昨日アメリカのビデオゲーム業界団体Entertainment Software Association(以下:ESA)が過去6年間に渡って争ってきたカリフォルニア州の未成年に対する暴力ゲームの販売規制法の是非について米連邦最高裁が違憲判決を下したことをお伝えしましたが、本日ESAの2011年Q1の有価証券報告書から、今四半期にESAが政治的なキャンペーンに110万ドル(約8900万円)の予算を投じていたことが明らかになりました。
この報告は最高裁の判決後すぐに行われたもので、前述の予算は規制法案廃止に関するロビー活動の他、暴力表現を備える成人向けのゲームへの義務的な警告の表示キャンペーンに加え、著作権侵害に対するキャンペーン、スキルの高い外国の開発者に対するビザやグリーンカードの発行などに利用されたとのこと。
普段はE3の開催やESRBレーティングの運用などでお馴染みのESAですが、昨今の北米におけるゲーム産業の隆盛はこういった活動や相互サポートの上になりたっていることが強く感じられる象徴的なニュースだと言えそうです。
昨日“エルシャダイ”でお馴染みのIgnition Entertainmentが内部スタジオでの開発を全面的に中止し、パブリッシング事業へのシフトを決定したとお知らせしましたが、プロジェクトの安否が心配されていた“WarDevil: Unleash the Beast Within”こと「Project Kane」がどうやら再びキャンセルになったとの未確認情報が報じられています。
昨日遂に第3弾のマップパック“Annihilation”がXbox 360の先行リリースを迎え、非常に早いペースでDLC展開を成功させてきた「Call of Duty: Black Ops」、Treyarchが開発を手掛けた“Call of Duty: World at War”のマップパックは第3弾で打ち止めでしたが、どうやらCall of Duty: Black Opsでは更なるマップパックの登場が用意されている模様です。
昨晩G4TVやGameTrailers、USA Today、IGNなどお馴染みの海外メディア35団体から構成されるGame Critics Awardsの“Best of E3 2011”が発表され、総合部門を始め計4部門でIrrational GamesのBioshock新作「BioShock: Infinite」が受賞を果たしたことが明らかになりました。
先日はGameTrailersのE3 Awardsでも総合ベストを始め多くのに部門に選出されたBioShock: Infiniteですが、Game Critics Awardsではノミネートされた4部門全てがベストタイトルに選ばれており、Ken Levine氏の新作にかかる期待と革新性が本物であることがひしひしと感じられます。
その他BethesdaのTESシリーズ新作「The Elder Scrolls V: Skyrim」が2部門を受賞、ホリデーシーズンの直接対決に注目が集まるアクション部門では“Battlefield 3”が“Call of Duty: Modern Warfare 3”を下し、ハードウェア部門ではPlayStation Vitaが受賞を果たすなど、今後の動向を含め非常に興味深い内容となっています。
以下全部門のノミネートタイトルと受賞作品の紹介となりますが、リスト1つ目の強調表示されたタイトルが受賞作品で、以下がノミネートとなっています。
本日カリフォルニア州で2005年に承認を受けて以来、6年に渡って争われてきた未成年への暴力ゲーム販売を規制する州法“AB 1179”に米連邦最高裁が違憲判決を下したことをお伝えしましたが、早速この法案作成を手掛けたカリフォルニア州の上院議員Leland Yee氏が今回の判決に強い批判を示しました。
Leland Yee上院議員は今回の判決について、米連邦最高裁がアメリカの子供達に対する関心よりも企業国家としての利益を優先すると語ったに等しいと述べ、最高裁の判決によって、子供達の精神的な健康と国民のコミュニティにおける安全を犠牲にし、ウォルマートとビデオゲーム産業は今後数十億ドルの利益を生み出し続けるだろうと発言、ビデオゲーム産業が親の権利と子供達の安寧の上に利益を置くことはシンプルに悪い事だと強く批判しています。
また、裁判に関わる8年間の間に行われた法廷闘争が多くの親や祖父母達にこの問題を意識させることに成功し、この問題意識を基に適切にゲームを評価することで、結果ビデオゲーム産業がより良い取り組みを果たすようになったと確信していると、長きに渡る争いが無駄ではなかったと示唆しています。
米連邦最高裁の違憲判決によって、しばらくは落ち着きを見せるであろうビデオゲームにおける暴力表現の規制ですが、Yee上院議員の主張が本来争われてきた表現の自由に関する是非から、ビジネスにおける二元的な善悪に(よくある)すり替えを見せていることや、先人であるハリウッド映画が体験したヘイズ・コードの台頭と衰退、そしてそれに纏わるコンテンツの変化を鑑みれば、まだまだゲーム産業にもこれから多くの乗り越えるべき試練が待ち受けていることは間違いありません。
当サイトでは“WarDevil: Unleash the Beast Within”のアクロバティックな経緯でご紹介してきたIgnition Entertainment、国内では東京スタジオが開発を手掛けた“エルシャダイ”が大きな注目を集め話題となりましたが、以前から内部スタジオの閉鎖騒動に加え、短いスパンでころころと変わる発表の内容など、外部からもかなり混乱した内情が窺える状況が続いていました。
そんなIgnitionが再びビジネス的に大きな転機を迎えた模様で、内部スタジオによる開発を全面的に中止し、外部スタジオを利用したパブリッシング事業にシフトすることがIgnitionのディレクターを務めるShane Bettenhausen氏の発言から明らかになりました。
E3の開催やESRBレーティングなどでお馴染みのビデオゲーム業界団体Entertainment Software Association(以下:ESA)が6年間に渡って争ってきたカリフォルニア州の暴力ゲーム販売規制法案ですが、去年の11月2日に最高裁で行われた口頭弁論に始まった審理を経て、昨日遂に米連邦最高裁がこの法案に対し、言論の自由を侵害する違憲なものだと判断を下したことが明らかになりました。
未成年に対して暴力ゲームの販売を規制するこの法案は2005年にカリフォルニア州のLeland Yee上院議員によって記されたもので、当時州知事を務めていたアーノルド・シュワルツェネッガー氏がこれに署名した(現在はジェリー・ブラウン州知事が引き継ぎ)ことからEMAとESAによる裁判が開始され、これまで北カリフォルニア地方裁判所と巡回控訴裁判所での裁判が行われ、いずれも違憲との判断が下されていました。
裁判官9人による票決は7対2だったとのことで、Antonin Scalia連邦最高裁判事は例え未成年の保護を目的としても、カリフォルニアの規制法案は合衆国憲法修正第1条に記された信教、言論、出版、集会の自由に適合するものではないとの見解を示しており、ビデオゲームに改めてアートや映画、文学などと同様の“言論の自由”が適用されるべきであることが米連邦最高裁により保証された形となりました。
なお、11月に行われた口頭弁論ではESAがビデオゲームにおける暴力表現について、非常に冷酷な内容が描かれているグリム童話などを挙げ、白雪姫の毒リンゴ表現や、王妃が焼けた鉄の靴を履かされ、踊りながら殺される結末、シンデレラの姉妹がハトに目をつつかれ、ヘンゼルとグレーテルが魔女をオーブンで焼き殺すなどの残酷な表現など、既存のメディアがビデオゲームと同様の暴力表現が伴うものだと主張しており、Scalia判事も今回の判決ではゲームを遊ぶことと読書が合衆国憲法修正第1条の下で同様の行為だと述べ、作品の表現や良し悪しにおける差異は合憲と違憲の判断に関係するものではないと明言しています。
米連邦最高裁での裁判にあたり、カリフォルニア州側は規制を裏打ちする科学的根拠として、アイオワ州立大学のCraig Anderson教授による暴力ゲームと少年犯罪の間に因果関係を示す研究結果を提示していましたが、今回の裁判ではこれもシンプルに排除。研究は全て因果関係の証拠では無く、あくまで相関関係に基づいたものだとして、暴力ゲームが未成年者に対し積極的に行動を促すことは証明できないと明確な判断が下されています。
という事で、遂に結審したカリフォルニアの販売規制法案の問題ですが、既に海外では様々なメディアやゲーム開発者などからコメントや見解が大量に登場しはじめており、反対派も新しい動きを見せ始めています。
国内での表現規制にも様々なスポットがあたる昨今ですが、今回の米連邦最高裁が示した作品毎に見られる表現の程度は合/違憲に関係なく、“表現の自由”に例外を作ることは出来ないとの判断は非常に興味深いものだと言えそうです。なお、今回の判決に関する北米メディアや開発者の動きについては改めてお知らせいたします。
先ほどGfK調査による毎週お馴染みイギリスのソフトウェア週間セールスチャートが発表、前回は発売されたばかりの新作ゼルダを押さえラテンなフィットネス系ダンスタイトル「Zumba Fitness: Join the Party」が首位に返り咲きましたが、なんと今回も並みいる強豪タイトルを下しZumba Fitnessが首位に輝いたことが明らかになりました。
なおZumbaのセールスは前回から33%アップとのことで、イギリス市場におけるダンスタイトルの異様な強さを反映した結果となっています。
初登場となる期待のシリーズ新作“Fear 3”は3位にランクインしており、前回2位にランクインした“ゼルダの伝説 時のオカリナ 3D”は6位にランクダウン、北欧では絶好調の“Duke Nukem Forever”も8位に後退しており、代わりにL.A. NoireやDiRT 3、Lego Pirates of the Caribbeanが順位を上げています。
また、イギリスでは24日にリリースを迎え初登場となった須田剛一氏と三上真司氏による期待作“Shadows of the Damned”は残念ながら31位という結果に終わっています。上位20タイトルの詳細は以下からご確認下さい。
先ほどGfK調査による先週の北欧ソフトウェアセールスチャートが発表、ローンチにあたり大手サイトなどを巻き込んだ大騒動を繰り広げた「Duke Nukem Forever」が2周連続の1位を獲得したことが明らかになりました。
さすが浮き世の些末な出来事など意に介さないデューク様らしい結果となった今回の結果ですが、ゼルダが意外な苦戦を見せ、Sims 3が今もなお人気で上位に複数ランクインするなど、北米とイギリス、日本ともまた一味違った北欧(※ ノルウェー、フィンランド、スウェーデン、デンマーク)市場の傾向が垣間見られる上位10タイトルの詳細は続きからご確認下さい。
前回で27部門のノミネートと結果をご紹介してきたGametrailersの「Best of E3 2011 Awards」ですが、本日遂にPCとXbox 360、PS3のプラットフォーム別ベストタイトルが選出され、総合ベストとなるベスト・オブ・ショーも発表。今年のホリデーシーズンから来年に掛けて異様な充実ぶりを見せるラインアップを反映したノミネートは、どれがベストに選ばれてもおかしくない期待作が並んでいますが、意外な事にとあるタイトルが完全な無双ぶりを発揮する実に興味深い結果となっています。
今回の結果はあくまでGametrailersが選ぶベストタイトルですが、日本時間で明後日に発表が予定されているE3 Awardsの本命“Game Critics Awards Best of E3 2011”(参考:ノミネートの詳細)は一体どんな結末を迎えることになるのか、発表に期待!です。
先日Valveが運営するPCとMac向けのゲーム販売プラットフォーム“Steam”がマイクロトランザクションモデルを採用した基本無料プレイタイトルをリリース、本格的にF2P進出を果たし注目を集めていますが、新たにMicrosoftがXbox 360で基本無料プレイタイトルのサービスを画策しているとの噂が登場しました。
これはDevelopが幾つかの情報筋から得たとして報じたもので、Microsoftがマイクロソフトポイントを利用したインゲームアイテムの販売やプレミアム課金などが可能な新しいマイクロトランザクションモデルを携え、水面下で幾つかのデベロッパに基本無料プレイタイトルの開発を打診しているといった内容が掲載されています。
近年のゲームビジネスにおける潮流を鑑みれば、どこが最初の1歩を踏み出してもおかしくない状況とも言えるコンソールでのF2Pビジネスですが、任天堂の岩田社長はF2Pタイトルに興味はないと最近のインタビューで明言しており、今後大手各社がどういったアプローチを見せるのか改めて注目が集まる問題となりそうです。
Eidosのライフプレジデントを務めるイアン・リビングストン御大、かつてスティーブ・ジャクソンと共にゲームブックFighting Fantasyシリーズを産み出し“火吹山の魔法使い”や“死の罠の地下迷宮”といった傑作を手掛け、当サイトではW40kシリーズでお馴染みのゲームズ・ワークショップ社も設立するなど、RPG界に止まらない生ける伝説の一人として知られています。
そんなリビングストン御大が7月20日にイギリスで行われるDevelop主催のイベントDevelop Industry Excellence Awardsにてモリニューや3Dゲームの父David Braben氏、 Broken Swordシリーズを手掛けたCharles Cecil氏らに続いてゲーム開発者の殿堂“Games Development Hall of Fame”に選ばれたことが明らかになりました。
Developの編集長を務めるMichael French氏は御大がアイコニックなゲーム開発に寄与しただけでなく、新しいデベロッパをサポートし、教育システムを支え、グローバルなステージで革新的なゲーム産業を擁護するなど、全てのことを行ってきたと述べ、イギリスのゲーム産業は御大に恩があると評価しています。
35年に渡ってゲーム産業の第1線で活躍するイアン・リビングストン御大、これからも素晴らしいゲームが御大の下ですくすくと育まれていくに違いありません。
これまで23部門の結果発表をお届けしたGametrailersの「Best of E3 2011 Awards」ですが、本日新たにFPSとTPS、アクションアドベンチャーにWiiタイトルの4部門が発表、これからの市場を占うような非常に見応えのあるタイトルが揃っており、E3の総括にももってこいの必見映像となっています。
PC版の発売がアナウンスされ、7月7日の日本語版リリースも迫るRockstar GamesとTeam Bondiのアドベンチャータイトル「L.A. Noire」ですが、本日Take-Twoが本作がおよそ400万本近い出荷を迎えたと発表、1940年代のロサンゼルスを舞台に、事件の解決と尋問にスポットを当てたアドベンチャージャンルながら、非常に好調なセールスを記録していることが明らかになりました。
販売本数については明らかにされていませんが、先月のNPD報告では北米で約899,000本が販売されたことが報じられています。
現在Infinity WardとSledgehammer Gamesが共同で“Call of Duty: Modern Warfare 3”の開発を進めている最中ですが、かつてSledgehammerが設立された当初には同スタジオがCall of Dutyフランチャイズの枠を拡張するアクションアドベンチャータイトルを手掛けると報じられ注目を集めていました。
Call of Duty: Modern Warfare 3とCall of Duty Eliteの動向に注目が集まる中、Activision PublishingのCEOを務めるお馴染みEric Hirshberg氏がこのアクションアドベンチャータイトルについて言及、まだActivisionがこのタイトルに関心を持っていると示唆する発言を見せています。
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