拡張が完成までにあと1~2年必要で、本編よりも多くの時間と労力を要する可能性があると語ったと伝えられている。レイオフの多くは、“X7”チームを対象とするもので、この“X7”はキャンセルされたとのこと。
- コードネーム“Y12”:“ディスコ エリジウム”の続編、2022年にキャンセル。
- コードネーム“P1”:新規IPとなるSci-Fiゲーム、2023年にプロジェクトが中止もしくは保留となった模様。
- コードネーム“C4”:現在進行中のプロジェクト。今のところ具体的なディテールは不明
- コードネーム“M0”:現在進行中のプロジェクト。こちらは“ディスコ エリジウム”IPに関連するタイトルと見られる。
- レイオフの対象となるグループには、3D/2Dチーム、技術アーティスト、プロダクション部門、IT部門、アニメーター等が含まれているとのこと。
- 匿名ソースの1人は、現“ZA/UM”の経営陣が旧“ディスコ エリジウム”チームやメディア、スタジオの従業員など、あらゆる場所に敵がいるかのように振る舞っていたと説明。困難な現状が過去の不始末によるものであり、結果としてベテランよりも新たに雇用した新人が重んじられる状況となっていたほか、女性が平等に扱われず、業績も十分に評価されていなかったとのこと。別の匿名ソースは、現在のZA/UMが“ディスコ エリジウム”において批判されていた存在そのものになってしまったと伝えている。
さらに、昨日GLHFが今回の噂に関する続報として、“ディスコ エリジウム”のライターを務めたArgo Tuulik氏のコメントを報告。Argo Tuulik氏を含む“X7”プロジェクトのライターチーム全員がレイオフの対象となったことが判明しています。
ZA/UMの最初期メンバーの1人でもあるArgo Tuulik氏は、2022年夏から“X7”プロジェクトに参加していたことを明かし、“X7”がキャンセルとなる最後の2ヶ月間はスタジオ内が焦燥感と燃え尽き症候群、対立が充満していたと説明。スタジオの状況について以下のように発言しています。
■ ライターArgo Tuulik氏の報告
- 2月15日にレイオフを告知するメールがスタジオ内に送付された2時間後、スタジオでビデオミーティングが実施され、CEO Ilmar Kompus氏と彼の右腕である義弟Tõnis Haavel氏、Ed Tomaszewski社長が“X7”プロジェクトのキャンセルとレイオフの実施を報告。この3人が事前に選んだ質問に回答したものの、会議に参加した従業員のマイクとコメント機能は無効化されていたとのこと。Argo Tuulik氏は、ZA/UMのビデオ会議でマイクとコメントが禁止されたのを初めて見たと伝えている。
- 経営陣の3人は、このビデオ会議において「我々は知的な成長を育み、チーム間の強力な共同体意識を高めることで、単に面白いだけではない、深い意義をもつゲームを手がけている」と発言したとのこと。Argo Tuulik氏はこの発言が余りに現状にそぐわない非常識な物言いだと批判している。
- ZA/UMの経営陣は独自の選考基準に基づく従業員のスコア付けを行い、全従業員の3分の1に及ぶスタッフを点数の低い順から選定し解雇すると説明。ミーティングの終了後に人事部から通知が送られた。
- Argo Tuulik氏は、魚(組織)は頭から腐ると語り、2月15日のZA/UMは、チクシュルーブ隕石の衝突によって恐竜が絶滅する10秒前のような状況で、極めて陰鬱な雰囲気に満ちていたと伝えている。
- また、Argo Tuulik氏は(現ZA/UMの経営陣がメディアを敵視する大きな要因の1つとなった)People Make Gamesが公開した長編ドキュメンタリー“Investigation: Who’s Telling the Truth about Disco Elysium?”がスタジオにもたらした影響についても言及しており、オリジナルの“ZA/UM”から現“ZA/UM”への移行は、ソビエト連邦からファシストが支配するロシア連邦に代わったようなものだったと説明。彼らは死んだ文化運動(つまりオリジナルの“ZA/UM”)の皮をまとい、共産主義者を演じながら、ドルや円のために嘘を付いたと語り、PMGのドキュメンタリーはスタジオで個人的な力関係を含む多くの物事を変化させたが、良いことは1つも無かったと強調。今後も“ZA/UM”は永遠に1つのゲームだけを完成させたスタジオであり続けるだろうと強く批判している。
- カルチャームーブメントとして“ZA/UM”を成した個々のメンバーは、脱皮したキングコブラのように企業を置き去りにしたと語ったArgo Tuulik氏は、皆は(ディスコ エリジウムのエンディング近くで描かれた)我々の約束「Un jour je serai de retour près de toi」(※ いつかあなたのそばに帰る)を覚えていてほしいと示唆的なメッセージを遺している。
なお、同じくレイオフの対象となったライターDora Klindžić氏(2022年参加)もGLHFの確認に応じており、スタジオの状況が流血沙汰だけが残った内戦時代の90年代ユーゴスラビアのようだったと語り、レイオフの影響を最も強く受けたのはスタジオの労働条件に苦情を申し立てた従業員たちだったと伝えています。
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