北米ゲーム産業のセールス調査を行っているNPDの報告形式が変更され、コンスタントに報じられなくなった北米のハードウェアやソフトウェアのセールス情報ですが、昨年末12月のNPD調査の内容からWedbush MorganとEEDAR(Electronic Entertainment Design and Research)のアナリストがハードウェアのセールス結果を発表、Wedbushの発表ではXbox 360が前年比で91%もの成長を果たすなど、脅威的な伸びを見せた事が明らかになりました。
Wedbush MorganとEEDARそれぞれの発表内容を以下に掲載していますが、NPDデータを基にしたとされる両社の発表には数値に大きな違いが見られ、正確さに疑問が感じられる状態にあります。しかしXbox 360以外のプラットフォームのマイナス成長と産業全体の傾向については一致しており、北米におけるXbox 360の強さとCESで発表されたKinectの好調も腑に落ちる結果となっています。
■ Wedbush Morganの発表内容、()の内容は前年比成長
- DS:2,550,000 (-23%)
- Wii:2,600,000 (-32%)
- Xbox 360:2,500,000 (91%)
- PS3:1,200,000 (-12%)
- PS2:200,000 (-40%)
- PSP:4,50,000 (-31%)
- 産業:9,500,000 (-12%)
■ EEDARの発表内容
- DS:2,400,000 (-27%)
- Wii:2,200,000 (-42%)
- Xbox 360:1,900,000 (45%)
- PS3:1,100,000 (-19%)
- PS2:NA
- PSP:5,00,000 (-24%)
- 産業:8,100,000 (-25%)
世界最大規模の家電トレードショーであるCES、先日まで開催されていた今年の2011 International CESでも様々な情報や新製品が発表、昨年から市場を牽引しているスマートフォン関連の新商品に加え、Verizon Wirelessが第4世代移動通信システムの1つとなる4G LTEを利用可能な状態で出展するなど、大きなイノベーションが期待されるサービスに注目が集まりました。
そんな今年のCESの来場者数をVentureBeatが14万人と発表、昨年の12万6000人から10%近い成長を見せた事が明らかになりました。(※ 過去5年間の最大来場者数は2006年の15万2203人)
ゲーム関連ではマイクロソフトとソニーがそれぞれプレスカンファレンスを行い、新サービスやビジネス的な発表を行い、会場でのゲーム関連の出展や発表も数多く行われたCESはますますゲームビジネスにとっても重要な見本市となりつつある模様です。
昨日はXbox 360に登場する事となった”Torchlight”の改善点をご紹介しましたが、この改善の幾つかは「Torchlight II」から反映された内容が存在する事が明かされました。このXbox 360版の登場にあたりRunicのボスMax Schaefer氏のインタビューがVG247に登場、Torchlight IIの新要素についても語られています。
Schaefer氏によるとTorchlight IIは前作に比べかなり巨大なタイトルになるとの事で、今作から登場するマルチプレイでは最大4人から8人のオンラインCo-opプレイが実現される事が明らかになりました。最大人数についてはまだ決定が下されていないものの、スイートスポットは4人程度だと考えているとSchaefer氏は示唆しています。
また、Schaefer氏はPvPモード搭載の可能性がある事を明言していますが、あくまでプレイを楽しむ為の副次的なコンテンツであり、極度なバランス調整やPvPコンテンツに特化する為に開発リソ-スを費やすつもりではないと語っています。
さらに氏はTorchlight IIに複数のHub役を果たす街が存在する事、広大な地上エリアと多くのダンジョンが存在すると述べ、リリースの目処が不確定ながら5月の予定で開発を進めている事を明らかにしています。
さらにMTV Multiplayerのインタビューにも登場したSchaefer氏はXbox 360版”Torchlight”のセールスが成功すればPC版Torchlight IIのローンチを経て、すぐにでも続編のコンソール版対応に取り組みたいと発言、コンソール版Torchlight IIの実現がXBLAでのセールス如何で有り得る事を示唆しました。
Xbox 360版のアナウンスで一躍大きな注目を集める事となったTorchlight IIとRunic、これまでの複雑な経緯も含め、Runicには是非成功してほしい所。頑張れRunic!
先日から開催されているCES 2011のIntelによる基調講演にてPC用のモーションコントローラー”Sixense”を利用して「Portal 2」のプレイデモが行われた事をお伝えしましたが、CES会場のIntelブースでは同様のデモがプレイアブル状態で展示されており、様々なプレイ映像が登場しています。
今回ご紹介する映像からは、Sixenseが思ったよりも軽快なコントロールが可能な事に加えて、プレイ内容にも新しい要素が確認でき、前述のデモで登場したアパーチャサイエンス印のキューブを変形させる事で足場の役割を果たすらしき事、ポータルガンの新機能とプリズムキューブ、Sixenseでのコントロールを利用し、熱線(Thermal Discouragment Beam)でタレット達を破壊するシーンなどが収められています。
このデモで見られるグラップ時のプリズムキューブの角度調整をマウスとキーボードを利用する際にどのように行う事になるのか、そしていきなり登場したポータルガンの新機能やブラックメサとの関連等、続報が非常に気になる所です。
各社の基調講演なども順調に進められ、今年も大量の新サービスや新製品、新情報の発表が行われているCES 2011ですが、昨年の大規模ゲームショーでも感じられた勢いと同様に、今回のCESからもショーとしての質や規模が増している印象を受けます。
そんなCESを運営するCEA(Consumer Electronics Association)が今年の世界的な家電市場の規模について発表、世界経済の成長を倍も上回る10%もの成長を遂げ、9640億ドル規模の市場に成長するとの見解を発表しました。
これはCEAのアナリストSteve Koenig氏が明らかにした物で、景気後退の煽りを受けた2009年の市場規模が7700億ドル規模だった事に対して、2010年の市場がスマートフォンの成功等に起因し13%成長を実現し8730億ドルだったとこれまでの市場を分析。2010年のスマートフォン市場が前年比51%成長を果たしており、CEAは2011年の同市場がさらに59%成長を果たすと分析、さらにモバイルPC市場が26%成長を遂げると見込んでいます。
また、CESは2011年における各地域の成長予測についても言及、北米が15%成長を果たし、ヨーロッパが23%成長、日本は8%の成長を遂げるとの予想を明らかにしています。
なお、ゲームコンソールについては2010年の市場成長が既に飽和状態に近いと分析、大きな伸びは期待出来ないとの予想が明らかにされています。
先ほどソニーのプレスカンファレンスも無事に終わり、いよいよスタートした世界最大の家電製品トレードショーCES 2011ですが、Intelの基調講演では昨年のCESにも登場したPC用のモーションコントローラー”Sixense”のデモンストレーションが行われ、なんとゲイブも登壇、Sixenseを利用した「Portal 2」のプレイデモが行われました。
プレイが実演されたレベルは未見の物で、映像ではお馴染みのポータルガンにHalf-Life 2に登場したグラビティガン的な機能が追加されており、距離を空けた状態でオブジェクトを移動させ、さらにオブジェクトをトラクタービームで変形させる様子まで収録、本作のゲーム性に大きく影響を与える機能である事は間違い無く、続報に期待が高まります。
また、今回のIntelの基調講演でのPortal 2は本日正式に発表されたGPU機能を内包する第2世代のCore iプロセッサ”Sandy Bridge”で動作しており、第1世代のCore iプロセッサから75%の高速化、C2Dコアからは850%もの高速化が実現されている事が発表、”Sandy Bridge”がLGA1156ソケットと互換性を持っていない事も明らかにされています。
昨年末、Civilization Vのリードデザイナーを努めたJon Shafer氏がFiraxisを退社した事が報じられていましたが、本日Jon Shafer氏が”Elemental: War of Magic”やゲームのデジタル流通サービス”Impulse“等を手掛けるStardock Entertainmentに入社した事が明らかになりました。併せて、Tomb Raiderやブレア・ウィッチ・プロジェクトのノベライズを手掛けた小説家のDave Stern氏もStardock入りしたとの事。
Jon Shafer氏の移籍はBig Downloadが行った電話インタビューから明らかになった物で、Firaxisを円満な関係で退社した氏は今後Stardockにて”Elemental: War of Magic”の開発に携わると共に、氏が率いる未発表の新プロジェクトを進めていく事が記されています。
インタビューの中でJon Shafer氏は”自分が作りたかった類のゲームを作る自由”が与えられる企業で働きたかったと語っており、若くしてCiv Vのリードデザイナーという重責を担ったJon Shafer氏の今後に期待が高まります。
なお、昨年の10月にはかつてCiv IVの外部コンサルタントとして活躍し、同タイトルの有名MOD”Fall from Heaven”の開発者として知られるDerek Paxton氏もシニアプロデューサーとしてStardockに入社しており、”Elemental: War of Magic”の新拡張パックは奇しくもDerek Paxton氏とJon Shafer氏が顔を合わせるタイトルとなる事が明らかになりました。
さらに併せて入社が明らかになったSF小説家のDave Stern氏のStardock入りについてはプレスリリースが発表されており、”Elemental: War of Magic”に来る2本の拡張パックに携わる事が明らかにされています。
Left 4 DeadやPortal、新作が待たれるHalf Lifeシリーズなど数多くの大作を手掛けながら、デジタルディストリビューションの覇者であるSteamを運用し、以前にはゲーマーの心拍数や発汗量等の生態測定技術を元にしたゲーム技術に関する内部研究などが進められている事が報じられていたValveですが、新たに眼球の動きによりゲームをコントロールする技術を研究している事が明らかになりました。
これはValveの広報を務めるMike Ambinder氏がGamasutraが掲載したゲームのアクセシビリティに纏わる記事の中で語った物で、体に障害を持つゲーマーへの経験を改善する様々な研究の中の1つである事が氏から語られています。同様の研究としてHalf-Life 2: Episode 3にて手話の利用が検討されていた事などが話題になりました。
まず、Ambinder氏はValveのタイトルに実装されている、字幕やサブタイトル、色盲用モード、シングルプレイゲームのポーズ機能、よりイージーな難易度レベル、操作キーやボタンの再マップ機能などのほとんどが、体に障害を持つプレイヤーのゲーム経験を改善する目的で考えられた物から生じた物である事を明かしています。
こういった経緯から現在はコントロールの代替技術に関する研究が常に続けられており、また存在しないようなゲームコントロール方法への先行的なアプローチを見つける事を目的に様々な操作方法が模索されているとの事。
Ambinder氏はこの中でも特に力を入れている研究がアイトラッキングによるゲームのコントロールである事を明かし、視線の動きをマウスカーソルのプロキシ役とさせる事をはじめ、マウスやキーボードの一切を必要としないゲームプレイも視野に入れた研究を進めていると語っています。
相変わらず意欲的なアプローチと取り組みを見せるValveですが、やはりValveのクオリティは秀逸なゲームデザインだけでは無く、各種タイトルのコメンタリ等でも見られる通りプレイヤーである”人間”に対する飽くなき興味が裏打ちをしている物だと感じられる印象的なニュースでした。
2011年2月28日から3月4日までサンフランシスコのMosconeセンターで開催される「GDC 2011」の会場で行われるAI開発に関するパネルイベント”AIサミット”の詳細が公式サイトにて発表されました。
今年のAIサミットでは、”成功を収めた商用タイトルに見られた問題とキーアーキテクチャを探る”事が掲げられており、アドバイザーにはNintendo of AmericaのSteve Rabin氏とDave Mark氏も参加しています。
今回アナウンスされたのは5つのパネルで、以下の様な内容となっています。
- AI Unplugged: How Experienced Devs Think Through AI
経験を積んだデベロッパ達がAIをどの様にデザインし、問題の追跡をどの様に行っているか等AIに対する開発のプロセスをプレゼンテーション。スピーカーにはBlizzardのBrian Schwab氏やDouble FineのChris Jurney氏、Rockstarのリードを務めるBrett Laming氏が登壇。- People in Your Pocket: High-Quality AI on Mobile Devices
ソーシャルゲームやモバイルタイトルを手掛けるngmocoの Andrew Sternが登壇、タイトなモバイルデバイスの制限下におけるAIキャラクターの開発を解説。- AI Pr0n: Maximum Exposure of Your Debug Info!
BlizzardのBrian Schwab氏と38 StudiosのMichael Dawe氏、EAでSims開発に携わるRez Graham氏らがそれぞれのデバッグ手法を明かし、異なるメソッドのAIデバッグについて議論。- Flirting with the Dark Side: Scripting and AI
リッチで動的なAIと静的でフラジャイルなスクリプティングの間違った二分化についてAI開発のダークサイドを議論。- Lay of the Land: Smarter AI Through Influence Maps
マップの影響を元に環境的な思考を持つ賢いAIを生む3種の見解。
北米のゲームハードやソフトウェアセールスのリサーチでお馴染みのNPD、現在NPDが発表する北米セールスの月次報告にはデジタル販売のセールスデータが含まれておらず、物理パッケージの統計結果のみ報告されています。
物理パッケージ販売の衰退がゲーム産業全体の縮小と同義に語られる事が多く見られる様になった昨今、多くのパブリッシャー達がデジタル販売での伸びをアピールし、決して市場やゲーム産業が衰えを見せている訳ではないと言及するシーンを見かける状況となっています。
そんな中、ついにNPDがダウンロード販売等の統計を含めた最新の調査レポート”Game Purchase Drivers 2010″を発表し、デジタル販売のシェアがなんと29%に及ぶ事が明らかになりました。
このデジタル販売の調査には、Steamに代表されるゲームパッケージのダウンロード販売以外に、モバイルやカジュアルゲームも含まれているとの事で、購入者の47%がBig Fish Gamesの様なポータルサイトとSteamに代表されるデジタル販売ハブから購入している事が明らかになっています。
また、42%の購入者がAppストアや携帯キャリアからデジタルゲームを購入、30%の購入者がXbox LiveやPSN、Wii Shop Channelと言ったサービスからゲームを購入しているとの事。
さらにこの調査ではゲーマーの5人に1人が過去3ヶ月の間にゲームタイトルの追加コンテンツを購入した経験があり、3ヶ月間の平均ゲームタイトル購入数は3.1本(※ 調査対象者は3704人)で、この購入金額の内10%の資金が中古販売業者への下取りから得られた金銭が用いられた事が明らかにされています。
物理メディアとデジタルメディアの隆盛については昨今様々な意見が交わされ、見解が発表される大きな議論の的となっていますが、29%という大きなシェアが今後市場にどう影響していくのか、今後のNPDによる調査報告も含め注目する必要がありそうです。
Remedyが虎の子の”Max Payne”IPを売り飛ばし、7年の歳月を掛けてようやく完成させたサイコロジカルスリラー「Alan Wake」、Remedyは今作が失敗したらヘルシンキでホットドッグを売って暮らすとまで言い放った物の、文字通り”類を見ない”良作ながらセールスは奮わず、シーズン形式で予定されていたDLCの計画も残念ながら頓挫してしまいました。
さらにリリース後には続編への意欲は十分ながらもマイクロソフトとのビジネス的な関係から続編の計画が進められない状態にある事を明かし、RemedyがLimbo(地獄の入り口、三途の川的な場所の事)に居るとの発言も見られ今後の動向が心配されていました。
そんな中、昨晩TIME誌のゲーム・オブ・ザ・イヤー企画にて2010年のトップ10タイトルが発表、なんとAlan Wakeが1位に選ばれRed Dead RedemptionやHalo: Reachを抑え今年のナンバー1に輝きました!おめでとう!
TIME誌はAlan Wakeについて、今年多くのゲームタイトルがMレーティング(17歳以上向け)を冠したが、そのどれもAlan Wake程に成熟しているとは感じられなかったと評価。Alan Wakeが実現した最も大きな勝利はメタファーをゲームプレイへと変換した事だと述べ、メタ認識とヒッチコック的なサスペンスの融合はAlan Wakeのゲームプレイにユニークで楽しい体験をもたらし、今年最も素晴らしいゲームへと完成させたと絶賛しています。
今回の栄誉はTIME誌の評価という事で、Remedyにとっては本当に喜ばしい評価に違いなく、先日開催されたVGAや今回のTIME以外にも多く行われている多くの大手メディアによるアワードの結果如何によってはDLC全部入りのAlan Wake GOTYバージョンのリリースだって夢では無い……かも?!
しばらくネガティブなニュースが続いていたRemedyだけに、こういった高い評価がマイクロソフトのジャッジを後押しする事を願って止みません。
なお、TIME誌の今年の10タイトルは以下の様な結果となっています。
- 1位:Alan Wake
- 2位:Angry Birds
- 3位:Red Dead Redemption
- 4位:Halo: Reach
- 5位:Super Mario Galaxy 2
- 6位:Limbo
- 7位:Super Meat Boy
- 8位:Super Street Fighter IV
- 9位:Starcraft II
- 10位:Mass Effect 2
フィンランドのインディーデベロッパRovioが開発を手掛け爆発的なヒットを記録したカジュアルタイトル「Angry Birds」がなんと5000万ダウンロードを突破したとアメリカの大手ニュースメディアCNBCが報じました。
さらにビジネス情報を扱うBusiness InsiderではAngry Birdsのプレイ時間が一日辺り2億分(※ 約380年……)に達し、もはやAngry Birdsは現代のパックマンとも評価しています。
これまでAngry Birdsのセールスについては、先月末にAndroidで700万ダウンロードを達成した事や、 リリースから2日で200万ダウンロードを達成した事、そしてRovioからは10月末の段階でApp Storeでの販売が1000万に達した事が報じられていました。
Angry Birdsの好調と人気を受け、12月11日を”Angry Birds Day”としたイベントがニューヨークで開催、会場には思い思いにAngry Birdsを楽しむプレイヤー達が集いコスプレなどを楽しんでいる様子が公開されています。という事でソーシャル分野での思わぬダークホースとなったAngry Birds、さらに記録を伸ばす事になるのか、カジュアルタイトルがビジネス的にも注目を集める中、今後の動向に注目です。
ダブリンに拠点を置く調査会社Research and Marketsが”U.S. Electronic Gaming Products Industry Report 2010″(米国のゲーム産業リポート2010)を発表、今年のアメリカゲーム産業全体の年間収益が約70億ドルに達し、その収益の多くがソニーとマイクロソフト、任天堂のビッグ3に集中している事を明らかにしました。
この調査は前述のビッグ3からLogitechやMad Catzといった周辺機器メーカまで含む物で、97ユーロで販売されている今回のレポートには、収益の内訳や市場勢力、さらにゲーム産業がどういった娯楽分野と競合しているか等、興味深い調査結果が掲載されているそうです。
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