「Five Nights at Freddy’s」を生んだクリエイターScott Cawthon氏がビデオゲーム開発から引退、シリーズの今後は氏が自ら選ぶ後任に託される予定

2021年6月17日 23:08 by katakori
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「Five Nights at Freddy’s」

2014年の記念すべき第1作目誕生以来、7年に渡って数々のシリーズタイトルがリリースされ、独自の強固なファンコミュニティを形成する一大人気フランチャイズとなったお馴染み「Five Nights at Freddy’s」シリーズ(以下:FNAF)ですが、最新作“Security Breach”や映画化、幾つかの未発表プロジェクトに関する進捗と続報が待たれるなか、新たにシリーズを生んだクリエイターScott Cawthon氏が公式サイトを更新し、ファンコミュニティに対するメッセージを掲載。なんと、ビデオゲーム開発から引退を決めたことが明らかになりました。

これは、先週末から政治資金の監視団体経由でScott Cawthon氏がドナルド・トランプ元大統領をはじめ、米下院情報委員長を務めたデビン・ヌネス下院議員、ベン・カーソン元住宅都市開発長官、共和党上院のリーダーであるミッチ・マコーネル議員、共和党のアフリカ系アメリカ人女性候補者として話題となったキンバリー・クラシック氏など、著名な共和党議員に多額の献金(およそ4万ドル強、ただし民主党のトゥルシー・ギャバード議員に対する献金もある)を行っていたことが判明し、Scott Cawthon氏もこれを認めたことから、一部メディアやFNAFファンの多くを占めるLGBTQコミュニティ、その他一部のゲーマーから否定的な意見や脅迫を含む強い反発の声が上がる状況となっていたことに起因するもの。

この紛糾を受け、週末にはScott Cawthon氏自ら前述の献金や政治的な信条、トランプ元大統領を含む共和党支持およびトゥルシー・ギャバード議員を支持した背景、そして自身が共和党員で敬虔なキリスト教信者、中絶反対派であることを明確にした上で、同時に平等や科学、常識も信じ、(相反すると考える見方も多い)これら全ての事柄は共に1つになることができると強調。キンバリー・クラシック氏やトゥルシー・ギャバード議員に対する支持を含め、黒人コミュニティやLGBTQコミュニティにより良い影響を与える候補を熟慮し選んできた過去の行動について、謝罪するつもりはないと明言。

自身が常にクリエイターを支持し、全ての人々を公平に扱い、尊重と敬意を持って接するよう務めてきたと語った氏は、長年共に仕事をしてきた仲間には様々な属性の人々が存在し、これまで人種や宗教、ジェンダー、志向を気にしたようなことはなかったと顧み、例え信条が違えども、多種多様な人たちと共にあることがあるべき姿であり、これからもそうありたいと強調。ただし、自身の行為が結果的にLGBTQコミュニティに対して良い影響よりも、大きな損害を与え、悪い行いをしていると受け止められるようであれば、ビデオゲーム開発から身を引いたほうが良いのかもしれないと引退を示唆していました。

こういった経緯で本日公式サイトに掲載されたScott Cawthon氏の声明には、FNAFを支えたファンコミュニティに対する感謝の言葉と、クリエイティブで才能に満ちたファンベースの誕生を目の当たりにした7年の驚きに満ちた経験、多大な愛と支援を受けたLGBTQコミュニティに対する思い、そして6人の子供達を含む家族への愛情がまとめられており、氏はファンの皆にどうか引退の決断を尊重してほしいと伝えています。

なお、今後のFNAFフランチャイズについては、Scott Cawthon氏が自ら選んだ信頼する誰かに運用が託される予定となっており、こちらは改めて発表が行われるとのこと。

今回の問題とその顛末は、心から悲しい出来事であり、これほどまでに強烈な作家性を持つクリエイターを失うことは、ビデオゲーム文化そのものにとって極めて大きな損失だと言えますが、こういった思想信条や政治、ジェンダーに関係するセンシティブな個別の事象を、イデオロギー的に二元化することで問題を矮小化し相容れない対象を排除してしまう安易な“キャンセル”ムーブメントは、しばしば本来必要だったはずの議論や対話、相互理解を遮断し、実際に焦点を当てるべき様々な事情や過程を大きな勝敗の裏に隠してしまうことで、誰もが何も得られないばかりか、却って問題に対する取り組みや状況を一歩後退させてしまいます。

決して他人事や対岸の火事ではないこういった出来事に、ゲーマーやメディア、業界がどう向き合うべきなのか、すぐに答えが見いだせる問題ではありませんが、せめてScott Cawthon氏の引退が必要な議論や問いを生むきっかけとなること、そして氏と家族が安全で平和に過ごせることを切に願います。

情報元及びイメージ:Kotaku, Scott Games

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