現在Epic Mickeyの開発を進めているウォーレン・スペクター氏が自身のblogで今年のE3を振り返り、裸眼での3D立体視を実現した”ニンテンドー3DS”を「人生を変えた」と高く評価しました。
ウォーレン・スペクター氏は3DSの立体視についてメガネが必要無いこと、2Dディスプレイに対して画像の劣化や彩度のロスが無い事、視差コントロールがある事を述べ、実際に手にして見た感想をパーフェクトと高く評価しています。
さらに氏は3Dについて完全に誤解していたと記し、これが一時の流行技術ではないだろうと自身の見解を述べています。そして何よりもゲーム開発者として湧き出るアイデアが押さえきれない様子で、既に幾つかの考えを思いついたと述べ、開発に是非参加したいとの旨を明らかにしました。
Epic Mickeyに絡むゲーム以外のプロジェクトも様々噂されるウォーレン・スペクター氏、どうやら数年ぶりの新作となるEpic Mickey以降のゲームにも期待してもよさそうです。今後自身のblogにて続報が書かれる様子で動向に注目が集まります。
今年3月に突如起こったActivisionとInfinity Wardの確執に続くRespawn Entertainmentの誕生や、Electronic Artsも巻き込んだ騒動はまだ皆さんの記憶に新しい出来事かと思います。Modern Warfare 2を大成功に収めたInfinity Wardは現在スタジオの再建と次回作の開発体制を整える為の求人活動などを行っています。
そんな中、ActivisionのThomas Tippl氏がInfinity Wardの為の新しいコミュニティを用意する計画がある事を明らかにしました。さらにフロントマンとしてお馴染みのRobert Bowling氏が質問や物申したい事などのフィードバックをGoogleVoiceで募集している旨をtwitしています。
ゲーム史上最大のローンチを成し遂げた後に大量のリードを含む人材を失ってしまったInfinity Ward、外部のみならず内部問題からの訴訟問題も並行し抱えている両社ですが、再び栄光を掴む為にユーザーに対して直接的な意見と支援を求める事は一先ずスマートな方法と言えるかもしれません。
7月27日には第一弾DLC”The Signal”がリリースされる「Alan Wake」、セールス的に大成功!とは言えないながらも非常にユニークで心に残るタイトルとして多くのプレイヤーから高い評価を得る事に成功しました。
Remedyは本作をDLCの追加エピソードでTVドラマのシーズン形式のような展開を計画している事などもあり、末永いフランチャイズへと成長させたいと考えているようですが、続編に関する具体的な計画はまだ存在しない様です。
これはRemedyのフランチャイズ開発のボスOskari Hakkinen氏が明らかにしたもので、Remedyはすぐにでも続編に取りかかりたいと考えているものの、マイクロソフトのパートナーシップの中でまだ具体的な続編の計画が進められない状況にあると語りました。
Hakkinen氏はマイクロソフトとのパートナーシップに満足していると前置きし、現在のRemedyがLimbo(地獄の入り口で三途の川のような場所)のような”どちら”とも付かない状況にあり、その決定権はマイクロソフトが手にしていると、現在の難しい状況を説明しています。
さらにHakkinen氏はAlan Wakeがマイクロソフトの有用なポートフォリオになると考えており、実際に続編の制作を開始した場合には18ヶ月程度もあれば出来上がるだろうと発言しています。
その理由に初代Max Payneの開発に5年を要し、続編のMax Payne 2が18ヶ月で出来上がった経験が挙げられており、開発に7年近くを要したAlan Wakeを1作で終わりにしたくないRemedyの強い意志が感じられます。幸いな事にホットドッグを売って暮らす必要はなくなった様で一安心ですが、やはりこの渾身のAlan Wakeをもっと成長させて欲しいのも正直な所。Remedy頑張ってえええ!
6月9日にFacebookでのローンチを迎えたZyngaの新作「FrontierVille」、本作はボルチモアに構えるZynga Eastの処女作で、ゲームデザインはかつてのシド・マイヤー氏の右腕としてアルファケンタウリやコロナイゼーションを手掛けたブライアン・レイノルズ氏が担当しています。
近年のGDCやDICEでは判りやすい程に勝ち組のオーラを放っていたソーシャルゲーム開発勢ですが、まだその勢いは衰えていない様子で、9日にローンチされたばかりの”FrontierVille”がなんと2週間足らずで500万人のアクティブユーザーを獲得したと発表しました。
新タイトルFrontierVilleは同社の重要タイトルFarmVilleに酷似したタイトルで、西部開拓時代を新たな舞台にお馴染みの農場シミュレーションを軸にした物。ソーシャルゲームらしく、フレンド等の他プレイヤーとの関わりが重要な本作ですが、ブライアン・レイノルズ氏はインタビューにて「このタイトルではプレイヤーは誰があなたを支援しているか簡単に知る事が出来る様になった」と述べており、本作のゴールがソーシャル経験の質を改善する事だと発言しています。
所謂Villeゲームでは多く存在するプレイヤーの小さな世界が有機的に繋がり、まさにバーチャルな生態系とも言える依存関係が成立しており、今作での爆発的な勢いとソーシャル要素強化の方向性は、マネーゲームとブライアン・レイノルズ氏自身がプレイヤー化した広義な意味でのリアルシミュレーションとも取れる様な側面も見られ、日本進出も秒読み段階の今、ますます動向には注目する必要がありそうです。
なお、今作の開発はZynga Eastの16人が数ヶ月で完成させた物で、開発規模はかつてFarmVilleを開発した時よりも大きな投資だとの事。Zyngaとブライアン・レイノルズ氏に興味がある方は今年のDICEに登場したレイノルズ氏のソーシャルゲーム開発に関する記事をご覧になってみてはいかがでしょうか。
昨日アメリカのホワイトハウスが知的財産被害などに関する長期的な計画を発表し、FBIにおける著作権侵害の調査や抑制をさらに強化する事を明らかにしました。
発表を行った知的財産執行調整官を務めるVictoria Espinel氏は、映画・ゲームを初めとする著作権侵害の対策強化を前提に、現在5人存在する知的財産専門のスタッフに加え、2010会計年度内にFBIのIP専門の特別捜査官を50人以上雇用する計画がある事を明らかにしました。
2008年ブッシュ大統領時代に知的財産執行調整官のポストが誕生して以降、年を追って体制強化が図られてきた米国の著作権侵害に関するFBIの動きですが、今回の大きな拡大を以て数十兆円規模とも言われる著作権侵害の被害に一定の効果を期待したい所です。
なおE3の運営やESRBレーティングの管理などを行うEntertainment Software AssociationのMichael Gallagher社長はこの体制強化について、国外の市場も含め産業の成長に重大な決定であると強く評価する意向を明らかにしています。
マイクロソフトのXboxプロダクトディレクターを務めるAaron Greenberg氏がVG247のインタビューに登場、Xbox 360の豊富なラインアップ等について語る中、Xboxはほとんどの独占タイトルと重要なフランチャイズを持っていると語り、これは”ゲーマーならばXboxを持っていなければならない“事を意味すると主張しました。
Greenberg氏は今世代の戦略が最も多く専用タイトルを持ち、最も大きな超大作タイトルを保有する事が重要だと述べ、HaloやGears of War、Fable、Alan Wake、Crackdown 2等の存在を挙げています。さらに氏はこれまでXboxが持っていなかったファイナルファンタジーやメタルギアと言った大きなフランチャイズも登場している事を強調し、ゲーマーならばXboxを持っていなければならないと締めています。
新ハードの発表やKinectの登場もあり、カジュアル層への普及と共に、コアゲーマーへの訴求も強化したいGreenberg氏とマイクロソフトの思惑が見え隠れする主張ですが、ちょうど先ほどお知らせした、海外メディアが選んだトレンドを作るデベロッパの選出や、以前お知らせしたPS3の購入動機に関する記事なども併せて読めば、また違った側面が浮き上がってくるのではないでしょうか。
1967年にRalph H Baer氏が開発したBrown Boxの登場以来、ビデオゲームが誕生して早40年が過ぎ、現在は第7世代のビデオゲーム時代とされています。各世代毎に様々な流行や人気メーカの隆盛と衰退、そして世代交代が行われてきました。現在の第7世代ではハードウェアや映像技術の表現も格段に進化し、モーションコントロールや3D技術など大きな変革の時代を迎えています。
そんな近年のゲーム産業の中で、ゲームのトレンドを自ら創出し多くのフォロワーを産むオリジナルとも言える17社のデベロッパを海外情報サイトのGames Thirstが選び発表しました。並んだデベロッパと代表的なタイトルを見れば確かに納得の布陣で、とても興味深いラインアップとなっています。
3DSの発表と豊富なラインアップでE3で大きな注目を集めた任天堂ですが、海外メディアのVenture Beatにて任天堂の岩田社長が近年世界的な経済状況などと併せて囁かれるゲームセールスの低迷について発言、「私はビデオゲームのセールス低迷を世の経済状況を理由にすべきではないと確信している」と語り、「セールスの低迷は誰もが購入したくなるような偉大なソフトウェアが不足している事に違いない」と分析しています。
岩田社長はさらにこれが任天堂だけの問題ではなく、ビデオゲーム産業全体の問題だとのべ、「結局の所フレッシュな”何か”が産業を成長させる」と大きな自信を覗かせ、任天堂の重要な取り組みが魅力的なゲームを作り、年末にそれを十分に売る事と述べました。
Xbox 360でリリースされるモーションコントロールシステムの”Kinect”、この技術を開発したのはイスラエルのPrimeSense社で、先日は同社がKinectの人体認識の制限がソフトウェア的な物である事をアピールしたニュースをお伝えしました。大きなポテンシャルを秘めたPrimeSense社の技術ですが、どうやらPrimeSense社はマイクロソフトの提携とは別に、PCとTVに利用可能なモーションコントロールシステムのリリースを計画している様です。
これはPrimeSense社のVPを務めるAdi Berenson氏が明らかにした物で、2011年夏にセットトップボックスのリリースを目指し、既に1社ケーブルプロバイダとの契約にサインしたと発言しました。
このセットトップボックスはKinectと同様に2つのカメラを利用し、3D空間にユーザーの位置を認識する機能を実現した物ですが、Kinectに見られる音声認識部分はマイクロソフトが開発を進めた箇所との事で、3D空間でのユーザー認識以外の機能は実装されない見込みの様です。
今週火曜日に中国文化省が8月1日から実施される新しい条例を発表、未成年を不健全で堕落的なコンテンツから保護する事を目的にした内容で、中国国内のオンラインゲーム企業に強い規制を強いる物になっています。
文化省はぞっとするような残酷で不健全な内容を禁止し、未成年者を不適当なゲームから守る施策を展開していく必要があると述べ、性的な表現やカルト、迷信、ギャンブル、暴力などが描かれたオンラインゲームが全て禁止される事を明らかにしました。
なお、不健全な内容の定義は示されておらず、デベロッパやパブリッシャには未成年者のゲームプレイ時間を制限する技術を開発するように要求しています。
さらに、これに併せて未成年者の仮想マネーやアイテムの売買がいずれ禁止される事も記されており、オンラインゲームに実名登録の義務付けが実現化しそうな状況も併せ、中国のゲーマーは今後かなり厳しい制限の時代に突入する事となりそうです。
昨日は”ビートルズにはなりたくないんだ”とTwisted Metal精神に溢れる発言をお知らせしたDavid Jaffe氏、Twitterで連日物凄い量の発言と会話を行っており、どんだけ喋るんだ!と思わずツッコミたくなるほどの勢いを見せています。すでに海外ニュースサイトのTwisted Metal情報の多くがTwitterソースになり、記者達もついにTwitterで直接語りかけ確認を行うなど新しい展開を迎えています。
もう愉快な発言が多すぎて、どれを取り上げるか迷う程のエンターテイナーぶりを見せているジャッフェ氏、先日には近年のゲーム産業についてふれ、「芸術家美術家きどりの”くそ”野郎めうんざりだ、ビ○チ共はてめえらでやってろ:-)」と発言、Twisted Metalを心待ちにしているファンにはいいぞもっと言ってやれ!なアナーキーぶりに本作のカオスな仕上がりが期待できるパフォーマンスと言えそうです。
さらにTwisted Metalの映像表現についてTwitしたジャッフェ氏は、映像関連の強化はされるものの、Uncharted 2やKillzone 3のレベルには達しないとあっさり断言、見るべき箇所は映像ではないと述べ、ゲームを作る事が必ずしもビジュアルに関係しているとは限らない旨を述べています。
よくよく考えて見ると、強烈なゴア表現や極端に性的な表現など、判りやすく刺激的な作品は多く目にしますが、面白さと滅茶苦茶さを両立したタイトルはその多くがインディー系にシフトしている現実があります。こういったプロレスも含め、存在しない”THE MAN”(世の中をダメにする大人や大物の象徴)全てに唾するようなAAAタイトルというのも実は珍しいのではないでしょうか。若干ジャッフェ氏自身が心配な気がしないでもありませんが、是非このまま突き抜けて素晴らしいTwisted Metalを復活させて欲しいと願います。
ウォーレン・スペクター氏率いるJunction Point studioが開発を進めている「Epic Mickey」、オズワルドとミッキーの可愛いさとは裏腹に、これぞウォーレン・スペクターゲームと言えるタイトルに仕上がりそうなコアゲーマーからカジュアルゲーマーまで必見の注目タイトルです。
そんな本作の開発規模がなんと275人という大きな体制で進められている事がウォーレン・スペクター氏から明らかにされました。これはJunction Pointの115人にアウトソーシングのスタッフを加えた人数で、スペクター氏は笑って「大志を持ったプロジェクトを進めるなら、大きくなくっちゃ!」と、軽いジョークでこの規模を笑い飛ばしています。
ただ、275人という数は本当に大規模な物で、”Call of Duty: Black Ops”が300人規模、Bungieのマルチプラットフォーム新IP開発が200人体制、そしてCrysis 2が150人体制、Assassin’s Creedの開発がピーク時に450人体制であった事などからも、かなりの規模の開発が行われている事が判ります。
そしてこれがマルチプラットフォームタイトルの開発ではなく、HD次世代機でもなく、Wiiの専用タイトルとして開発が進められている事が最も恐るべき事実だと言えそうです。一体ウォーレン・スペクター氏はどんな物を産み出そうとしているのか、完成が楽しみでなりません。
話題は変わりますが、北米の周辺機器メーカーPDPからEpic Mickey用のコントローラーが発売される事が明らかになりました。リモコンスタンドはミッキーとインク怪人がモチーフで、コントローラーのアタッチメントはミッキーが持っている絵筆に!欲しい!しかし残念ながらまだ価格とリリース時期が明らかにされていません。こちらは続報をお待ち下さい!
先日盛況の内に幕を閉じたE3の会場にて、任天堂がアナリスト向けのQ&Aセッションを行いました。セッションにはReggie Fils-Aime氏が登場し、北米でのインストールベースの成長が著しい事を明らかにし、その成長はかつてのモンスターハードPS2をも上回る勢いである事を示しました。
上図は各コンソールの販売台数における伸びを年単位で表にまとめたもので、リリースから4年目ですでに500万台の差が付いている事が見て取れます。さらにReggie氏はスーパーマリオギャラクシー 2の販売本数が北米で90万本に近づいている事と、黒色のWiiがすでに300万台を売り上げた事を併せて報告しています。
先週ロサンゼルスのコンベンションセンターにてTHQが投資家向けの説明会を行い、その中で今後の主力タイトルのラインアップとリリース時期を明らかにしました。
資料からは板垣氏率いるヴァルハラの新作「Devil’s Third」と、先日アナウンスされた”Draksiders 2″のリリースは2012年の予定である事が記されています。
さらに資料からKinect/Move/Wii対応のエクササイズとトレーニング用タイトル”UFC Trainer”の存在が明らかになっています。Electronic ArtsやUbisoftなど有名各社がモーションコントロール対応のエクササイズタイトルを発表しており、会場ではこれらと競合するタイトルになる事が発表されています。
昨日、Xbox 360のモーションコントローラー「Kinect」がMicrosoft StoreのWebサイトにて、149.99ドルでプレオーダーが開始されている事をお知らせしましたが、Gamescomで正式な発表を行うとアナウンスしていたマイクロソフトが今回のWebサイトへの掲載についてコメントし、これがオフィシャルなものではない事が明らかになりました。
これはXbox LiveのディレクターStephen Toulouse氏が明らかにしたもので、現在小売店等を含め登場している価格は全て仮の値付けであり、まだ正式な価格は発表していないとの事。やはりGamescomでの発表を待つ以外に無いようですが、公式ストアでプレオーダーの受付を行って、オフィシャルじゃないというのも妙に不思議な話です。
第3のCall of Dutyタイトルデベロッパとして知られるSledgehammer Gamesの公式サイトがとうとうオープンしました。サイトにはまだ少しの情報しか掲載されていませんが、でかでかと”Call of Duty FPS game”の文字が記され、SledgehammerのCoDタイトルがやはりFPSタイトルである事がこれでもかとアピールされています。
なお、以前もお伝えした求人募集がここでも行われており、今後の動向に注目が集まります。なお、Sledgehammer GamesはかつてVisceral GamesでDead Spaceを開発していたGlen Schofield氏とMichael Condrey氏により立ち上げられた新しいスタジオとしても注目が集まっています。
6月18日からいよいよ正式サービスが開始されたゲームストリーミング或いはクラウドゲーミングサービスの「Onlive」、クライアントからの操作を基にクラウドなサーバ側でゲームを実行、映像を圧縮しストリーミング配信するという夢のようなサービスですが、タイトルラインアップや料金体系、そしてインフラ品質やレイテンシ(ラグ)等の問題から懸念されるプレイアビリティが、実際にはどのようなクオリティで運用開始されたのか、多くのゲーマーから、そしてビジネス的な意味でも大きな注目が集まる期待のサービスです。
18日の正式運用開始と共にNDAも解除され、その全容がようやく見え始めてきました。今回は運用開始以降に公開されたOnliveの利用レビューやフォーラムの情報等を基に、そのサービスの現実的なアウトラインをまとめてお知らせしたいと思います。
まずOnliveのクライアントソフトのサイズはMac版とPC版共に8MBしか無く、セットアップも標準的な物。インストール後に起動するとまずデフォルトブラウザが立ち上がり、そこから改めてOnLiveを起動すると新しいウィンドウでOnlive本体が起動する事になります。ブラウザはIEでもFirefoxでも動作する事が確認されている事から近年のモダンブラウザであれば動作については問題なさそうです。
起動時にはいくつかのIPにリクエストを行っており、診断ルーチンを経て複数あるサーバの中から自動的に最適なサーバを選択している様です。
ストリーミングのデータサイズは700~900k/秒前後で、1.5Mbpsの回線であれば一先ずストリーミングサイズはクリアと考えられ、データサイズの理論値だけを考えれば、ある程度のADSL回線でもプレイ可能なサイズだと言えそうです。
さらにベータ時の情報ですが、クライアントが使用するメモリサイズは平均的に60MB程度で、実行するゲームによって可変するものの、多い瞬間でも71MB程度だったとの報告がされています。さらにCPUの利用率はCore i7-860で4~7%と、やはりクラウドサービスの恩恵が大きく数値として表れた結果になっています。
気になるラグについてはサンフランシスコ周辺の恵まれたプレイヤーは14ms程度に収まっている様子。OnLiveの公式情報によるとデータセンターは1000マイル(約1600km)をカバーしており、データセンターからの距離によって生じるラグは地域によっては40msを越える箇所も発生しているようです。
なお、14msは14/1000秒ですから60fps程度のゲームであればネットワークに依存するレイテンシは1フレーム以内となる訳ですが、実際にはサーバ側でのプレイヤーの入力処理と映像の圧縮アルゴリズムが数ms加えられ配信が行われる事になります。
また北米では契約プロバイダによってOnLiveサーバまでに経由するホスト(traceroute)もボトルネックになる可能性が挙げられています。
さらに、現状ではWi-Fi接続がサポートされておらず、ユーザー側で色々と工夫する事で無理矢理Wi-Fiプレイを行う事は可能なもの、数msのjitterが発生する事から有線接続でないとOnLiveは起動できない制限が設けられています。この辺りはiPadなどでのプレイデモが行われている事からも、いずれサーバ運用の状況を見ながら制限が解除される可能性もありそうです。
実際のプレイ感については液晶モニタが最初に登場した頃のレイテンシが気にならない程度であれば、ほぼ問題無いレベルと評価されていますが、今もブラウン管でプレイする0レイテンシに慣れたプレイヤーにはやはり違和感が無いとは言えないようです。
しかし興味深い事に実際のプレイ感ではBatman: Arkham AsylumやBorderlands、F.E.A.R. 2といった3Dタイトルの方がプレイしやすく、World of Goo等のカジュアルタイトルでマウスカーソルのトラックが必要なタイトルなどの方が返ってプレイに違和感を感じるとの報告も見られています。
OnLiveでストリーミングされるゲームの映像は720pで、ローカルで動作させた同じタイトルと比較をすれば明らかな圧縮による劣化が見られます。こちらも先ほどの例と同じくWorld of Goo等の2Dタイトルの方が劣化を感じやすく、動きが激しい3Dゲームの方が映像の劣化を認識する事が難しいとされています。
また、多数のタイトルで確認できる事として、ゲーム側の映像設定は最大で行われてはおらず、サーバ側で設定バランスが決められており、デフォルトセッティングで動作しているタイトルが多く見られる様子です。
ここまで挙げてきた内容の数値的な評価を並べていくと、日本国内からではベータテストへの参加も出来ずしばらく身近なサービスとは言えない事もあり、やはり想定通りのサービスといった印象を受けます。先日お知らせした価格設定についても、GOGやSteam等で見られるセールを考えれば少し躊躇する絶妙な金額設定だと言えます。
しかしこれらの問題をトレードオフとしてもなお魅力的なOnLiveのメリットは、まず1つにハードウェアの制限から放たれる事にあります。最新のAAAタイトルを旧式のPCやMACでも簡単にプレイでき、かつ気になる最新タイトルが3日間5ドル程度の費用でレンタル期間以外の制限が無い状態で楽しむ事が出来る事、トレンドを押さえておきたい社会人ゲーマーにはかなり魅力的なメリットだと感じられます。
またMacユーザーが最新のゲームをプレイできる事も大きなメリットと言えそうです。また今後Linuxクライアントなども登場する事になれば、最早OnLiveが1つのプラットフォームとして認識される可能性さえ出てくるかもしれません。
正式運用を迎えたOnLiveですが、いくつかの問題も抱えています。一見小さなブラウザクライアントプログラムとして動作しているかに見えるOnLiveですが、MacではMass Effect 2がプレイ出来ない問題が発生(ブートキャンプを利用すれば可能)しており、今後のタイトルでも同様の問題が発生する可能性があるのではないかと議論されています。
もう一つの側面はゲームタイトルはあくまで”レンタル”であって、プレイヤーが所有権を持たない事でしょうか。実際に利用する際には、プレイヤー側に思考の転換が必要になると考えられますが、Steamが登場した時にも同様のパラダイムシフトが発生したように感じます。
OnLiveの運用モデルは近年のマイクロトランザクションモデルの採用などが見られる映像コンテンツビジネスなどが近いのかもしれません。払った分映像を見るpay-per-view方式のビジネスモデルでは利用者はDVD等の物理メディアを所有するという期待値を持ち合わせてはいないと言えます。
また、OnLiveの登録にはリージョン毎の登録者数制限が設けられており、既に登録者に対して承認待ちが発生している状況にあります。クオリティを保持しながらサービス規模を拡大させる事も今後の課題1つとなりそうです。
PCゲーマーであれば多くBotを登場させた時のフレーム落ちや大量の爆発エフェクトが起こった際の処理落ち等パフォーマンスの上下を体感した事が少なからずあると思いますが、OnLiveではサーバ側でゲーム処理を行っている事からプレイ中のパフォーマンスの上下が発生しません。
さらにウィンドウサイズはリアルタイムでリサイズ可能でタスクを切り替えるだけでゲームは完全にポーズされます。近年のトリプルAタイトルなどで、フルスクリーンプレイ中に別のタスクに切り替えられない状況などを経験した方も多いと思いますが、あのモニター前から離れられない非占有感から完全に解放されるのも大きなメリットと言えそうです。
さらに大きなメリットとしてデモ版のプレイがとにかく容易に、そしてクリーンに行える事が挙げられます。例えば”Unreal Tournament 3″のデモ版をプレイしようと考えれば、プレイヤーはデモ版のファイルを探す事から始め、ダウンロードを行う必要があります。UT3のサイズは758MBですが、Batman: Arkham Asylumなど、ギガサイズのデモ版も近年は多く見受けられます。
10~30分程度をかけてダウンロードした後にはセットアップが必要になります。インストールに5分、コアなPCゲーマーの場合にはほとんど無いと思われますが、DirectXやらにPhysX、ランタイム関係のインストールが並行して必要な場合も多々存在し、ローカルの環境に依存する問題に出くわすプレイヤーもやはり多く見られます。
これがOnLiveでは全くなんの用意もなく、まさに言葉通り”すぐ”にデモのプレイが可能です。インストールとアンインストールの手間もなくローカルのPCはクリーンなままです。さらにMacにはUT3のデモ版は存在しません。このインパクトはかなり大きい様に感じられます。
また起動メディアの不在とDRMの悪夢から解放される事も非常に大きなメリットと言えそうです。
上記で挙げてきた事を総合し1ゲーマ視点から考えると、やはり圧倒的な手軽さというメリットとゲームプレイのクオリティに見られるトレードオフをどう捕らえるかに尽きると言えそうです。
常に最新のハードウェアを調達し最高のスペックでゲームをプレイする事を楽しんでいるプレイヤーへのメリットは薄そうですが、カジュアルゲーマーながら話題の最新ゲームも気になるといったプレイヤーには選択肢の1つと言えそうです。
さらにOnLiveの機能として他プレイヤーのゲームプレイを鑑賞するモードが用意されており、いつでも気に入ったタイトルのプレイ映像を閲覧する事が可能です。デモ版のプレイと他プレイヤーのプレイ鑑賞を組み合わせればタイトル購入前の検討材料としては非常に有用であると考えられます。
またこのプレイ鑑賞にはソーシャル要素も盛り込まれており、鑑賞中のユーザーをフレンド登録したり、応援を送ったり、また鑑賞中のプレイヤー数が表示されたりと、近年ニコニコ動画などで見られるプレイ動画コンテンツとして楽しめる要素も持ち合わせています。
北米でサービスが開始されたOnLiveですが、来年にはヨーロッパへと進出する事がアナウンスされています。残念ながらアジアでのサービスなどについてはまだ語られていませんが、そう遠くない未来に日本国内でも類似のサービスが楽しめる時代がやって来る事は間違いありません。その大きな指標として今回のOnLiveローンチは私たちにとっても興味深い出来事だと言えそうです。
先日は今作の舞台がなんとパラダイスシティの4倍!とのニュースをお知らせしたCriterion期待の新作「Need for Speed: Hot Pursuit」、Burnoutシリーズ譲りのど派手レーシングに仕上がりそうな本作ですが、マーケティングのボスを務めるKeith Munro氏がEdge誌のインタビューにおいて、本作がBad CompanyシリーズやCall of Dutyシリーズなどからインスパイアされた物である事を明かしました。
Munro氏は本作の開発にあたって、ファーストパーソンシューティングの代わりにファーストパーソンドライビングについて話あったそうで、レーシングカーの中で感じるプレイフィールは戦場の弾丸が飛び交う感覚と異ならず、暴力的で攻撃的な物だと発言しています。
さらにMunro氏はシューターからの影響が1つでは無い事を挙げ、オンラインプレイの習慣性やスマートさも参考にしていると発言、今作がソーシャル要素の接続性に強くフォーカスしている事を明らかにしています。これまでのタイトルでは良作と手厚いサポートで知られるCriterionが言うと、なんとなく上手い事言ってやった的な内容でも含蓄のある言葉に聞こえるから不思議!です。Burnoutでもこの辺りのサポートは強く行われていたと感じられるだけに、さらなるパワーアップが果たされるNeed for Speed: Hot Pursuitもかなり長く楽しめるタイトルとなりそうです。
Need for Speed: Hot Pursuitは11月16日リリースで、対応プラットフォームはPC、Xbox 360、PS3、Wiiとなっています。
PC | PlayStation 4 | Xbox One | Wii U
PlayStation 3 | Xbox 360 | PS Vita | DS
Mobile | Movie | Rumor
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かたこり( Twitter ):洋ゲー大好きなおっさん。最新FPSから古典RPGまでそつなくこなします。
おこめ( Twitter ):メシが三度のメシより大好きなゲームあんまり知らないおこめ。洋ゲー勉強中。