先月初めに傑作「ディスコ エリジウム」を生んだ3人の最重要人物Robert Kurvitz氏とAleksander Rostov氏、Helen Hindpere氏がビジネス的なトラブルによりスタジオ「ZA/UM」(Zaum Studio OÜ)を去ったことが報じられ、その後Robert Kurvitz氏が株主としての権利に絡む問題でスタジオを提訴し、2022年11月28日にエストニアで最初の裁判が行われることが判明していました。
歴史的な傑作を生んだスタジオとクリエイターの数奇な運命と不透明な状況に注目が集まるなか、本日なんと「ディスコ エリジウム」の父であるゲームディレクターRobert Kurvitz氏と本作のアートディレクターAleksander Rostov氏が連名でZA/UMの現状に関する声明を発表。ようやく渦中の2人から現状に関する幾つかの背景が語られました。
ディスコ エリジウムのファンへ、ZA/UMの状況について
(Robert KurvitzとAleksander Rostovより)私たちRobert KurvitzとAleksander Rostovは、ディスコ エリジウムのゲームディレクターとアートディレクターを務めました。私たちはエストニアのZaum Studio OÜと呼ばれる会社の少数株主として、このゲームに関するすべての権利を保持しています。この会社の株式の大半は、初期資本を投資したエストニアの実業家で投資家でもあるMargus Linnamäeが保有していましたが、2021年にLinnamäeは別の少数株主Tütreke OÜによって買収されました。このTütreke OÜは、2人のエストニア人実業家Ilmar KompusとTõnis Haavelgの会社です。
少数株主である私たちの権利には限界がありますが、Linnamäeが大株主である限り会社の財務は健全で、すべての株主が平等に扱われると信じていました。しかし、KompusとHaavelgはそうではなく、彼らが大株主になった直後に私たちは通常業務から外され、雇用が打ち切られただけでなく、会社の情報へのアクセスも断たれたのです。
新たに、Tütreke OÜがZaum Studio OÜの経営権を詐欺的な手法によって取得した可能性があることが明らかになりました。Tütreke OÜが過半数の株式を購入するために費やした資金は、Zaum Studio OÜから違法に取得したものであり、我々はスタジオとすべての株主に属する資金がTütreke OÜの利益のために利用されたと考えています。この資金は、本来であれば続編の製作に当てられるべきものでした。これらの行為(当方の弁護士の見解では、3年以下の懲役となる犯罪行為に相当するものです)は、Ilmar KompusとTõnis Haavelgがもう一人の少数株主であるKaur Kenderの支援を受け実行したものだと確信しています。主犯格と思われるTõnis Haavelgが2007年に別件で投資家をだまし有罪判決を受けた経緯を考えると、これは驚きに値しません。[https://www.riigiteataja.ee/kohtulahendid/fail.html?fid=303963621](注:リンク先はエストニアの法律や裁判に関する国営文書管理サイトRiigi Teataja)
私たちは現在、法的な対応を検討しているところです。エストニアとイギリスで、民事と刑事告訴の両方を計画しています。
言うまでもなく、私たちにとって極めて困難な時期でした。5年に及んだ過酷な開発の末に何百万人もの人々に愛されるディスコ エリジウムをリリースしたその代償として、私たちはあっさりと解雇され、人生を捧げたエリジウム世界から切り離されたのです。共に築き上げたスタジオは略奪され、私たち自身の収入は訴訟費用にすら満足に捻出できません。
これまで、私たちは声を上げることを避けてきました。これは、今もZA/UMで働いている仲間達への配慮と、私たち自身の精神的な健康を憂慮したもので、すべて自発的に選択してきたことでした。しかし、私たちが抱いている疑惑の深刻さ、そして証拠の重大さを考慮すると、そろそろ会社で何が起こっていたのか、知らせてもよい頃合いだと考えています。
ディスコ エリジウムを愛したファンの皆が貴重な心の支えとなってくれたことに心から感謝しています。私たちはゲームを信じ、私たち自身を、そしてあなたを信じています。何百万人ものRPGファンがディスコ エリジウムのようなゲームが多くの人に受け入れられることを証明してくれました。これは本当に素晴らしいことであり、誰もこれを我々から奪うことはできません。
我々はハリー・デュボアのいう“法”を信じてもいるのです。法律は決して完璧ではありませんが、産み出す者を奪う者から守るために存在しています。そして、そうなるでしょう。
Robert Kurvitz – ゲームディレクター
Aleksander Rostov – アートディレクター
現段階でRobert Kurvitz氏とAleksander Rostov氏の主張が事実かどうか、当然ながらその真偽は不明ですが、二人が報告した今回の内容は、ディスコ エリジウムの誕生に大きく貢献した最初期メンバーの一人で、失意の底にあったRobert Kurvitz氏を奮い立たせたKaur Kender氏が首謀者を手引きしたという衝撃的な内容であり、以前にご紹介したタリンで行われる最初の裁判、そしてスタジオが本来あるべき姿を取り戻すことができるか、さらなる続報に大きな注目が集まるところです。
なお、Robert Kurvitz氏やAleksander Rostov氏、件のKaur Kender氏の関係、および2人がディスコ エリジウム誕生の最重要人物と呼ばれる所以については、当サイトでご紹介した第2回特集に詳しくまとめてありますので、興味がある方はそちらをご確認ください。
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