Noclipが傑作「ディスコ エリジウム」の長編ドキュメンタリーをアナウンス、Robert Kurvitz氏とAleksander Rostov氏、Helen Hindpere氏の出演も判明

2025年1月7日 17:03 by katakori
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「Disco Elysium」

昨年10月中旬に傑作「ディスコ エリジウム」の精神的後継を謳う3つの新作と3つの新スタジオが突如としてアナウンスされ、この新スタジオや現ZA/UMを巡る新たな法的トラブルが発生し話題となっていますが、極めて複雑な状況に陥っている「ディスコ エリジウム」とZA/UM、そしてオリジナルクリエイターたちに関する動向に注目が集まるなか、数々の優れたビデオゲームドキュメンタリーで知られる“Noclip”が、遂に「ディスコ エリジウム」の長編ドキュメンタリーをアナウンス。なんと、ZA/UMとディスコ エリジウムの誕生にまつわる最重要人物たちであるRobert Kurvitz氏とAleksander Rostov氏、Helen Hindpere氏のインタビューを行ったことが明らかになりました。

Noclipが公開したドキュメンタリーの予告、3人の姿がはっきりと確認できる

Noclipの主催者Danny O’Dwyer氏によると、今回のドキュメンタリーは2023年春に制作が始まり、その後の紆余曲折により一旦休止となったものの、2024年4月に制作を再開し、2024年7月には(夏のタリンで)なんと1週間に及ぶ3人のインタビューを実施し実現したとのこと。

Noclip版「ディスコ エリジウム」ドキュメンタリーは、今後2ヶ月以内に公開予定で、今のところ1本の長編となるか、エピソードに分割されるか、詳細は決まっていないものの、“ZA/UM”の前身であるアート集団の“ZA/UM”誕生や「ディスコ エリジウム」の礎となった初期のテーブルトークRPGキャンペーン、ビデオゲームの開発、アートスタイル、執筆、傑作を作り上げた友人グループたちの物語が語られるとのこと。

ここまでが、ざっと表面的なニュースですが、「ディスコ エリジウム」の動向を追っているファン向けに幾つかの背景を補足的にご紹介しておきます。

前述したドキュメンタリーの中断というのは、People Make Gamesが2023年5月に公開した2時間半に及ぶ長編ドキュメンタリー「Investigation: Who’s Telling the Truth about Disco Elysium?」の影響によるもの。ご覧になった方はご存じかと思いますが、このドキュメンタリーは非常に広範囲なインタビューによって構成され、多くの発見や事実関係の確認ができる素晴らしい内容でしたが、ことRobert Kurvitz氏とAleksander Rostov氏については、(色々はしょりますが)端的に言ってかなり良くない、気難しい人物である印象を与える内容でした。

Danny O’Dwyer氏は、PMG版が公開される以前、2023年春にRobert Kurvitz氏とのやりとりを開始し、その後Aleksander Rostov氏とHelen Hindpere氏も加わり対話を進めていたものの、法的な論争を含む様々な議論や憶測を過熱させたPMG版の公開によりDanny O’Dwyer氏とRobert Kurvitz氏の双方がインタビューに対するモチベーションを失ったと説明。PMGドキュメンタリーの影響でRobert Kurvitz氏は深く傷つき、Danny O’Dwyer氏もまた映像の中のRobert Kurvitz氏とAleksander Rostov氏がまるで別人のようだったと伝えています。

その後、1年近い冷却期間を経て、2024年4月にインタビューのラウンド2が双方の合意によって再開され、前述の通り2024年7月にDanny O’Dwyer氏がタリン入り。丸1週間を掛けて、3人と新スタジオで過ごしたり、古いZA/UMのスタジオを訪れたり、Aleksander Rostov氏とHelen Hindpere氏が子供時代に過ごした場所を散策したり、交流を深めながらアート集団“ZA/UM”や“ディスコ エリジウム”の誕生について話し合ったとのこと。

“ディスコ エリジウム”のドキュメンタリーを公開するにあたって、細心の注意が必要だと語るDanny O’Dwyer氏は、Noclipの作品がマーケティングやプロパガンダに使われないよう常に注意を払ってきたと述べ、様々な告発や訴訟が渦巻く「ディスコ エリジウム」問題のただ中で世論を動かす新たな道具になることに全く興味はないと明言。議論の多くを占める金銭的なトラブルや知的財産を巡る争いではなく、この時代を象徴する最も偉大なビデオゲームの1つとなった「ディスコ エリジウム」を巡る物語を記録し、視聴者がビデオゲーム開発について思いを巡らせ、それぞれの結論を導き出すための手助けがしたいのだと伝えています。

今回話題に上ったPeople Make Gamesのドキュメンタリーについては、(もちろんPMGが悪いわけではないのですが)前述の問題やその後の悪影響を鑑み、筆者が確認したところ一部の重要人物が明確かつクリティカルな嘘を付いている箇所も見られるなど、扱いの難しい背景があってご紹介していなかったのですが、その後も収束どころか、どんどん悪化している事態や一部関係者の窮状、PMG版の影響と文脈がNoclip版で言及される可能性を踏まえると、Noclip版に向けて一度このPMGドキュメンタリーを視聴しておけば、現状の理解がより深まるかもしれません。

また、現在まさに法的トラブルの中心で極めて困難な状況に陥っているArgo Tuulik氏(※ 初期“ZA/UM”とその前身である少年達の不良グループ“The Overcoats”の中心メンバーの1人であり、“ディスコ エリジウム”とファイナルカットのメインライターの1人) が出演するThe 41st Precinctの第1弾インタビューも数日前に公開済みとなっています。こちらも中々興味深い内容が語られるインタビューとなっていますので、Noclip版を楽しみにしている方はこちらも併せてチェックしておいてはいかがでしょうか。

件のPMGドキュメンタリー
今月5日に公開されたばかりのArgo Tuulik氏インタビュー
情報元及びイメージ:Patreon

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