現在開催中のE3においてプレイデモンストレーションなどが行われているid softwareの新作「Rage」、ジョン・カーマックが手掛ける最新エンジンid Tech 5の高い表現力、FPSとカーレースのハイブリッドであるユニークなゲーム性など、大きな注目を集めるタイトルの1つです。
そんな本作のプレイ映像やスクリーンショットが登場、開発が順調に進んでいる事が伺える内容となっています。クオリティの高さは本当に目を見張るばかりで、id Tech 5の完成度に期待が高まります。
E3のデモンストレーションは”Crazy Joe”と呼ばれるキャラクターの小屋からスタートし、この世界の中心的な街であるWellspringから商品を仕入れるクエストを受ける事となります。その後ミュータントとの戦闘や車での移動を経てWellspringに到着、街の給水施設が襲われている状況でクエストが進行、新たな地域”Dead City”に赴き研究施設の探索を行うまでが実演されているようです。
最初に掲載した映像では上述のクエストの内、給水施設での戦闘などが納められており、Wingstickと呼ばれる刃のついたブーメランの様な武器で敵の首を切り落とす様子や、リモコン操作の爆弾を備えた小さなラジコンカー、敵を自動迎撃する無人タレットなどの登場が確認できます。
さらにクロスボウを利用するシーンでは電撃を備えた弓を射出するシーンが納められており、ステルスプレイのようなスタイルでゲームを進める様子も見られ、FPSプレイも幅広いスタイルが用意されている事が判ります。
そして、やはり特筆すべきは以下のスクリーンショットや車での移動シーンなどで見られる圧倒的な表現力でしょうか。今回のデモンストレーションはXbox 360を利用して行われているようですが、Crysis 2やHalo: Reach、Killzone 3といった近年注目のタイトルともまた少し方向性を違えるように感じる表現のテイストや、特徴的なキャラクターのモーションや表情の仕上げ方がとても興味深く感じられます。
先日とても美しい新スクリーンショットが公開されたRage、カーマックがようやく本気で取り組み始めたid Tech 5とid Tech 6エンジンですが、Bethesdaが開催した先月末のイベントにおいてBethesdaの副社長を務めるPete Hines氏が来るidのタイトル達について言及、「彼らが開発中のDoom 4とRageはid Softwareの本当のポテンシャルを世界に見せつける事になるだろう」と発言しました。
Hines氏はid Softwareと共にある事が大きなアドバンテージだと述べ、idのシュータージャンルへの豊富な経験と専門知識がBethesdaにもたらされている事を明らかにしています。
Rageの出来上がりも凄まじい事になっていますが、今年のQuakeconではDoom 4の登場も期待されており、長らく奮わなかったidですが今年の夏は熱い事になりそうです。
Rageのエンジンであるid Tech 5は、Enemy Territory:Quake Warsで開発されたメガテクスチャー技術を大きく改善した物で、CUDAやLarrabeeのサポートも果たされ、近年流行の技術を一通り実装しつつ、カーマックらしい哲学に溢れたユニークなエンジンとなっています。
さらに開発が進められているid Tech 6はDoom 4に採用されるか?とも噂されており(id Tech 5で作られるという話も同様に存在します)、エンジンとしてはカーマックらしくOpen GLベースの物で、ボクセルモデリングにレイトレーシング、物理演算などに注力した革新的なエンジンとされています。ただカーマックは現在のコンソールでこれを実現するハードウェアが無いとも発言しており、Rageの完成度が今後のロードマップに影響を与えそうな気配ではあります。
ボクセルにレイトレという進路、そしてid Tech 5でのOpen CL採用など奇しくもエンジン技術での大きなライバルでもあるCryEngineと同じ進路を指し示しており、両エンジンの新タイトルCrysis 2とRageの成功やパフォーマンスは今後のゲームビジネスを大きく左右する指標ともなりそうな状況になっています。
DoomやQuakeなどを生み出し、現在は最新作「Rage」の開発を進めているFPSジャンルの先導者id SoftwareのJohn Carmack氏が3月9日から13日までサンフランシスコのMosconeセンターで行われるGDC 2010において、ゲームデベロッパ特別功労賞(Game Developers Choice Awards Lifetime Achievement Award)を受賞する事が明らかになりました。
GDCのボスMeggan Scavio氏は「John Carmackとid Softwareは現代の3Dゲーム、とりわけFPSジャンルにおいて巨大な影響を与えました。Johnはビデオゲームの歴史の重要人物の一人です。我々は今年特別功労賞を彼に贈れる事を大いに喜びます」と語り、John Carmack氏の功績を称えています。
GDCのゲームデベロッパ特別功労賞はこれまでに任天堂の宮本茂氏、そしてSimsシリーズの生みの親Will Wright氏などが受賞しています。授賞式は3月11日にGDCのイベント内で行われます。
idファン期待の新作「Rage」はゲームプレイも技術的にも注目する点が多い話題作ですが、久しぶりにゲームプレイに関する小ネタが聞こえてきました。同タイトルのディレクターを務めるTim Willits氏がTotal PC Gamingに語ったところによると、Rageでは過去のidタイトル達から多数の武器を登場させるとの事。
RageはFPSとカーレースのハイブリッドタイトルとなっており、通過の概念が存在します。レースや戦闘で稼いだお金でプレイヤーや車のパワーアップを図ったりできる訳ですが、ユニークな過去の武器を登場させる事でゲームプレイをバラエティ豊かな物にしたいとの事です。
具体的に何が登場するのか明らかにはされていませんが、往年のidファンには楽しみなニュースがひとつ増えました。電撃ハンマーとか斧、BFG9000あたりが蘇ると楽しそうです。
Modern Warfare 2のPC版で火が付いたマルチプレイのdedicatedサーバ問題ですが、先日id softwareで「Rage」の開発を進めているジョン・カーマック氏が、現段階では同作にdedicatedサーバを用意するつもりが無いことを明らかにしました。
最近になって噴出しているdedicatedサーバの問題についてカーマック氏は「いい事は私たちがそのパイオニアになる必要がない事だ」とカーマックらしい合理的な発言をしています。いずれにしてもまだRageのリリースは来年から再来年に掛けて行われると考えられており、やはり同氏の言うとおりパイオニアとなるInfinity Wardのお手並み拝見といった所なのでしょうか。
今月行われたQuakeConで大きく注目を集めたid Softwareの新作RAGE、クオリティの高い映像とユニークなゲーム性が見事に混在しており、技術的にも興味深いid Tech 5の存在もあってユーザーとしてはMODであれこれ触れるのかとても気になる所です。
id SoftwareのCEOを務めるTodd Hollenshead氏によると、まだMODについては議論の途中ながら、ユーザーによるMOD開発が可能にするべきだと考えているとの事。しかしid Tech 5上でのMOD開発はこれまでのものに比べ相当に難易度が高い模様で、そうとう緩やかな学習曲線を覚悟しなければならないようです。ただしそれらをサポートする材料の用意はあるとの事。
さらに話題がカーマック氏の本気エンジンとされるid Tech 6を利用して開発されているDoom 4に触れたところ、同氏は開発は進められている事をアピール、タイトルも現段階では正式に決まっておらず、ただ”DOOM”と言ったり”New DOOM”と読んだりな状況らしく、まだまだ先が長そうな気配でした。
QuakeCon 2009において素晴らしいトレイラーも公開され、とうとうその姿を現し始めたRAGE、会場ではプレイアブルなデモも出展され、各メディアのファーストプレビューが出そろいました。
今回展示されたデモは1~2時間程度のボリュームで、導入からFPSでの戦闘、バギーでの移動やカスタマイズに町で参加可能なバギーレース、そして”Mutant Bash TV”と呼ばれるテレビ局が運営する闘技場の様なアトラクションまで、かなりのボリュームが盛り込まれた内容になっています。
今回は気になるあれやこれを一気にまとめてお届け!ストーリーや序盤のネタバレを多く含みますので閲覧にはくれぐれもご注意ください。 (続きを読む…)
QuakeCon 2009でのJohn Carmack氏の基調講演、先ほどお伝えした前編ではidの体制や今後の取り組みについて、iPhone編ではモバイル市場への強い意気込みを見せたJohn Carmack氏、後編ではいよいよ新トレイラーで世界中の度肝を抜いた注目のRAGEについて話が及びます。
まず先月同氏が発言して大きな議論を呼んでしまった、RAGEのPS3とXBOX 360に関するフレームレートの差についての問題に触れ、「PS3は大きなパワーを持っており、XBOX 360はプログラムがしやすい」と両プラットフォームの特徴を簡単に話しました。その上でSONYファンが怒るであろう事は知っていたが、今はコンソール機に以前よりもずっと親密に接していると、両コンソールに対して注力している事を説明しています。
さらに自戒をこめてか、XBOX 360への実装では巨大テクスチャのストリーミングや取り回し等で、かなりの余分な拡張作業が必要だったと言葉を加えています。
さらに話はWiiについても及び、モーションセンサー技術を賞賛、id softwareのタイトルがWii上に無い事を残念だと語りました。モーション認識等の近未来的な技術について大きく興味があるようで、例としてMITメディアラボが研究を進めているSixth Sense テクノロジーの技術デモ映像を再生しました。
これらを踏まえて同氏は「つまるところ、目指すのはライトセーバーです」との事。元々3D映像技術のフロンティアであるCarmack氏、彼の興味の対象はすでにこういう未来に向いているのかもしれません。併せて近年力を注いでいた宇宙開発ベンチャーにも言及、ZeniMaxによる買収以来、ゲーム開発に力を入れている事を伝えるように強いられている様に感じると不満を述べています。(確かに買収後、突然同氏の発言やインタビューが多くなりました)
こういった次世代テクノロジーの発展に重ねて、新エンジンであるid Tech 5の話題に戻ります。id Tech 5の大きな特徴として上げられているのがテクスチャの仮想化による効率化ですが、同氏はこの次のステップはジオメトリの仮想化だろうと予想しています。現在のゲーム開発のほとんどは高解像なハイレゾモデルがあり、その後にリデュース処理などを経てローポリモデルが生成されます。同氏によるとローポリモデルの生成はいずれ無くなるだろうとの事。
RAGEの開発では現実的にはまだエンジニアとアーティストの間での戦いが多く、現場ではpre-computed lighting(原文まま、テクスチャへのライトマップやアンビエント・オクルージョン等の焼き込みかと思われます)によって開発がスムースに進められたとの事。
同氏は先月のFPS差発言でも明らかなように、新エンジンの出力パフォーマンスを注視しています。中でも新エンジンで力を入れているのはマルチコアやマルチスレッドなCPUにおける効率的な並列処理で、SIGGRAPH 2009で発表したid Tech 5の技術資料でも触れていたレンダリング過程における各処理の反応時間などにも言及、ゲーム開発は既にハードウェアの物理的な壁に到達しているとの見解を併せ、並列処理を加速するために各処理ステップ以外のテクスチャや垂直同期などの部分でもパフォーマンスを上げるための枠が残されていると話しています。
さらにマウスとキーボードが未だにFPSの最も正確なコントロール方法であると発言。(どうもゲーミング関係のサプライにも手を出しているのでしょうか……)
最後にATIやNvidiaのようなハードウェアメーカーの継続的な発展がPCグラフィックをリードするだろうと発言、それこそが次世代コンソールの新しい姿だろうと、今年の基調講演を締めました。
いかにもJohn Carmack氏らしいリップサービスの薄いコアな基調講演であったと言えるでしょうか。このまま一先ず宇宙等は休んでいただいて、ぜひゲーム技術を牽引していって欲しいと願います。
QuakeCon 2009で注目を集めているJohn Carmack氏の基調講演、前編ではidの今後の取り組みなどに触れ、後編ではRAGEの話題などをお知らせする予定でしたが、iPhoneについての講演内容が意外と盛りだくさんだったので、後編の前に番外としてiPhoneの話題をお知らせします。
まずCarmack氏は今後のiPhoneアプリへの取り組み方やスケジュールについて言及し、1ヶ月おきにタイトルをリリースしていきたいと話しました。来年にはDoomやQuake、Wolfenstein 3Dなどのid softwareのクラシック作品をiPhoneでリリースする予定だそうです。
そしてリリース済みのDoom Resurrectionがシングルプレイしか遊べない事を残念がるユーザーが多かった事を明らかにし、現在マルチプレイに対応するために開発を進めているそうで、Carmack氏曰く「OS3.0は万能」との事。Doom Resurrectionの後にはiPhone3GSをターゲットに、FPSタイトルのDoom IIIをリリースするとの事。同氏は3GSのパワーアップに大きな可能性を見いだしている様です。
さらに現在開発を進めているRAGEをテーマにしたレーシングゲームなどの可能性についても語り、iPhone版で成功しているMystのファイルサイズが700MBを超えていたことに触れ、idのiPhoneタイトルも今後ファイルサイズを増していき大作化していくだろうと話しました。
今年はテキサス州のGaylord Texan Resortで開催中のQuakeCon 2009、John Carmack氏の基調講演も終わり、講演内容が明らかになってきました。
まず、今年に入ってid SoftwareがBethesdaの親会社であるZeniMaxに買収された事に触れ、ゲーム開発者として取り組んでいる事に本質的な変化は無い事などを前置きとして話しています。しかし、そうした状況で資金的な余裕ができた事から、現在id Software内ではトリプルAタイトルを3本並行して開発を進めている事を明らかにしました。
さらにトリプルAタイトルに取り組んでいる担当チームについて語り、一つはDoomチームが開発にあたっている事、これは今回は言及されなかったDoom4の事と思われます。さらに一つは素晴らしいトレイラーも公開されたばかりRAGEチーム、3つめのチームについては言及されず、さらに未発表の大きなタイトルを手掛けている事が明らかになりました。。
その後、Carmack氏はQuake Liveについて言及、同タイトルの成功までにはまだ1年ほどの時間を見ており、Quake Liveにも専任のチームを充てているとの事。
後編ではいよいよRAGEに関する話題や、各プラットフォームに関する話題に突入します。
さて、いよいよ始まったQuakeCon 2009、さっそくRAGEの新しいトレイラーが公開されました。以前お知らせしたid Tech 5エンジンの表現力ですが、動画で見るとさらに凄いことになっています。
前回お知らせした新エンジンの技術資料には影表現に関する事は詳しく書かれていませんでしたが、動画では複数光源からのセルフシャドウなども確認でき、こちらもクオリティの高さが伺えます。
さらに爆発等のパーティクル表現も非常にボリューム感があり、レース時のシーンなど素晴らしく大迫力な物に見えます。表現力も見所満載ですが、何よりもゲームプレイがスピード感に溢れていてさらに期待は高まります。蛇足ですが、雲のもっくもく感が異常です!
8月3日からニューオリンズで開催中のCG分野では最大のイベントであるSIGGRAPH 2009において、id Softwareが開発中のRAGEの為に作られた新エンジンid Tech 5についてのカンファレンスを行い、その資料が公開されました。
公開された資料の中にはRAGEの新しいスクリーンショットが含まれており、なかなか強烈な仕上がりになっています。資料ではid Tech 5のテクスチャ生成を初め並列処理に関するエンジンのコア技術の概要が解説されてあり、非常に興味深いものとなっています。
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