特集 第5回:「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」における“スキル”とは何か?全24種の概要とインプレッションまとめ

2022年8月9日 12:34 by katakori
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「Disco Elysium」

前回の第4回特集は、今後の特集におけるさらなる掘り下げの準備として、「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」のシステム面に関する情報を一気にまとめてご紹介しました。

第5回となる今回の特集は、前回ご紹介した仕組みを踏まえた上で、本作の最も不思議で面白い要素の一つ「スキル」がどんな役割を果たし、どんな特徴を持っているのか、全体的な構造や個々の魅力に焦点を当ててみます。

「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」における“スキル”とは何か

「Disco Elysium」
本作に登場する全24種のスキル一覧

前回の解説でご紹介した通り、本作のスキルは主人公のアビリティ(知性と精神、肉体、運動能力)によって分類され、アビリティ毎に6種、計24種が存在しており、強化するスキルの種類によって、ゲームのプレイスタイルだけでなく、ときにはゲームの展開そのものが大きく変化することさえあります。

これらのスキルは主人公の人格の断片を擬人化したもので、しょっちゅう主人公に語りかけてくるだけでなく、それぞれが独自の役割や能力、性格、考え方の傾向、欲求、目的、動機等を持ち合わせています。

また、完全版としてフルボイスオーバーに対応した「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」の全スキルには、独自の“声”が用意され、その全てをロンドン出身のジャズミュージシャンでラッパーでもあるLenval Brownが担当しており、50万ワードにおよぶダイアログをゆったりと包み込むような素晴らしいバリトンボイスで演じ、語り手のような役割を果たしています。

本作を言い表す文言として、“24の人格”がしばしば見受けられますが、「ディスコ エリジウム」の作中に登場するあらゆる要素に綿密な背景や独自のリアリティラインが用意されていることは、当然この“スキル”の存在そのものにも及んでいて、単にビデオゲームのメカニクスとして24の人格(スキル)が存在し、便宜的に1人の人物が全スキルのボイスアクトを兼任しているわけではなく、ここにもしっかりとした構造的な背景が用意されています。

というわけで、今回は個々のスキルを紹介する前に、一旦本作における“スキル”とは何なのか、“24の人格”のタグラインをもう少し掘り下げ、整理しておきたいと思います。

自己防衛としての人格解離

「Disco Elysium」
会話の矛盾を突く“修辞学”スキル、このアドバイスに基づく選択肢も確認できる

そもそもの前提として、脳内の人格を擬人化してスキルとして利用し、現実世界の出来事と脳内の会話が同時に進行するような仕組み自体に前例がなく、システム的にも内容的にも余りにぶっとびすぎていることから、設定の奇抜さに目を奪われがちですが、本作に登場するスキル達は、それぞれが異なる人格として独立し機能しているのではなく、あくまで人格の断片として様々な身体機能を分担しながら、互いを阻害することなく不安定な主人公を支える重要な役割を担っています。

主人公は記憶を失うほどの薬物・アルコール中毒によってかなり分裂気味な状況に陥っているものの、主人公(プレイヤー)とスキル達の間には明確な主従の関係があり、主人公の脳と心をめぐる自由意志と自己決定権はプレイヤーがしっかり手綱を握っているわけです。

つまり、「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」のスキルは、人格が入れ替わった際に本人の記憶が失われているような(フィクションでしばしば見かける憑依型の)多重人格を描くものではなく、考えが酷くとっちらかっている人物の脳内で起こっている意思決定や判断のプロセスを詳細にシミュレートするもので、主人公が直面している脳内の酷い混乱やスキルが語りかけてくるような状況、後述する二人称で書かれたテキストが生み出す没入感と傍観の両立、現実感の消失は、むしろ非憑依型の解離性同一性障害の症状にかなり近いと言えるでしょう。

この状況は、心的外傷から自分自身を守ろうとする防衛的な反応から起こる人格の解離や切り離しを示していて、その結果生まれた24種のスキルが、白紙となってしまった主人公をどう見つめているのか、その観点から本作の物語やスキルとの関係性に着目すると、単なるビデオゲーム的クリシェではないスキルのシステムや彼らが語るダイアログの奥深さがより味わいを増すはずです。

脳の構造から見る“スキル”の位置づけ

「Disco Elysium」
“修辞学”のスキルを利用して住民に金を渡すよう説得する主人公

前項では、スキルと主人公の関係について言及しましたが、次は全スキルのボイスアクトをLenval Brownが担当している背景に焦点を当ててみましょう。

本作には、まるで『ドグラ・マグラ』の冒頭に匹敵するような(しかも状況が驚くほど似ている!)、強烈なオープニングが用意されていて、脳の部位である古代爬虫類脳と辺縁系が主人公に語りかけてきます。

本作には、スキル以外に存在する脳内の部位として、古代爬虫類脳と辺縁系、謎に包まれた脊髄が登場しますが、それぞれが異なる“声”(※ 爬虫類脳は低くかすれた男性の声、辺縁系は男性のファルセットでどこか女性的な語り)を持っており、スキルのLenval Brownとは別に、ボイスアクターでミュージシャンでもあるMikee Goodmanが爬虫類脳と辺縁系の声を担当しています。

ZA/UMのリードライターHelen Hindpere氏は、本作に登場する全てのスキルが大脳新皮質の後部、頭頂連合野の後ろから後頭葉あたりに存在していると明言しており、キャスティング用の資料から24種のスキル達が大脳新皮質後部の声を共有しているという設定が判明しています。

主人公の脳内で繰り広げられるやりとりは、実際の脳と脊椎に基づく4つの層、脳幹や小脳を含む最も原始的な“爬虫類脳”、本能や自律神経を司る“大脳辺縁系”、“脊髄”、そして知覚や記憶、言語、思考等を司り、人間的な知性と意識を宿す“大脳新皮質”によって構成されており、それぞれが言葉を発する状況も脳の構造的な機能に基づいて描かれているわけです。

つまり、本作のスキルというのは、主人公の大脳新皮質の後頭野で生じるニューロンの電気反応を部位毎に分類したもので、行動や知覚の神経相関を見事に再現しているシステムでもあるわけです。

では、現実の外界と接触する一方で、脳内では様々な部位に語りかけられながら、フロントエンドとして内外のやり取りを媒介する主人公とは何者なのでしょうか。

二人称で描かれる物語

「Disco Elysium」
主人公に「おまえ」と語りかけてくるスキル“肉体装置”

これまでにもご紹介してきた通り「ディスコ エリジウム」は、テーブルトークRPGに強くインスパイアされたCRPGとして知られており、ダイスロールによるスキルチェックを備えたダイアログやロールプレイ重視のキャラクタービルド、会話が主体となる膨大なテキストといったTRPG的要素を特色としています。

しかし、実のところ本作のゲームプレイを通じて最も強いテーブルトークRPG的体験・感覚をもたらしているのは、全体に共通する二人称と現在形で書かれた文章そのものです。

二人称と現在形による文章というのは、分かりやすい例をあげると「目の前に小さな箱が置かれたテーブルがあり、奥には2つの扉が見える。さて、あなたはどうする。」といった、“語り手”と“あなた/きみ”によって構成されるテキストを指します。

これは、テーブルトークRPGにおけるゲームマスターとプレイヤーの関係にそのまま当てはまるわけですが、クラシックなゲームブック等でも馴染み深く、高い没入感を持つ一人称視点の文章やインタラクティブなテキストの作成に適しています。

しかし、ことビデオゲーム分野においては、『Zork』をはじめとするクラシックなテキストアドベンチャー(国内だと『ポートピア殺人事件』におけるヤスとボスが分かりやすいでしょうか)やビジュアルノベルに見られる一方で、現代では無口な主人公や特殊なギミック、特定ジャンルの様式美として用いる場合を除いて、すっかりマイナーで忌避されがちな手法となり、大作等で使用される機会はすっかりなくなってしまいました。

これは、近年ますます没入感が増し、リアル化の一途を辿るメジャーなビデオゲームにおいて、語り手に対する“あんた誰?”という疑問をテクニカルに回避しない限り、二人称の文章が没入感を損ないかねないリスクを常に抱えていることによるものです。

その点、「ディスコ エリジウム」は主人公がまっさらな人間であり、語り手が脳内に複数存在するという状況があることから、自然な形でテーブルトークRPG的な体験を再現することに驚くほどマッチしているわけです。(ゲームマスターが存在する近年のTRPG系CRPGで言えば、Larianの傑作“Divinity: Original Sin 2”でさえ、ダイアログの人称問題に苦戦した経緯を思い出す方もいるでしょう)

しかも、「ディスコ エリジウム」の二人称ライティングは、単にテーブルトークRPG的なダイアログのやりとりにマッチしているだけではなく、驚くべきことにストーリーテリングに対してさらにもう一歩先に踏み込んだ効果をもたらしています。

本作は、脳内の語り手達(爬虫類脳、大脳辺縁系、24種のスキルが属する大脳新皮質後頭野)と主人公の間で、完全な二人称の関係が確立されている一方、冒頭でご紹介した通り主人公の思考や心にまつわる自由意志と自己決定権はプレイヤーがしっかり手綱を握っているわけです。

脳内の部位から語りかけられ、これを受け止め判断と決定を下しながら、現実世界の他者との関わりを媒介する主人公、ひいてはプレイヤーとは何者なのか。

脳から得た情報、行動や知覚の神経相関と一定の距離を保ち、外界への橋渡しを行う主人公の存在は、体のどこかに存在するはずの心、あるいは自由意志そのもののようにさえ思えます。

ちょっとだけ踏み込んだ話をすると、本作には超巨大な決定論的世界が存在する一方で、砂粒のように微細な主人公の自由意志、もしくは心が存在しているわけで、本作はエンタメ的に自由意思と量子的ゆらぎ、決定論的世界の共存を描く極めて興味深い作品だと言えるわけです。

一旦話しを戻しますが、こういった構造は、キムを(ポートピア殺人事件におけるヤスのような)語り手にせずに済む解決法の一つでもあり、これによってキムの人間的な魅力を存分に掘り下げることを可能にしているだけでなく、対等な相棒として真の『TRUE DETECTIVE/トゥルー・ディテクティブ』的体験をも可能にしています。

また、(高度な二人称ダイアログによる)スキルを含む脳内の声達と主人公の距離は、当然ながらロールプレイを楽しむことにも完璧にマッチしていて、どんな刑事をプレイしても違和感なく楽しめるだけでなく、本作をプレイヤー自身のイデオロギー/政治的指向や暴力性、他者との関わり方を詳らかにする鏡、もしくは試薬のようなプレイまで可能にしています。

プレイヤーが“自分”として「ディスコ エリジウム ザ ファイナル カット」をプレイする際には、スキルの取捨選択が非常に大きな意味を持ちます。

自分だったらどんなスキルが得意で、どんなスキルが不得意だろうか、そんな視点で個々のスキルを眺めてみるのもまた一興というものでしょう。

という訳で、今回は4つのカテゴリに分類される全24種のスキルの概要とインプレッションをまとめてご紹介します。

論理的な思考を司る「知性」

「Disco Elysium」

「Disco Elysium」■ 論理

「むき出しの知力を身につける。世界を推論する。」

徹底的な分析により、証拠をつなぎ合わせ、証言の矛盾を見破り、結論を導く捜査官の必須能力。

レベルが高いほど複雑な謎が解けるようになるが、レベルが低いと簡単な謎にも惑わされる。

インプレッション:論理は眼前の状況を冷静に判断してくれたり、過去の出来事と照らし合わせて複数の情報を整理してくれたり、忘れがちなことをリマインダーのように教えてくれたりと、まるでAIアシスタントのように便利な人。
 
プライドは高いけど、新しい情報を得て、あ、わかった!みたいなことを思わずもらす可愛いところもあります。

「Disco Elysium」■ 百科事典

「全知識を駆使する。興味をそそるトリビアを披露できる。」

大量の情報で主人公を事実に基づくデータベースに仕立て上げ、あらゆる物事の背景知識が参照可能となる。

高レベルになると、膨大な量の情報を手に入れることができるが、レベルが低いと眼のまえの手がかりだけで捜査を進めることになり、骨が折れる。

インプレッション:その名が示す通り衒学的で博覧強記の人。

ものすごい勢いであれこれ教えてくれるので、結構うっとうしいけれど、“エリジウムを学ぶこと”において、彼ほど役立つ人はいません。すごいスキル。
 
膨大な知識に基づくアドバイスや推測を提供してくれることもあって、まったくゲームプレイに役立たないというわけでもありません。
 
酷い知りたがりやでもあって、それを制限されると不機嫌になることもある、全体的に面倒くさい人。

「Disco Elysium」■ 修辞学

「説得の技術を磨け。厳たる知的談話を満喫せよ。」

討論や知的談話、あら探しに長け、議論の分解や人が本当に言いたいことの理解が可能となり、虚偽に惑わされることも減る。

高レベルになると、岩のように強固な信念を持つことができるが、レベルが低いと、矛盾を突くことができず、いかなる相手も論破するのに苦労することになる。

インプレッション:雑談や議論を交わす際にしばしば姿を見せるお役立ちスキル。
 
一呼吸おいて、しゃべろうねと落ち着きを促してくれる冷静な仕切り役で、こんなこといったらダメだよ、そんなことを口にしたら皆がどう思うかななどと、丁寧にケアしてくれる面倒見のいい人。

「Disco Elysium」■ 演劇

「演者を演じろ。嘘をつき、嘘を見破る。」

世界を舞台のように捉え、その上で演じることを求める。舞台上で嘘をつき、話をでっちあげ、人格を装い、演出を施すことで相手の演技や嘘を見抜くことが可能となる。

高レベルになると、感情発作や被害妄想に陥りやすい傲慢な役者と化すが、レベルが低いと相手の嘘を見抜くことができない。

インプレッション:非常に優秀な嘘発見器として役立つだけでなく、多くの危機的な状況をはったりで切り抜けれられる非常に楽しいスキルです。
 
相手の微妙な変化やちょっとした動きにも敏感に反応するほか、他のスキルと一緒になって演劇のような言い回しを披露することもあって、会話の見せ場が多いのも魅力的。

「Disco Elysium」■ 概念化

「クリエイティビティを理解する。世界にアートを見出す。」

物事に新たな関連性を見出し、世界をアートとして掘り下げ、自分なりの見立てを加えることで、主人公をクリエイティブなアート刑事にすることを望んでいる。

高レベルになると、生きる意味に大胆で壮大なショーを求めるようになるが、レベルが低いと創造的な観点から物事を見ることができない。

インプレッション:物事の分析や論理的な考えが行き詰まった状態で、新しい視点を与えてくれる有能なスキル。
 
しゃべりが大仰で批評家タイプなので、少々うざったいけれど、だいたい彼の提唱するアート刑事の意味が分からなさすぎる上、論評が独創的すぎるので、結局あれこれ読まされてしまう。面白スキルの一角。

「Disco Elysium」■ 視覚計算

「犯罪現場を再構築する。物理法則を法のしもべとしろ。」

心の眼で仮想の犯罪現場を作りだし、数学的に正確な弾道計算や足跡から持ち主の身体的特徴まで見抜くような、優れた分析を可能にする事件捜査特化スキル。

高レベルになると、仮想の現場作りに熱中しすぎてしまうが、レベルが低いと犯罪現場の再構築や検証が困難になる。

インプレッション:知覚に似ているが、数学や物理といった知識に基づく分析を得意としていて、Batman Arkhamシリーズを思わせるような捜査ビジョン系の視覚効果や演出も実に楽しい。
 
最も派手なスキルの一つ。

感受性や心、他者への影響力に関係する「精神」

「Disco Elysium」

「Disco Elysium」■ 意思力

「自分を見失わない。気力を維持する。」

酒や女性、自傷行為など、あらゆる誘惑に抗えるよう、主人公が他者や自分自身に対して“いい人”であることを求める。

スキルポイントを割り振ることで主人公の“気力”が増加する重要スキルでもある。

高レベルになると、思慮分別が増し、平常心を失わないが、場の空気が読めなくなる。一方、レベルの低さは“気力”の少なさと直結するため、プレイ中の危険が増すことになる。
 
インプレッション:継続や集中力、意思の強さを重んじるまじめな人。他者の強い意志や決意にも敏感に反応します。
 
生きているだけで偉いと主人公を褒めてくれるので、いい人です。
 
感情や意思の維持を重視しているので、主人公が泣いたり崩れおちそうになると困ってしまう可愛い面もあります。

「Disco Elysium」■ 内陸帝国

「直感、虫の知らせ。覚醒夢。」

内陸帝国は、創意や感情、予感の源泉であり、視認できないもの、不可解な謎に対する洞察が得られる。

高レベルになると、無生物に生命が宿り、衣類との会話が可能になる。レベルが低いと主人公は宇宙を形づくる想像力を持ち合わせない人物になってしまう。

インプレッション:日本語版では、他のスキルと大きく口調が異なり、執事のように喋る本作で最もキャラの立っているスキルの1人です。
 
とにかく嫌みで皮肉屋、びびり、うやうやしくも仰々しい口ぶりで結構ふざけてくる愉快な人ですが、妄想癖がかなり酷く、直感的に適当なことを言う困った人でもあります。
 
普段はぎりぎりまでいい加減かつ適当な人ですが、主人公の精神が傷つくような状況を察知すると、全力で止めに来る思いやりのある一面も持ち合わせています。
 
なお、内陸帝国という不思議な名称は、英語版の“Inland Empire”に基づく訳ですが、これはもちろんデヴィッド・リンチ監督の最も難解な作品の一つ『インランド・エンパイア』から取られたもので、映画を観た方であれば、あれ級の妄想・妄言が繰り広げられるといえば分かりやすいでしょうか。
 
(※ 蛇足ながら、元ネタの“インランド・エンパイア”という言葉は、本来カリフォルニア州南部のリバーサイド市とサンバーナーディーノ市を中心とする都市圏を指す地域の名称ですが、映画のタイトルとなったのは、この地域が関係しているからというわけではなく、リンチが単にこの言葉の響きを気に入ったことによるもの。これを口にしたのは、主演のローラ・ダーンでしたが、響きを気に入ったリンチは、それ以上何も聞きたくないとローラ・ダーンの説明を遮ったことが知られています)

「Disco Elysium」■ 共感

「他人を理解する。ミラーニューロンを働かせる。」

他者の魂に触れ、見落としがちな手がかりや隠された悲しみ、奇妙な喜び、ひそかな恨みを知ることができる。

高レベルになると、他人の立場で物事を考えるようになり、他者の悲運に涙を流し、不当な状況に激怒するなど、主人公の情緒不安定さが増す。ただし、レベルが低いと相手を不快にさせることが増えてしまう。

インプレッション:誰かの表情の裏に隠されている感情や隠し事、悲しさ、真剣さのような機微を見事に汲み取って教えてくれる有能スキル。
 
キムの優しさとか、口には出さない感情なんかも読み取ってくれるので、キムといちゃこらするプレイには必須でしょう。
 
主人公に他者への理解を促したり、過去の失敗を反省したり、役立つシーンが多いものの、マルティネーズでは共感から得られる他者の感情が悲しいものである場合が多く、結局しんみりしがちなのも味わい深いところ。
 
共感性の高さから場面を仕切りたがるケースがあるほか、人間の感情だけでなく、目の前の情景や物質にまで切なさや寂しさを感じてしまうセンチメンタルな面もあります。いい人。

「Disco Elysium」■ 権威

「大衆を威圧する。己の主張を押し通す。」

周囲の他者に支配権の主張を求めるが、チンピラとの力関係や犯人の追及、事態の掌握等に役立つ。

高レベルになると、相手に高い敬意を要求し、ないがしろにされると一触即発の状態になりかねない。レベルが低い場合には、叱りつけた少年に笑われ、気まずい思いをするだけでなく、精神が衰弱するリスクにも見舞われる。

インプレッション:文字通りの権力好き。他者との駆け引きに役立つが、いつも偉そうで、力を誇示することに執着し、他者からの評価を酷く気にしている尊敬されたがり。
 
高潔さが取り柄ですが、差別的なところもあってちょっと困った人。

「Disco Elysium」■ 団結心

「41分署とつながる。警察文化を理解する。」

団結心は警察の魂そのものであり、相棒や兄弟姉妹たちのことが深く理解可能になる。

高レベルになると、自ら銃弾を受け身代わりになるような自己犠牲を払うが、レベルが低いと、刑事として右も左もわからず、さりげない合図も理解できず活躍の機会を逃してしまう。

インプレッション:刑事としての活躍やチャンスに敏感な人。
 
なぜか51分署の状況を正確に把握する、マジックリアリズム系の不思議な能力を持っていて、仲間の信頼に飢えています。
 
結果としてキムの行動や合図の意図、感情なども粒さに教えてくれるので、キムを愛でるプレイには必須のスキルです。

「Disco Elysium」■ 暗示

「男も女も魅了する。裏で糸を引き、人を操る。」

自分が望むことを相手も望むように仕向けることで、市民の好意を得る誘導やギャングの仲間割れさえ引き起こすことが可能となる。

高レベルになると、人当たりが良くなり、相手の魅力に惑わされることも減るが、レベルが低いと信頼関係を築くことが難しくなり、孤独な人物になってしまう。

インプレッション:人間の裏の顔や本音、隠された動機なんかを探って教えてくれるけれど、かなりのニヒリスト。
 
状況の類推や相手の実力の分析にも秀でていて、相手を操ったり誘導したりする際に役立つアドバイスをくれます。
 
皮肉屋なので、相手の皮肉にも敏感に反応しますが、弱った相手に優しさを見せるような意外な一面もあります。

主人公の力強さを示す「肉体」

「Disco Elysium」

「Disco Elysium」■ 耐久力

「殴られてもへっちゃら。世界に殺されるな。」

主人公の新陳代謝、そして循環系であり、刑事として生きながらえることに影響する。

スキルポイントを消費するレベルアップで“体力”値が増える重要スキル。

高レベルになると肉体的なダメージやドラッグによる消耗、多少の心不全でさえものともしない強者となるが、レベルが低いと過酷な刑事家業に耐えられない虚弱体質になってしまう。
 
インプレッション:肉体的なダメージや変化に関する解説役で、他者の肉体的な変化や反応にもよく気がついてくれます。
 
自分(主人公)の肉体を信頼している自信家タイプで、典型的なマチズモ。女性蔑視もあり。
 
疲れや吐き気といった肉体的な危険信号もすぐ教えてくれます。

「Disco Elysium」■ 痛覚閾値

「痛みを払いのけろ。これしきの痛みは屁でもない。」

痛覚閾値が肉体的なダメージを無視することで、血まみれでも這いずりながら、最後の最後まで突き進むことが可能となる。

高レベルになると、著しく自滅的な行動が可能になるが、レベルが低いとすぐに苦痛を感じてしまい、ティーンエイジャーにビンタされただけで泣きわめいてしまう。

インプレッション:痛みや精神的な苦痛を感じると出現するので、結果的に重要な場面での出番が多い人。
 
ぎりぎりの危険に目がない生粋のマゾヒストですが、命の危険や安全性に対する見解は信頼でき、主人公の安全を願う一面もあって印象的なスキルです。

「Disco Elysium」■ 肉体装置

「たくましい筋肉を見せつけろ。内蔵も健康そのもの。」

筋肉や骨格の作りだけでなく、これを使いこなす能力も司り、荒っぽい世界を生き抜くための優れた解決法となる。

高レベルになると、ひと蹴りでドアや鎖を破壊し、虚弱者をあざわらう。一方、レベルが低いと逮捕にさえ苦労してしまう。

インプレッション:自分の肉体だけでなく、相手の肉体、身体的特徴に凄く敏感で、様々な情報を教えてくれます。
 
この人も耐久力と同じく酷い自信家で、好戦的かつストイック、良くも悪くも男らしさを象徴するようなマッチョです。
 
力仕事と腕力を振るうことが大好きで、とにかく主人公を奮い立たせ鍛えようとする鬼コーチでもあります。

「Disco Elysium」■ 電気化学

「パーティ惑星にひとっ飛び。ドラッグを愛し、ドラッグに愛される。」

快楽に耽ることを切望する野獣。ドラッグによる副作用が軽減され、ショッキングな事件の捜査が容易となるほか、イカれた変人との会話にも役立つ。

高レベルになると、取り返しが付かないほど快楽の虜になってしまうが、レベルが低いとドラッグもセックスも知らない世間知らずの人間となり、街の理解が困難となる。
 
インプレッション:内陸帝国に匹敵するキャラ立ちすぎの一人。ドラッグ、酒、タバコ、ジャンクな旨いもの、快楽が大好きな愛すべきダメ人間。ただ、薬物や酒に対する知識だけは、異常に充実してて笑わせてくれます。
 
とにかく刹那的で、ことあるごとに盗みやもらいタバコを進めてくる困った人。
 
有毒な男性性を象徴するような性格で、表面的なカッコよさやタフさみたいなものも大好物です。
 
とにかくぶっとんで現実を忘れたい人なので、異世界の話題なんかにも興味を示すのが興味深いところ。

「Disco Elysium」■ 悪寒

「身の毛をよだたせ、街に耳を傾けろ。」

気温が下がると表れ、周囲に対する認識が高まり街の声が聞こえるようになる超自然的能力。

レベルが高いと他人の話を聞き入れず、街の声だけに耳を傾けるようになってしまう。一方、レベルが低いと街の声を聞く機会が激減してしまう。

インプレッション:都市の風景や眼前の状況をとにかく細かく、詩的かつ寂しげに描写してくれる面白い人。ただ、びっくりするほどネガティブです。
 
切なげで陰鬱な描写が多いものの、テキストの高品質さも相まって、ゲームプレイの雰囲気がぐんと増すので割とオススメです。
 
景観や都市の描写に特化しているので、ときおり都市や国、地域に関する情報を教えてくれることも。

「Disco Elysium」■ 薄明

「肉体に従え。人々をおびやかせ。」

“薄明”は、闘争・闘争反応で、物事の雲行きが察知できるようになり、相手に恐怖を植え付けるだけでなく、手遅れになるまえに行動することも可能になる。

高レベルになると、世界に対して極めて過敏になり、自分や影、他人の名前、においにまで恐怖心を抱くようになるが、レベルが低いと生存本能に欠け、手ぬるい手段しか行使できなくなる。
 
インプレッション:他者の恐怖や畏怖、不穏な状況などを中心に状況分析を提供してくれるスキル。とにかく陰気でネガティブで、強い絶望に包まれています。
 
いじわるな面もあって、自分が有利な場合は相手を煽ったり、ちょっとした悪いことなんかを勧めてくる困った人。
 
相手が弱いと強気で、女性差別的な面も持ち合わせているが、恐怖に敏感な分、本当に危ない時はしっかり教えてくれるので、ある意味頼りになる場面も少なくありません。

五感や動きのしなやかさに関係する「運動能力」

「Disco Elysium」

「Disco Elysium」■ 手と目の強調

「かまえ、狙え、撃て!」

誰かが投げたコインや銃弾など、空を飛ぶものに関する理解が増し、射撃が上手くなり、銃器に詳しくなる。

高レベルになると、武器を持った主人公は凶器と化し、発砲せずにいられなくなる。しかし、レベルが低いと銃弾の狙いを外し、厄介なことになってしまう。

インプレッション:主人公の機敏さを示す銃器特化スキルです。
 
銃に対する造詣も非常に深く、銃器版百科事典のような知識を提供してくれることもあり、捜査に大きな貢献を果たしてくれます。

「Disco Elysium」■ 知覚

「すべてを見、聞き、嗅げ。いかなる細部も見逃すな。」

視覚と聴覚、嗅覚をフル稼働させ、大切なへそくりや床下に隠されたもの、容疑者の生唾を呑む音まで、見落とされがちなものに気付くことができる。

高レベルになると、圧倒されるほどの情報を取り込むことできるが、レベルが低いとすべてを見落とし、誰も逮捕できない。

インプレッション:視覚や嗅覚を経由して得た情報を細かく教えてくれるだけでなく、情報を整理して、総合的な判断までしてくれる、頼りがいのあるスキル。
 
強烈な個性は持ち合わせていませんが、確実に仕事をしてくれるゲームプレイで大いに役立つ優秀な人の一人。

「Disco Elysium」■ 反応速度

「いち早く反応する。誰も手出しができない。」

心と体の機敏さをあらわす本能。パンチやナイフ、銃弾、言葉による不意打ちまで回避できるようになる。機転の速さが他の知性スキルと相乗効果を生む場合もある。

高レベルになると、収縮反射が異常に高まり、極度の神経過敏になってしまうが、レベルが低いと撃ち合いの場面で相手を先んじることができない。
 
インプレッション:反応速度は、素早い行動や会話中に生じるとっさのやりとりなんかに反応して、語りかけてくるスキルで、会話の流れに対するちょっとした違和感や辻褄の合わない箇所なんかにも気が付いて教えてくれる有用スキルの1つです。
 
会話中に突然思い出す、あ!そういえば!みたいな気づきも彼の役割。
 
主人公を熱心に応援し、勇気づけてくれることもある素敵な人です。

「Disco Elysium」■ 才覚

「音もなく忍び寄り、堂々たる態度で圧倒する。」

ディスコとスタイリッシュさにこだわる目立ちたがり屋のスキル。抜群の運動センスで重要な証拠を盗み出したり、市民をうならせるクールな刑事になれる。

高レベルになると、周囲の視線を釘付けにするレヴァショール一のクールガイになれるが、レベルが低い場合は、どじな刑事としてくすぶるしかない。
 
インプレッション:異様に向上心が強く、がんばれ!もっとやれる!と主人公を熱心に応援してくれる人。
 
たくさん辛いことがあったのに、捜査がんばっててえらい!すごい!とほめて伸ばしてくれるが、現状認識についてはシビアで、厳しい現状や体制に対する怒りを伝えて、主人公を鼓舞する一面もある。
 
イデオロギー面で重要なスキルの一つでもあります。

「Disco Elysium」■ 手さばき

「機械を自在に操る。スリもピッキングもお手のもの。」

機械との繋がる求めることで、機械の修理や改良に関する知識が高まる。また、機械的な知識を活かした盗みも可能となる。

高レベルになると、機械との対話を重視することで、社会から孤立する。一方、レベルが低いと犯罪に手口に深く関わる機械への理解が不足し、事件の解決が困難となる。

インプレッション:機械の故障なんかに敏感で、手先の作業で何かをどうかすべきか、しっかり分析して手順なんかを教えてくれる修理屋さん。ピンボールマニア。
 
盗みも好きだけど、ものが欲しいのではなく、盗めそうかどうかが気になって仕方がない変な人。

「Disco Elysium」■ 平静

「背筋を伸ばす。感情を顔に出さない。」

落ち着きを保ち、人前で取り乱さず、誰に対しても強い姿勢を貫くことができるようになる。他人のボディランゲージや動揺を読み取ることも可能で、かっこいい刑事になれる。

高レベルになると、例え誰にも見られていないときでもかっこよさを保つよう、気を抜くことは許されない。一方、レベルが低いとすぐに取り乱してしまい、刑事として長続きしない。
 
インプレッション:相手が取った行動やしぐさの意味、相手と周辺を取り巻く状況なんかを冷静に判断してくれる心強いスキル。
 
文字通り、常に平常心で決して動揺を見せなず、頼りになるかっこいい人。異常にそっけないですが、たまにデレることもあって可愛いです。
 
会話している相手のちょっとした違和感なんかも敏感に感じ取り、まるでシャーロック・ホームズのように活躍してくれます。

という事で、今回の特集はここまで。お気に入りのスキルは見つかったでしょうか。

次回の特集は、本作の非常に独創的なシステム「思考キャビネット」を掘り下げてみたいと思います。

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